2018/06/27

あの人のふるさと


なおみ先生のお宅に滞在中、1日だけすかっと爽やかに晴れた朝に、自転車を借りて柴又へ行ってみました。

柴又といえばこの人。寅さんとさくらちゃんの像が駅前に。


朝10時ころ到着だったかな。まだお店も開いたばかりで観光客もまばら。帰る頃には団体さんがわーっとやってきていました。

柴又に来たら団子はお約束、というわけでみたらし団子を1本購入。
しかし高い。団子1本170円かい!観光地じゃのう。


まだ人が少なく静かな門前、ねこが気持ちよさそうにお昼寝をしていました。


というわけで柴又帝釈天。観光地だろうとたかをくくっていたけど、これがなかなかどうして素敵なところでした。

でも門のところでひっきりなしに寅さんのテーマの最初のところがぴ〜ひゃらららら〜ひゃらら〜ら〜とかかっているのはいかがなものか。

拝観料400円を払うと、本堂の裏面をぐるりと回って裏手と下のほうにある彫刻見られる「彫刻ギャラリー」と、裏手のお庭をぐるっと回廊で回ってお庭を拝見できます。


「ギャラリー」の一部、縁の下の龍ちゃんたち。
この彫刻は昭和4年の完成だそうです。
このへんは戦災で焼けなかったんですね。


回廊から見た境内。山門がかっこいい。


こちらは獅子ちゃん。うしろの欄干の鳳凰?松・梅・竹などもなんとなく大正っぽい感じのデザイン。

日蓮宗のお寺です。
お寺のウェブサイトの縁起には

当山には昔より日蓮聖人御親刻と言われる帝釈天のご本尊が安置されていたが、江戸中期の一時所在不明となっていた。安永年間に至り当山の第九代亨貞院日敬(こうていいんにちきょう)上人は此の寺のお堂が荒廃したのを歎き、その復興を計ったところ、安永八年(1779)の春、本堂改修中の梁上にこのご本尊を見出し、ついにご本尊の再来の法悦にあったのである。その吉日が庚申(かのえさる)に当たったことが、当山と庚申の結縁の始まりになったのである。

とあります。


此の御本尊は庚申の日に出現したもので,以来庚申の日を縁日として東京方面から小梅曳舟庚申を経て、 暗い田圃路を三々五々連立って参り……見渡す限りの葛飾田圃には提灯が続き、 これが小梅、曳舟から四ツ木、立石を経て曲金(高砂)の渡しから柴又への道を又千往、 新宿を通って柴又へ至る二筋の道に灯が揺れて非常に賑やかだったと言う事である。 茶屋の草だんご等は今に至っている。
と、江戸時代の縁日はとても賑やかだったらしい。田んぼにずっと提灯が並んでいる風景、いいですね。


これも彫刻ギャラリーにあった、ご神水縁起。
「祈願によって帝釈天が出現し、ご神水が湧き出る様子」とあります。
明治時代に奉納された絵。


この帝釈天の出で立ちが!パンクである。かっけえ。



この回廊は昭和35年に作られたもので、古くはないけど、とても風情があります。


裸足であるくと足の裏にとても気持ち良い。


ぐるっと池をまわる。亀ちゃんがポーズをとってくれた。


途中で「ご神水」とかいてある水にさわれるようになっていました。


庭園の横に客間があり、中には入れないけど絵が飾ってある。
こちらも帝釈天ですね。


横山大観筆という、猿の図の屏風。
これは木彫のための下絵だそうで、ではその木彫はどこに?と聞いたら、それは非公開なのだそうです。



なかなかこれは素敵な猿の図でした。

 おかあさん猿もいる。

庚申に縁があるから猿なのかな。


客間のシャンデリアがとっても大正風。純和室にこのシャンデリア。壁についてるランプも大正モダン風。


無料のお茶マシンがあり、冷たい煎茶を頂きながらここのベンチで庭や猿の絵を眺めながらちょっと本を読んだりしてました。
休日は混み合うのかもしれませんが平日の午前中だったのでほぼ無人で、ぜいたくなお休み処でした。


そこから自転車で数分の「矢切の渡し」も見に行った。

なおみ先生のステキ自転車。
暑かったけど川辺は爽やかでした。


渡し場です。江戸な風情。


ちょうど、観光バスで来たらしいお客さんを満載した渡し船が向こう岸へ向かって行くところでした。
江戸時代もこんな具合に庚申の市に来るひとたちが満載だったんでしょうね。


そうだ、帝釈天の境内をはいったすぐ左手の手水のうしろに、金のとぐろを背中にのせた蛇さんたちが大量にいた。これはまた思い切ったデザインですね。
この苔むした岩のガーデンにこの蛇さんたちの組み合わせが素晴らしい。
現代アートみたいです。


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2018/06/25

コロッケ未遂


京成線の立石という駅の駅前にたいへん美味しい肉やさんのコロッケ&メンチカツがあるというので、なおみ先生とわざわざ電車に乗ってコロッケを買いに行きました。

が、お休みだった。

朝からコロッケに向けて調整をしていただけに、二人とも大きなかなしみを味わった。
コロッケの不在をたこ焼き大ちゃんで埋める。


美味しかったです。でもアツアツで、一気に食べると口のなかが大変なことに。
通過するちょっとやさぐれた猫たちや、謎のおじさんたちを見ながら公園でたこ焼きを食べる。


立石の商店街はめっちゃ寂れている。

都内で、スカイツリーから数駅で、成田にも羽田にも一本で行けるという立地なのに。

レタリングがかわいい洋品店「ダイマル」。


育児用乳製品の店も人形焼支店も、定休日ではなくて売店舗。

育児用乳製品の店のシャッターはすごく素敵なテクスチャーです。



コロッケだけじゃなくてなんかもうちょっとこうなんとかならないのかねえ、とまったく他人事ながらやきもきしてしまう。なかなか素敵な佇まいの商店街なのに。



駅前は再開発される予定で土地の買い上げが進行中。



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2018/06/24

交流できなかった


先週は東京下町にお住まいの、版画家のなおみ先生のおうちに3泊ほど泊めていただきました。
おばあ様が長年お一人でお住まいだったというとっても昭和なつくりのおうち。うちの祖母がやっぱり一人で長年住んでいた2階建ての家によく似た間取りで、そしてまるで忍者屋敷か天守閣のような急な階段もなつかしい。

1階に子象くらいの大きさのリトグラフ用のプレス機を設置してアトリエにしていて、もういちいちあるものがツボすぎて住みたくなります。

うちもこの春から息子がカノジョと一緒に近くのアパートに住み始めたので、わたしも一人暮らし一年生なのである。
よく考えると、本当に一人暮らしって初めてかも。
いろいろと参考にさせていただきたいラブリーなお住まいでした。



お手洗いの本棚もツボすぎる。
作品は左からなおみ先生のミニ銅版画、プエブロの家みたいなのは版画家・岡田まりゑさんの立体作品、ガレージみたいなのは作家名不明の根津のギャラリーLIBREで購入した作品、いちばん右のねこつき作品は陶芸家・萩原朋子さんの、だそうです。

ここに並んでいた本のうちガストン・パシュラールというおじさんのをちょっと読んでみたら超ツボで速攻ポチる。
お部屋のあちこちにも魅惑の本棚が山盛りなのである。


サクランボの季節です!佐藤錦。レーニアチェリーもおいしいけどね。
この黒い子たちは喫茶シャノアールのおまけだそうです。
のらちゃんに似ている。ふたり養子にもらってきた。


近所のお蕎麦屋さんも特上にうまいー。ランチセット、かき揚げ丼つきぶっかけ蕎麦。
これで小さなデザートもついて1000円とかでした。やすう。ていうかシアトルの物価が高すぎるのか。

ハワイからひっこした翻訳者兼ラッパーMeisoくんとも先日久々に会って話したけど、アメリカから来た人はみんな日本の物価のやすさに感動している。
 

悲しかったのは、なおみ先生の家の3人のねこさんたちと交流をしようと意気込んでいたのに、皆さん、3日間ずっと物陰にかくれてしまわれ、ちっとも交流のひとときが持てなかったこと。これはガブリエルちゃん。怪しいおばさんがまだ居るよー、いやだなあ、はやくいなくならないかなあ、という顔で見ているのである(哀)。




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2018/06/22

雨と明神


雨の御茶ノ水界隈。
クライアントさんとの打ち合わせのあと、神田明神に行ってみた。


 ビルのあいだにある緑の鳥居。

絢爛豪華な門。きりりとしている。

大祓の茅の輪がありました。本殿も屋根のラインがかっこいい。都会的な感じ。


雨は小止みになってくれて、しっとりした風情。


お社の脇に小さい馬ちゃんがいた。すごく小さい馬。
狭い場所で、退屈そうでした。



自作イラストつきの絵馬が多いなあ、なんだろう?と思ったら、なんか最近アニメの舞台になったらしく、「聖地巡礼」でファンがやってくるんだって。

平将門さんも「えっ何だよお前ら?」と苦笑いしているのでは。
まあ賑やかなのはいいよね。

あとから知ったけど門前の甘酒屋さんが美味しいそうです。 行けばよかった。


駅の反対側にはニコライ堂。

そういえば御茶ノ水って、線路をはさんでふたつの聖堂があるのね。湯島聖堂と、ニコライ堂。



関東大震災後に復興された聖堂。どこか大正モダンな感じがするですね。
このケーキのようなうねうね模様のせいかな。

お堂の中では信者さんのボランティアらしい堂守みたいなおじさんが、セーラー服を着た4人の清楚な女子高校生たちに説明をしてました。

キリスト教の歴史(ローマ、ビザンチンからルターの宗教改革まで)、この聖堂の歴史、イコンについてなどと、それから感謝を持って生きることの大切さまで盛りだくさんで、神妙に聞いている高校生たちが可愛らしかった。


神保町は、まるでわんこそばのように次から次へ書店が現れる恐ろしい街である。
この店を見たらもう帰ろう、と思って書店を出ると、すぐとなりにまた気になる本が並んでいて、明かりに引き寄せられる蛾のようにフラフラと書棚の間に引き寄せられてしまう。

すでに持って帰れるキャパはマックス超え。

人ひとりやっと通れる通路の両側に天井まで古書が積み上げられている店で、いまここで地震が来たら間違いなく書籍の下に埋もれるなあ、と思う。

そういうお店の店主さんは超無愛想か、超愛想が良いかのどちらかである。


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