2016/05/11

ピンクの町


テオティワカンへの途上、メキシコシティからちょっと北に出ると、両側の丘がてっぺんのあたりまでカラフルな色でうめつくされていました。

液体胃薬の「ペプト・ビズモ」そのままの、ホットピンク。どムラサキ。赤。青。

特に圧倒的にピンクが多く、その次に目に染みるようなムラサキが目を引く。

ちなみにペプトビズモはこれです。

ドライバーのエドガー君によると、「これはみんな、ガバメントの造った住宅。おカネのない人が住んでいる」。
公団住宅みたいなものらしい。

「政府が無料でペンキをくれるので、みんなその色を塗る。自分では選べない」
のだそうです。えー、このピンクとムラサキはガバメントイシューなのか!

そういえばタクシーもピンクであった。明るく楽しい街づくりのため?


おもちゃのブロックの町みたい。特にピンクやムラサキの家に住めといわれて暴動が起きるでもないので、みなそれなりに気に入っているのかもしれない。

たしかに全部灰色のコンクリの箱で埋め尽くされているよりは…心が明るくなるとまでは言わずとも、インパクトは強い。

朝、反対車線がメキシコシティに向かう車で大変な渋滞でした。

「片道3時間かけて通う人もたくさんいる」とエドガー君。

えっ、片道3時間?いくらなんでもそれはないだろうと思ったけど、エドガー君は真剣にいうのです。
「そして10時間働く」
メキシコでは10時間労働がデフォルトなのだそうだ。
そして午後3時から午後10時くらいまでは車が渋滞するので、帰りも渋滞。

「…なんだかそれは。大変なライフスタイルだね」
「うん」
「メキシコシティでは8割の人が貧困層だって聞いたけど」
「それは本当。80%が貧乏、5%が金持ち。15%がミドルクラス。80%の人は月収500ドルくらい」

だから、たとえスピード違反とか駐車違反とかでチケットを切られても、おまわりさんに200ペソ(11ドルくらい)のワイロをあげれば何でもチャラにしてくれるのだそうだ。ポリスのお給料も500ドルくらいだから、貴重な収入源なのらしい。
街中のいろんなところに何もしないで立っている警官がたくさんいたけど。


「何度もカクメイがあったのに、暮らしは良くならないのね?」
というとエドガー君は苦笑いして言った。
「政治家はほんとに何も気にしない」

ほんとに何も知らなかったけど、色々すごいメキシコシティでした。

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2 件のコメント:

  1. もしかしてハワイのトリプラーもメキシコ政府からペンキもらったのかなー?なんてふっと。

    メキシコは本当にカラフルだよね。アジアで言うなら中国的存在?

    うちもメキシコシティ行きたいので、エドガー君の電話番号教えてください。お財布忘れたから持ってきてくれるとか、どんなにいい青年なんだ!

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    1. もとこちゃん、ははは、トリプラーよりもっとショッキングなピンクの家が多かったよ。よく見るとピンクもいろんなトーンがあるんだけど。
      この江戸紫のようなパープルに塗られた家をシアトルでも2回くらいみたことあるけど、もしかしてメキシコの人なのかな。

      エドガーくんにビジネスカードもらったので、あとでお送りします! ほんといい青年でした。

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