2017/08/22

日蝕ツアーその後


オレゴンに行ってた息子が電話のメッセージで送ってきた写真です。

「写真は撮らねえ」はずだったんですけど、やはり抗し切れなかったらしい。
三日月型の影。太陽がかげってくると、木漏れ日がこんな三日月型になる。

大昔に東京で部分日食があったときにもこんな三日月型の木漏れ日を見たことがありました。 長く生きてると日食も何度か見るようになるもんだ。
皆既はまだ見たことがないけど。

快晴の空の下で皆既日食を見た息子は、「シュールで、現実じゃないみたいだった」といってました。

コロナもはっきり見えたそうで、20秒ほど青い光がLEDのスポットライトのようにみえたそうです。いいなあ。

今日はしかし、オレゴンからシアトルに戻るのに大渋滞で12時間以上かかったそうです。
ははは。そのくらいは仕方ないでしょうね。

わたしも、今日は午前中みっしりと大事な会議という謎のスケジュールだったんですが、ちょうど10時半ころの休憩で、ちょこっとだけ、三日月型になっている不思議な太陽がみられました。

次回の日食、飛行機の上で観てみたいなあ。


でもほんと、特別に日蝕のときでなくても「畏怖」を感じることはできるよなあと思います。

わたしはその昔、10代のとき(ほんとに大昔だわ)、今はなき渋谷の五島プラネタリウムというところで切符切りの仕事をしていたことがあります。プラネタリウムが見放題の素敵な仕事だったんですが、あの古めかしいロビーに、リアルタイムの太陽を映し出すモニターがありました。

たしか、さしわたし60センチか70センチのくらいの大きさに太陽が映し出されていて、時々黒点やフレアがあらわれるのでした。

ある暇なとき(ていうか勤務時間の80%くらいは暇でした)にその太陽をぼーっとみていると、女性の学芸員さんが通りかかって、「地球はこのくらいの大きさなのよ」と、そのモニターの上に親指と人差し指で、5ミリにも足りないすき間をつくってみせてくれました。

その時の衝撃は今でも引き続き感じつづけています。
地球、ちっちゃすぎ!と思ったものでした。


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2017/08/21

日食が脳を変える


ダウンタウンの南、シアトル港をすぎたあたりに貨物用の線路が道路と並行して走っていて、コンクリート会社が専用に使っているらしい。そこにおきっぱなしになってるこの貨車が気になってました。
いい感じにサビがでた上に、ミロのヴィーナス??のような顔がずらっと貼られている。
アメリカの貨車はラクガキにおおわれていることが多いけど、このグラフィティは気が利いてるな、と思ってたら、数日前に見ると、顔がいくつかはがされたり黒く塗られてて、F--k White Spremacy(白人至上主義はクソ)という殴り書きがふたつ追加されてました。

うーん、どうせなら殴り書きじゃなくてもっとこうパンチのあるのにしようよ。


ツイッターで見たこれはオシャレ(「移民は犯罪ではありません」)。

ところで今日のシアトル・タイムズに、たとえば日食などのすごい体験で畏怖を感じると脳がどうなるかについての面白い記事がありました。

アリゾナ州立大学のシオタ教授の研究によると、Awe(畏怖)を感じたあとの被験者は、新しいアイデアにオープンになりやすく、記憶を捏造しにくくなり、より批判的思考がしやすくなるのだそうです。つまり、偏見なしに世界を見るのがより簡単になるんですね。

さらに、祈りを捧げている修道女と瞑想中の仏教の僧の脳の活動をMRIで観察したところ、きわめて似た状態の畏怖を感じていることがわかり、感情と記憶をつかさどる辺縁系が活発になるのと同時に、空間の感覚や自己認識をつかさどる頭頂葉が静かになっているのが分かったそうです。

実は幻覚きのこやLSDでもこの頭頂葉の活動が抑制されることによる自己感覚の喪失、空間認識の喪失というのは起こるのが知られているそうです。

修業を積んだ僧が瞑想で会得する感覚ときのこのトリップによる感覚が全く同じといっていいのかどうかは議論になるところだろうけれど、要はそこから日常世界に何を持ち帰れるかが違うということではないでしょうか。

人の世界観を変えるような畏怖は、なにも日食とかグランドキャニオンとか幻覚きのことかそういう日常の常軌を逸したスケールの体験にかぎらず、どこにでも転がっているんですよ、という研究者の言葉を記事は引用しています。

「畏怖は人を連帯させる」とも。
ネオナチの人びともISISの人びとも、宗教的な畏怖を知っているのに違いないのだけど。宗教の中心にあるのは畏怖と、自己の消失ですよね。それをもっとうまく使う方法はないのかなあ。

思うのだけど、モノのインターネットや人工知能がもっと発達してきたら、人類は良かれ悪しかれ「自我」の境界がだんだんあいまいにならざるを得ないところにいってしまうのではないかと思います。

それが恒久的な平和につながるかというと、そうでもないという気がするけど。


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2017/08/19

日蝕ツアー


どこに行っても月曜日の日食の話題で盛り上がってます。今日はカフェのバリスタちゃんも、メガネが売り切れで〜、とか言ってた。

わたくしとしたことが、ちょうどその日よりによって他州での仕事を入れてしまい、今回は見られません。

日本から友人R子さん夫妻がわざわざ日食を見に近所まで来るというのに、今回は合流できず。彼女たちはオレゴンのセーラムに行くそうです。

うちの息子は、先日鳥の足をいっしょに食べたPくんと一緒に、今日の午後オレゴンへ。
Pくんの新居がある町が、ちょうど100%の皆既ゾーンなんだそうで。
日曜は大渋滞になりそうなので、今日(土曜)のうちに出かけていきました。

「写真撮ったら送ってね」 っていったら、「写真は撮らねえ。目で見てエクスペリエンスするんだ」だって。さようですか。晴れるといいね。

次回アメリカで皆既日食が見られるのは2024年だそうですよ。こんどはテキサスのほう。


サウスレイクユニオンのあたり、ますます建築用クレーンが増えている。まだまだビルができるんですねー。
ダウンタウンを通るたびにクレーンの数が増えてる気が。


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2017/08/18

シアトルのアールデコたてもの(3)テラコッタの雪山 連邦ビルディング


アールデコ建築シリーズの第3回は、「Old Federal Building(オールド・フェデラル・ビル)」。
住所は909 First Avenue。


完成は1933年という、アールデコとしては遅れてきたビル。
1932年、まさに大恐慌の最中に建設されたビルです。

大恐慌後、フランクリン・ルーズベルト大統領のニューディール政策のプログラムの一環で、全国で連邦政府のお金でインフラを整備して雇用を生み出そうというWorks Progress Administration(WPA)の設置が議会を通って正式決定したのは1935年。
このビルはそれに先立った連邦政府のプロジェクトでした。

ニューディールの時代は、ほんとうに国を挙げての「Make America Great Again」の時代だったんでした。
今とは時代も違うけど、800万人以上もの雇用を実際に生み出し、ソーシャルセキュリティー制度も作り、という、ものすごいプロジェクト。
(そのときに国民健康保険もできてたらよかったんですけどね)。
その約80年後に馬鹿げた大言壮語で国を分裂させる大統領が生まれるとは、いやはやなんともはや。

話がそれました。


なぜ「オールド」かというと、連邦政府のいろんな局が増えて手狭になり、1970年代になって向かい側にニューな連邦政府ビルが建ったから、こちらが「オールド」になったのでした。

アールデコを中心に、いろんな様式がミックスされているビルです。


垂直ラインを強調した階段式のビルの形はアールデコそのものですが、たとえばこの正面入口の上についている装飾はアールデコ登場以前に一世を風靡していたボザール様式の気分が残っています。


このアーチのとこに並んでる動物たちとかは、どうみてもアールデコとは縁遠い、クラシックな様式。


牡羊に獅子、バッファロー、ピューマ?
なぜこのラインナップなのか謎ですが、どの顔もかなり凶悪そうです。


「フェデラル・オフィス・ビルディング」という字体も、アールデコの気分をちょっとだけ反映しつつ、クラシックにも足を入れてますよという感じがします。
ビルの大きさに対して玄関が狭いですね。


正面玄関の両側にあるこのブロンズ製の飾り壺は、アールデコらしい、カクカクした直線を強調するデザイン。


ちょっと古代文明を彷彿とさせるデザインでもあり、1925年のパリ博に出ててもおかしくないような正統派アールデコ。


パノラマで撮ってみた。まるいビルにみえますね。


ビルのてっぺんだけ白いテラコッタを使っているのは、シアトルから見えるノースウェストの雪山を表現しているのだそうです。よく見ると「雪」の部分の一番下にも山羊みたいなのがいる。

建築をその土地の自然物になぞらえるのもアールデコの特徴のひとつなのだそうです。
ギリシャ・ローマから受け継いだ古典様式の建築が自然とは対局にあるものだったからなんでしょうか。

窓の上下にある飾り板は「スパンドレル」といい、このビルでは模様を打ち出したアルミが使われてます。
アルミは1930年代には最新の素材で、このシルバーはとても斬新だったのに違いない。


ビルの裏側はこんなになってました。このローディングドックはオリジナルなのかどうか。1930年代にトラックでの積み下ろしはしてなかっただろうから、後の時代につけたものなのかも。

このビルも外壁はテラコッタ、つまり焼きもので覆われてます。
素焼きレンガとは違い、釉薬をかけていろいろな色にでき、型に嵌め込んで大量に装飾タイルが作れるので、この時代にはビルといえばテラコッタというくらいテラコッタがよく使われていたらしい。


シアトルのビルでは、スミスタワーもせいうちビル(写真上)のせいうちも、もちろんエクスチェンジ・ビルも、全部テラコッタ。

1920年代にはシアトルにもテラコッタの製造会社がたくさんあったのですが、今では全米で建築素材用のテラコッタを作っているのは全米で2社だけで、そのうちの1社がこのフェデラル・ビルのテラコッタを作ったワシントン州オーバーンにあった会社を買収したんだそうです。それがサンフランシスコにある、このグレーディング・マクビーンという会社。



上の動画はその会社を紹介する地元番組の動画で、テラコッタ制作の概要がわかって面白い。番組のレポーターがものすごくテンション高いゲイの人なのもサンフランシスコらしい…。

温めるまでに3日間かかるというテラコッタ材を焼く巨大窯や、テラコッタの精みたいな専属アーティストのおじいさんも出てきます。

この会社では今でも古いビルの修復のためにテラコッタ材を焼いているのだそうです。

INAXのサイトによると、明治時代に建てられた赤坂璃宮ではドイツ製のテラコッタが使われ、その後日本全国で国産のテラコッタが建築素材としてたくさん作られたんだとか。

建材の移り変わりも面白いです。


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2017/08/17

パイオニア・スクエアのElm Coffee Roasters


約2か月ぶりの雨が降って、爽やかな青空が戻ってきたシアトルです。


パイオニア・スクエアのElm Coffee Roastersにいってきました。

Slate Coffeeとおなじく、比較的新しいシリアスなロースターです。

シアトル生まれの若い人(たぶん)がやっている、2013年創業のコーヒー屋さん。


いわゆるサードウェーブコーヒーの王道をいくような、明るくクリーンでシンプルなインテリア。

卸売りもしているそうです。
地元デザイナーによるデザインもオシャレ。


店の奥にある焙煎機。なんだかたたずまいが実直でかわいいですねえ。


冷たいアメリカーノしか飲んでないけど、ここのコーヒーは好きだー。
軽めの焙煎で、ふわっと明るい香り。飲みくちも明るい。
ドーナツはMighty-Oのです。バラードの店は心配になっちゃうくらいちっともお客さん入ってないけど、あちこちのカフェに卸してるのね。


メニューはシンプルです。
そして、「エスプレッソとマキアート」「エスプレッソとドリップ」という組み合わせ、さらには「エスプレッソとマキアートとドリップコーヒー」という、満漢全席みたいなメニューもある。
行ったのが午後遅めで、カフェインとりすぎになりそうだったので控えましたが、今度は満漢全席をたのんでみたい。
やかんも可愛い。

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2017/08/16

ファシストを笑う方法


近所の庭でみかけた、自然に還ってる椅子。

ここ数日のニュースは、20世紀に見た安っぽい近未来ディストピアSF映画の出だしみたいです。

政治家なんて誰がなっても同じ、なんて思ってませんでしたか?

トップが変わると組織は変わるんですねやっぱり。

そしてたぶん、悪くなるほうがよくなるよりもずっと早いし簡単。

バカの親玉がホワイトハウスにいるとどんだけバカがつけあがるのか、証明できましたね。あと3年半後にいったいどうなってるのかこの国は。

今日のシアトル・タイムズのコラムで、Danny Westneatさんが、「ネオ・ナチと戦う最善の方法は、笑いのめすこと?」というタイトルで、シアトルの地元ライターDavid Neiwertさんの10月に発売される著書「Alt-America: The Rise of the Radical Right in the Age of Trump 」からの引用を紹介してました。

“Fascists, you need to understand, are the ultimate psychic vampires,” he writes. “They feed off hate. They want to stoke it as much as possible. They want things to become as violent as possible. They love it when you become violent, and give them martyrs …”
「ファシストとは、究極の精神的バンパイヤだということを知っておくべきだ。 ファシストたちはヘイトを糧としている。可能な限りにおいて、嫌悪を掻き立てたがっているのだ。対立ができるだけ暴力的になることを彼らは望んでいる。あなたが暴力的になって殉教者が出るのを、彼らは心から喜ぶのだ」

Neiwertさんは、ハラを立てて立ち向かえばバカの思うツボだから、バカたちを笑える方法を探してはどうだろう、と提案しているのですが。


「大統領は間違ったことは言ってないわよ、左派にも過激で暴力的な人はいるしぃー」とかいうFOXニュースのコメンテーターのコメントを聞いて悶絶しながら、こいつらをどうやって笑ったらいいんだろう?と考えてみたけど、わたしにはとても思いつきません。

エンターテイメントとしてのカウンタープロテストが可能なら、どんどんやったらいい。

でも笑いも暴力装置なんだよね。

今日美容院に行ったら、いつも髪の毛を切ってもらってる日本人のスタイリストさんが、彼女も米国にもう20年以上いる人なんだけど、「白人に対してハラが立って、不信感でいっぱいになってる」といってた。旦那さん白人なんですけどね。

持っている人が持っていない人の立場を理解するのは難しい。

恵まれている人は自分の立場を当然だと思い、恵まれていない立場の人のことを何かが間違ってるとか怠け者だとか考えて自分を納得させようとする。

不満を感じている白人男性は、自分たちがどれほど恵まれた境涯にいるのかまったく理解できないのだし、もしかしたら自分たちが間違っているかもしれないと疑うことさえできない頭になっているのだと思う。

もともと立場が違う人間が完全に理解し合うなんて土台無理なんだから、それはそれで仕方がないのだけど、だからこそタテマエというものがあり、戦後、数々の戦いをへて変化してきたアメリカのタテマエが今まではなんとか社会をひとつにまとめていたのに。

人間は進歩なんかしないのかもしれないけど、社会は変わってきた。

何十年もかけてたくさんたくさん血が流れた上に築かれてきたタテマエを、あの大統領は無責任な「本音」でグズグズにしてしまった。

これからの数年は、アメリカと、まわりで見守っている全世界が、タテマエを死守するのか、したいのか、できるのか、よくよく考える機会になると思う。



『トゥナイト・ショウ』のジミー・ファロンでさえ、「うちの2歳と4歳の娘たちに、いったいなんて言えばいいのか。絶対に後戻りさせてはいけない」と泣きそうなくらいストレートなメッセージを語ってました。
 
笑ってすませられる時は過ぎてしまったからこそ、バカを暴力的でなく笑える方法を真剣に探す時なのかもしれない。笑うだけではダメですね。落ち着いて、ファシストが問題だと思っている問題を無力化するような方法。それは笑いに近いところにあるような気がするのだけど、フィンガーポインティングではなくエンパシーに近いと思う。

バカにつける薬。だれか発明してくれ。


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Pret A Manger、ねこ看板、ホームデポ


出しそびれていたニューヨーク小ネタ帳です。

ニューヨークのウェストビレッジのあたりにあった、猫看板。
自転車にまたがってこの写真を撮ってたら、通りがかりの親切な女性が「撮ってあげようか?」と言ってくれた。自撮りをしてるのだと思われたらしい。ちゃいますねん。



ニューヨークで何度も (たしか11日間で4回)行ったPret A Manger。

街の中のあっちこっちにたくさんあって、スープやサンドイッチやサラダの種類が豊富で、お手頃価格だし、期待を上回るおいしさでした。
野菜やスープがこんなにおいしいファストフードの店って貴重です。
ホールフーズのデリのようで、もっと安いしおいしい。

この写真のランチはきゅうりとツナのサラダと、にんじんとターメリックのスープだったかな。

店のインテリアも明るくてオシャレ。Chick-fil-Aはもういいから、Mangerにシアトルにも出店してほしい。なぜシアトルにないんだろうと思うくらいノースウェストっぽいテイストの店だと思ったら、ロンドン発なんだそうです。


その並びにあったホームセンターの「The Home Depot」。仰々しいクラシックな円柱のあるビルに入っててちょっと面白かった。ホーム・デポといえばだだっ広い駐車場にメキシコから来たおじさんがたむろして仕事を待っているのがデフォルトなのだけど、こんな店もあるのね。

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2017/08/15

ファミリー飲茶の鶏もみじ


日曜日の飲茶。
ヤムチャっていってもアメリカ人には通じない。

ディムサム(点心/dim sum)といわないとわかってもらえない。 点心と飲茶はサンドイッチとアフタヌーンティーみたいな関係なんだけど(少し違うか?)「ディムサムに行く」という言い方なんですよね。

息子の親友P君がオレゴンに行っちゃうので、その前に飲茶に行こうよ!と誘ったらママと息子のKくん(3歳)も連れてきてくれて、ファミリー飲茶に。

チャイナタウン/インターナショナル・ディストリクトのHoney Court Seafood Restaurantというお店です。
すんごく混んでて、結局30分待ち。日曜のチャイナタウンはどこもめちゃくちゃ混んでいる。シアトルにこんなにチャイニーズピープルがいるんだ!とびっくりするほど。


香港出身のPママが次から次へと注文してくれるので、たちまちテーブルの上はいっぱいに。ご馳走するつもりだったのにご馳走されてしまったー。
Pママとは初対面だったのだけど、香港ママらしいバイタリティ溢れるママでした。
高校のときからうちの息子がP家にいりびたりで、何度もご飯を食べさせてもらったり泊まりに行ったりしていながら何もお返しもご挨拶もしてなかったのに、またしても単に親子でご馳走になっちまった。駄目過ぎる大人として。
「じゃあこの次は寿司ね」と空約束だけしてきましたが…。ほんとにもー。
でもそんなことを気に病む気にもならないような、元気いっぱいの面白いママでした。

P君は高校のときからとっても優秀で、ワシントン大学ではバイオ化学を専攻。卒業と同時に給金つきフルスカラシップでドクターコースに招待されて、オレゴンの大学にいくのです。
その上大学1年のときに息子くんが生まれたので、若いパパでもある。
のーんびりした感じの子なんだけどねー。



さてわたくしはこの日、鶏の足先を生まれて初めていただきました。



その衝撃的なビジュアルのため、いままで敬遠してたんだけど、P君の大好物なのだそうで、小さいK君もおいしそうに目の前でむしゃむしゃと食べているので、これはいただかなければ悔いが残ると思って食べてみた。
軟骨がちゅるっとして、肉団子っぽい濃いめの味付けでうまかったです。

でも骨をぱきっとしてちゅるちゅる食べるのはやっぱりハードル高いな。

日本語ではこのチキンフィートのことを「鶏もみじ」とも呼ぶそうですね。知らなかった。


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2017/08/13

シアトルのアールデコたてもの(2)豪華絢爛エクスチェンジ・ビルディング


アールデコ建築シリーズの第2回は「Exchange Building (エクスチェンジ・ビル)」を紹介しました。
住所は821 Second Avenue。


シアトルのアールデコ建築ファン(ニッチな市場ですが、一定数のファンがいるんですよ!)の中でも人気の高いビルで、完成は1930年です。


設計者は英国生まれのジョン・グラハムさん。
以前アマゾン本社が入居していたビーコン・ヒルの丘の上のビル(元は海兵隊病院)や、ダウンタウンのMacy'sの設計も手掛けた人。

このビルは、1929年の施工当時、鉄筋コンクリート製としては米国で2番目に高い建物だったそうです。鉄筋コンクリートは当時の最先端工法だったんですね。

垂直のラインを強調するために窓をへっこませたアールデコ建築特有のデザインで、上に伸びていく力強さとスピード感が表現されています。


「エクスチェンジ」の名前は、「取引所」から来てます。

このビルはセカンド・アベニューとファースト・アベニューの間にあります。
シアトルの方ならご存知のとおり、この辺はきっつい坂になっていて、セカンド・アベニューの入り口とファースト・アベニューの入り口の間は4階分の段差があります。

(上の写真はセカンド・アベニュー側の入り口です)

その4階分を吹き抜けスペースとして穀物などの商品取引所が作られ、その取引所を見下ろすバルコニーがあったそうです。


これは1950年代のニューヨーク証券取引所ですが、シアトルのエクスチェンジ・ビルの構想は、これをもちょっと小さくした感じのイメージでしょうか。


ビルの装飾には穀物や農産物の取引所らしい意匠がいっぱい。
このレリーフにも、チェリーらしい果樹などたくさんの植物がフィーチャーされてます。


ステンドグラスも小麦のデザイン。

でも残念ながら、このビルが完成する直前に大恐慌が起きて大不況に突入してしまったため、結局この取引所は使われずじまいだったらしいです。なんて残念なビル。



これはマリオン・ストリートに面した側面。


ウインドウの上にいかにもアールデコっぽいデザインの装飾。


セカンド・アベニューとマリオン・ストリートの角からファースト・アベニュー側を見下ろしたところ。冬に撮った写真なので景色が寒々しいっすね。

ウインドウの脇のちょっとした装飾が可愛いです。



現在は角にタリーズコーヒーが入ってます。


このパネル(ビルの由来などを説明している)と文字はわりと新しく取り付けられたもので、アールデコ風デザイン。

アールデコって、1950年代〜70年代のインターナショナル・スタイルが全盛だった合理主義の時代には悪趣味な過去の遺物でしかなく、なるべく早く忘れ去りたい存在だったようで、天井の装飾を石膏ボードで覆い隠したり、デコなシャンデリアを無味乾燥で実直な蛍光灯につけ替えたりというむやみな改造があちこちのビルで行われてました。

80年代以降アールデコ好きな人が増えてきて、オリジナルのおもむきを取り戻すために、そういった無残な改造を元通りに修復する努力が始まります。

このビルも、新しい持ち主に変わってから施工当初の面影を再現するためにかなり色々修復されたのだそうです。


このビル最大の見どころはエレベーターホール。黒の大理石に金色の装飾で豪華絢爛。
エルテの世界ですね。ていうか80年代の東京のディスコみたいな感じでもある。

バブルが弾ける直前の1980年代後半の東京と大恐慌前夜の1920年代後半のアメリカは、感覚もよく似ていたのかもしれませんね。

エレベーターホールはファースト・アベニュー側とセカンド・アベニュー側にふたつあります。この時代のビルでこんなにエレベーターの数が多いビルも珍しいそうです。

照明器具はオリジナルではなくて、オリジナルをもとに作ったコピー。

エレベーターのドアは後の時代に付け替えられたものですが、それ以外の部分はかなり忠実に元通りになっているようです。


エレベーターの上にある装飾も、小麦と太陽の意匠。


こちらはファースト・アベニュー側のエレベーターホールにあるサービスエレベーター。
これが唯一残っているオリジナルの扉で、ブドウと花のレリーフで飾られています。

この扉をとっぱらって、何も装飾のない扉に取り替えてしまったんですねー。


受付にあった電話まで、むかし風。
歴史あるビルとしてのキャラクターを打ち出そうという意欲が垣間見えます。


こちらはファースト・アベニュー側の入り口。使われている大理石はミネソタ州産。「レインボー大理石」と呼ばれるマルチカラーの石で、形成されてから36億年経つという、地球上でもっとも古い岩石の一つなんだそうですよ。


玄関内部(サード・アベニュー側)の黒い大理石はイタリア産。これは精巧なラジエーターグリル。
写真がブレてますが実物はもっと綺麗です。壁の大理石もグリルの形に合わせて放射状に切って貼ってある。


このメールボックスもものすごく豪華。世界ひろしといえども、これほど豪華な郵便ばこはあまり他にないのではないかというくらいゴージャス。


まわりを小麦らしい植物がらせん状に囲み、中心には様々な植物が絡み合う豪華なレリーフ、下にはきのこ。

これはアールデコというよりアールヌーヴォーな気分のデザインですが、文字のタイプと、メインのレリーフの中心にV型の直線が引いてあるところが少しデコっぽい、ハイブリッドなデザインじゃないかなと思います。

私はやっぱりこういうアールヌーヴォー的なのが好きで、このぐるぐるした曲線のつる植物ときのこが萌えポイントです。

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