2017/10/28
君だけではないのだ
今日も午後から晴れて、明るい1日でした。じゃなくて半日か。
うちの近所は東京杉並区なみに建て込んでるので、夜などブラインドを開けておくと、お互いに家のなかみが金魚鉢のように丸見えです。
今日は、夕方帰ってきてうちのドアを開けるときにふと隣のアパートの明るい窓をちらと見たら、カトリックの尼さんがいたのでびっくりした。
こんなところにシスターが住んでいるのか!?と一瞬思ったけどそんなわけはなく、ハロウィーンのコスプレでした。
ハロウィーン前の週末なので、街に出ればカフェの店員さんもバットマンだったし、窓の外は魔女やスーパーヒーローが行き交ってました。隣の家(尼さんのいたアパートとは反対側の)からも、今朝は恐竜とバレリーナが出てきたし。
うちの息子もさっき、ダウンタウンのどこかのパーティーに出かけていきました。
わたくしの予定?
チキンスープの残りでお粥を作ってワイマール共和国についてのリーディングアサインメントを読むでざますよ。ふん。
さて昨日のブレードランナーについて、あまりに色々謎が多くて、長い英語のモノローグが聞き取れなかったせいもあるので、今朝、朝ごはんのときに息子と謎の点を討議してみました。
そしてやっぱり、残った謎がいろいろ。
(以下盛大にネタバレ含みます)
まずそもそもレプリカントってモトがとれるのか?一体につきコストはどのくらいでいくらで売れてるんだろう。製造工程には誰が関与してるんだろう。あのハカセが一人で作っているのか?あんまりROIがよさそうな感じではないけど、経営状態はどうなのだろう。供給先は政府で独占だから安泰なのか。外国政府はどうなっているのか。そもそも外国はあるのか。
Kのモデルの寿命は何年なのか。メンションがあったかな?聴き逃した。
それがあるとないとではかなりジョーへの思い入れが違う気がする。
それはもうちょっとはっきり分かるようにちゃんと描いてほしかった。
LAPDがLAの中心組織であるのはわかったけど、ほかの政府組織はどうなっておるのか。
レプリカント関連とかの規制はどの局が担当してるのか。まったくないのか。
あの孤児たちはいったいどこから来たのだ。なぜみんな同じ年齢層なんだろう。
親たちはどこでどうやって死んだのだろう?
「ブラックアウト」っていつ何が原因で起きたの?
AIがどうやってレプリカントに同期できるんだろう?どうゆう仕組みなのだ?
レプリカントたちの地下組織は具体的にどのような革命を計画しているのか?
…などなど。
…と、こう鬱陶しいファンはほかにもいると思うけど、まあそんなことをいちいち考えているほど暇な人はそんなにいないのかもしれない。
どんなSF映画にも喧嘩を売るわけじゃなくて、深刻そうな顔してるやつだけですよ。
シリアスに見ろっていうなら、見てやろうじゃないの。でもちゃんと説明してよ。
全体に、まったくストレートフォワードな映画ではないし、親切ではないよね、という点で息子と意見が一致しました。
『インセプション』と同じくらい分かりにくい、と息子は言ってたけど、あの映画はもっと親切だったとわたしは思う。
でも本当に、映像は詩的でとても素敵でしたよ。
でもわたしはこの映画のメッセージがとても気に入った。それは、この主人公K/ジョーがマトリックスの「ネオ」のような「選ばれた人」ではないところ。
自分は特別ではなかった。まして救世主ではない。自分が持っている唯一の記憶も、自分のものではなかった。
それでも「なにかのために」 生命を投げ出すことを幸せに感じるのだった、終わり、という結末。
「自分がそれだと思っていたのね。私たちもみんなそうだった。君だけではない。でも、何か自分より大きなもののために死ねるなら、幸せなことではないかしら」
と、レプリカント団の首領に言われて、Kは怯むのだった。
だけどこの、ブレードランナーから革命の闘士に転向するところのトランジションがねー。
なんかもうひと押し、説得力がほしかったかなー。
「大義のために」じゃなくてさ。
たぶん自分のものではなかった記憶のために、ジョーは死んでいったのだろうけど、「大義のために」というその言葉が出てきたがために、なんかそれを鵜呑みにしてしまったかのような印象を残してしまって、ちょっと居心地悪いな。
「大義のために」ではなく、「僕の大切な記憶のために」のほうが、しっくり来るな。
あの巨大ホログラフ広告との出会いのシーンは孤独な彼の「ああそうか!」のシーンとしてとても胸に迫るものがあるんだけど、心動かされるほどではなかったなー。
思い出しては動揺するようなSF映画が観たいです!
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