2019/04/30

令和元年そしてリラックマ



あけましておめでとうございますw。

新元号の「新年」、ゴールデンウィークの真ん中というのんびりした時期だっただけに、日本では盛り上がってるみたいですね。
テレビ見てないからあんまり雰囲気がつかめないけど、ツイッターとかFBで見る限り。

「日本だから花火は上がらないよね」と日本の友人にLINEで言ったら、気仙沼では令和元年の深夜0時に花火を打ち上げたっていうニュースを送ってくれて、そうか、気仙沼か、としみじみしてしまいました。
大変だった平成の東北。ほんとに日本全国平和な令和でありますように。

今日は快晴。ちょっとのんびり。街中あちこちでチューリップが咲いてます。


ゴールデンウィークとはなんの関わりもありませんが、Netflixで『リラックマとカオルさん』を見て、なんとなくゴールデンウィークな気分になっている令和元年。
新宿では巨大リラックマに長蛇の列だって。

だけどこのNetflixのリラックマ、なんか声(うなり声)ドスがきいててちょっとイメージと違う。

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中庭の裸像 <フィレンツェ思い出し日記 その6>


フィレンツェ思い出し日記の続きです。
2日めの午前中に行ったバルジェッロ美術館。


16世紀から19世紀まではフィレンツェの治安取締りを担当した警察署的な役所として使われていて、監獄も兼ね、この中庭では罪人の処刑も行われてたそうです。

一番最初は市長的な役割の人の役所として建てられたというけれど、それにしても銃眼や見張り塔がついていて要塞的なおもむき。警察署といわれるとなるほどなーという感じ。

ヴェネツィアの華奢で華麗な建てものと比べると、フィレンツェの建てものはごっついですね。

19世紀後半から美術館になったそうで、彫刻作品がたくさん。
版画家なおみ先生が「高校の美術室で見たやつがいっぱいあるよー」とおすすめしてくれたので、ここはダビデくんとウフィツィ美術館、ドゥオーモについで必見だと思っていた美術館でした。行ってよかった!



中庭の正面にあったやつ。これは噴水で、まんなかの女性のチチからピューっと水が出るというデザイン。
これってラスベガスとか南カリフォルニアにありがちな噴水だと思っていたんだけど、なんとイタリアにちゃんと元ネタがあったのね。

 製作年代は16世紀なかば、1556〜1561年。バルトロメオ・アンマナーティという方の作品です。この人は建築家でもあった。ルネサンス期の彫刻家って建築家でもあった人が多いんですね。
ミケランジェロより30歳くらい年下の世代で、このあとに作ったネプチューンの噴水(シニョーリア広場にあるが、ちゃんと見てこなかった)は気の毒に、ミケランジェロに「綺麗な大理石を台無しにして、プッ」なんて、けちょんけちょんにバカにされたそうですよ気の毒に。

アーチの上に座っているのはゼウスの妻ジュノー(ヘラ)。
両脇にいるのはアルノ川(左)と「パルナッソスの泉」の擬人化だそうです。ふーん。

盛期ルネサンスて、本当に、バリバリにローマ・ギリシアの裸の神様を礼賛だったのねー。
こういう裸像が増えていく富裕な都市を見て、ローマの教皇やマジメな僧たちは、さぞやイラっとしたことでしょう。

そのへんの時代についてまったく無知なので、フィレンツェにきてこういう像をたくさん見て、ルネサンスって面白いー!と今さらながら思うのだった。

でもこの時代は異端審問所が設置されたころでもあり、宗教改革に刺激されてカトリック教会も反省して変貌していく時代でもあって、マジメな僧たちが権力をにぎったあと、フィレンツェでも裸像が弾圧されて、ミケランジェロも最後には裸像ばっかりつくった自分を悔い改めたみたいなことを書き残してたりするのが興味深い。

でも中国の文革みたいになにもかも壊されたりしないでよかった。



 こちらも中庭にあった、これは大砲。
100年後、1638年の建造で、実際にピサの街の防衛につかわれていたそうです。

大砲の後ろに首を突き出しているこのひげの方はどなたかというと、なんと!聖パウロさんです!

キリストの使徒パウロさんがこんな好戦的な物体に装着されていてもいいのか、と思ってしまうのはきっと後世の感想であって、戦が日常的な脅威であった時代には、街を守ってくれるありがたい存在として庶民から敬われていたんでしょうね。



青銅製で、ライオンも乗っており、全体に細かい模様が施されているとても綺麗な大砲ですが、まったくのお飾りではなくて、現役の武器だったんでしょう。



これも中庭の回廊にあった、19世紀のヴィンチェンツォ・ジェミートという人のなかなか素敵な「Fishing Boy(釣りをする少年)」。1876年。

目を惹きます。どことなくアール・ヌーヴォーの時代のものだなーっていう感じがするのは、この素材の黒い色なのせいなのか、テーマというか、描写の手法なのかな。


絵画に比べると、今まで彫刻作品ってそんなに熱心に見てこなかったしそもそもそんなに知らなかったけど、ここの美術館の彫刻作品はほんとに素敵なものが多くって、目を開かれる思いでした。


もうひとつ素敵なお尻。
これは黄金の羊皮を探しにいったギリシャ神話の「イアーソーン」。英語読みだと「ジェイソン」だったのね!知らなかった。

1589年、ピエトロ・フランカヴィッラさん制作のお尻です。かなりモリッと盛り上がってますねー。

メインの展示室にはミケランジェロさんやドナテッロさんの裸像がいっぱいでした。つづく。

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2019/04/28

きのう何食べた?


リラの花が咲き始めましたよ。


でもまだ寒い!今朝も、セーターにダウンジャケット重ねて散歩。
今日は快晴で気分のよい一日でござった。
キツツキがあちこちでいろいろなものを連打しています。みんな巣作りで大忙し。

キッチンのテーブルで仕事してたら、窓の外を白いものがふわふわと飛んでいく。
えぇ雪?と一瞬思ったけど、いくら寒いといってもそんなわけはなく、八重桜の花吹雪でした。


版画家なおみ先生がいろいろと送ってくださった!嬉しいー。

一保堂茶舗の極上ほうじ茶、『モーニング』と『きのう何食べた?』最新15巻、そして自作の最新ねこ絵本(イタリア語と日本語の四行詩つき小冊子。Cordel literatureというそうです)。目キラキラのねこたちがかわいすぎ。

締切きついお仕事中の週末なんですけど、届いたばかりのモーニングをもちろん読みふけってしまう土曜日の午後でした。 そしていま、日曜の夜。まだ終わっていませんよ。ひー。

去年に帰国した時もコミック誌は買わなかったから、モーニング読むのものすごく久しぶり。
「クッキングパパ」がまだ連載中だったのにはびっくり。
島耕作が会長になったのは聞いていたが、相変わらずですね。

『きのう何食べた?』は唯一紀伊国屋さんのプレミアム価格でも新刊を買うほどのお気に入り。ドラマ化されたと聞いてうわー観たい!と思っていたところ、なおみ先生がDVDに焼いて送ってくれた。しかしうちの機器では再生できませんでした(悲。

史朗さんのレシピ、新刊読むたびに刺激されて食卓に登場してます。


こちらは以前に送ってもらったカエルちゃんのお守り。朝夕守ってくれてます。

マダムMにもこのあいだ成田山のお守りを頂いた。お不動さま連合ありがとうー。

ほんとにいろいろありがとうございます。嬉しいよー。


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2019/04/27

聖堂のなかの森



もう10日以上も前のことになっちゃいましたが、先週のノートルダム大聖堂の火災は、パリにもフランスにも行ったことのない私にもかなりショックでした。

祈りの場所が燃えることの特別な喪失感は、ちょっとほかにはない感覚だと思います。

それにしても石づくりの建てものがあんなに激しく燃えるなんてどうしてと思っていたら、超いまさらなんですが、NYタイムズに「ノートルダム聖堂の火災はいかにして広がったか」という記事をみつけました。

NYTより。
なんと、屋根裏の内側の構造はすべて木造だったんですね。

1300本の木材からできていた「森」と呼ばれる場所だったそうです。


 さくさくと早く再建されますように。




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2019/04/26

ハチドリくんとピエロのストロー


初夏の花、ロードデンドロン(しゃくなげ)が咲き始めました。でもまだ寒い。
Coast Rhododendronというのがワシントンの州花。



散歩中にハミングバードのお食事場面に遭遇!


手持ちのiPhoneではこれが限界の解像度…。


久しぶりにバラードのCafe Fioreに行ってみました。
シアトルのCafe Vitaの豆を使ってて、カップも同じ。


シアトル市は去年の夏からプラスチック製のスプーンやフォークやストローの使用を禁止してますが、Cafe Vitaはこんな紙ストローを使ってたんですね。かわいいけど、良くみると不気味なピエロくんの柄です。



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2019/04/25

いろいろ満開


いろいろ満開のシアトルです。
これはたぶん姫リンゴ。

でもまだ少し寒くて、今朝もダウンジャケットを着てお散歩。気温は9度C。


八重桜並木。


先週末はCT家で花見の宴でした。


桜ではなくてプラムの花ですが窓のすぐ外が満開。


春らしいおむすびと「悪魔のおにぎり」、それとバーニャカウダと春巻きという、CT家らしいおシャレメニュー。


ホノルル出身の建築家Rちゃんのココナツもちと日本出身の建築家Rさんのスイートポテトケーキ。
なにもかもおいしゅうございました。


いつのまにかハナミズキも満開で。


でも本当に今年はちょっといつもの年より寒いとおもう。もうそろそろ日本はゴールデンウィークだというのに。


お散歩コースにある古い家。
もう1年以上前から空き家になって取り壊しの看板が出てたのに、何か係争でもあったのかずっとそのままになっていた。

うろこ壁の素敵な家で、ちょっとした近所のランドマーク的存在だったから、きっと惜しんでいる人も多いと思う。

デベロッパーの看板が私が見た限り3回は取り替えられて、そのたびに落書きされていた。
ここには8戸分くらいの四角いタウンハウスが敷地いっぱいに建てられる予定です。


数日前に通ったら、シアトル市の建築許可が下りたらしく、黄色い看板が立っていたので、もうすぐ取り壊されてしまうんでしょう。

前庭に植わっているこの白い八重桜の木もこれが最後の花かと思うと、ひとんちながら寂しいですね。



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2019/04/24

フランシスコさんの苦難 <フィレンツェ思い出し日記 その5>


フィレンツェ、アカデミア美術館のダビデくん以外の作品。

ジャンボローニャの「サビニの女たちの略奪」の石膏モデル。
大理石版はシニョリーア広場の「ランツィの回廊」にあります。

すごいドラマチックな場面をねじれた形状で表現している、ルネサンス後期、マニエリスムの作品。
ほんとにねじれてますね。


アカデミア美術館にあった中世〜ルネサンスの絵画がかなりツボで好きです。
これは作家の名前を書き留めてこなかった…。キリストの背後にいるのは誰なんだろう。

赤い翼の顔だけの天使がわらわらとわいています。


 無表情な天使の顔がこわい。


こちらも…忘れました。
キリスト復活の場面だと思われますが、レイドバックな感じのキリストが素敵。



タッデオ・ガッディさんの作品。
なにか恐ろしい四翼の飛ぶものから攻撃を受けているように見えてしまいますが、これは聖痕を受ける聖フランシスコ。


火の車に乗って空を飛ぶ聖フランシスコ。


美術館から帰る途中でみつけた、道路標識アート。


こちらも。↓
白い板を愛しちゃってるおまわりさん。
かわいい。なんだかいろいろなものが同居している街です。



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2019/04/23

ダビデくんとプリズナーたち <フィレンツェ思い出し日記 その4>


リッカルディ宮殿の次に行ったのは、フィレンツェのメインイベントのひとつ、アカデミア美術館。

夏場は行列で入場するまでに長い時間がかかるそうですが、3月初めは並ばずに入れました。
「フィレンツェカード」というフィレンツェ市内の美術館の共通カード(85ユーロで72時間有効)を利用したので、次の日のウフィツィ美術館も優先入場できて便利でした。(その後ルールが変わって、フィレンツェカード持ってても入館時間の予約が必要になったようです)



世に名高いミケランジェロのダビデ像。ミケランジェロ27歳〜のときの作品。

実物を見て、思ったより大きい、という人が多いみたいだけど、私の脳内ではダビデくん超巨人化していたので、あれ、意外にちっちゃい、と思いました。

もとはドゥオーモの外壁の高いところに飾る予定だったのを、あまりにも美しく力強く感動的な作品に仕上がってきたので、政治の中心だったヴェッキオ宮殿の正面玄関に飾ることになったそうです。(今ではヴェッキオ宮殿の前には同じサイズのレプリカがあります)

これから倒そうとする巨人ゴリアテに目を据えるダビデ。
この素っ裸の像は、やっぱりかなり明白にローマ・ギリシアの異教の神々から受け継いだオーラをまとっていて、そして自信でいっぱいです。


リック・スティーブズさんは
「ルネサンスのフィレンツェ人たちはダビデ像に自分たちを重ね合わせていた。ほかの巨大な都市国家と互角に戦う、神に祝福された小さな存在として。そしてより深いところでは、中世の迷信や悲観的な世界観、抑圧という醜い巨人を倒す文化的なルネサンス人として」と書いてます。

このテーマはハリウッド映画にも簡単に移し替え可能。

中世の教会の抑圧と重い禁忌からの解放というルネサンスのシンボルとされる作品が、現代のひとにも同じくらいの熱さでアピールするという、そのオーラはほんとうにすごい。




時代に求められてちょうどぴったりのときに現れた芸術作品は、多くの人のものの見方を変えていく力があるんだなと思わされます。


ダビデ像と同じくらい感動的だったのが、ダビデくんのすぐ近くに並んでいる未完の作品群。
「Slave(奴隷)」または「Prisoner」と名付けられてますが、どちらにしても後世の学者がつけた名前。

ミケランジェロは、彫刻家の仕事は石の中に閉じ込められた彫像を見つけることだと思っていたそうですけど、この4つの未完の彫像を見ると、それがウソやハッタリではなくて、ほんとにそうだったんだと思わざるを得なくなります。



大理石の中に閉じ込められていた人物が徐々に姿をあらわすみたいに、石の中から人の体があらわれてくるプロセスが記録されています。

ほんとに石の中から解放されていく人を見ているようで、「プリズナー」というのはいいえて妙なネーミングだと思います。

ノミのあとも生々しく、石から切り出されたカタマリがなめらかな筋肉になっていくその過程が目の前に見えるよう。

粗いピクセルから細かいピクセルの精密画像が現れるような感じでもある。

人知を超えてるとしか思えない制作過程がうかがえます。


ダビデくんはフィレンツェのヒーローだけに、ダビデくんグッズは街中のお土産やさんで見かけます。
このエプロン、CT旦那さんにお土産にしようかなと思って画像をテキストしたら全力で拒否された。


こちらはアカデミア美術館のショップ。

やはり焦点はそこなのか!


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