場所はシアトルのダウンタウンからすぐ丘を上ったあたりのエリア、Capitol Hill (キャピトル・ヒル)。 このあたりは最初に開発された住宅街のひとつで、今では大学の近くに画材屋さんやパブやレストランやカフェやブティックやインデペンデント映画館など、個性の強い店がかたまったファンキーな街と、それを取り巻いてコンドミニアムやアパートがやや密集して建っている、ちょっと東京の下北沢〜渋谷あたりを彷彿とさせる街。
ラップでぐるぐる巻きにされた家や、テープでぐるぐる巻きにされた家。壁や床一面に、古い洋服が貼付けられていたり。
ここに住んでいた人たちの影のような、糸でつくられた家族の肖像とか。
「ここから覗く」と、壁にわざわざ開けられた穴から観ると、ほこりだらけの古びた電子オルガンのある居間が。
Allan Packerさんの「The Fulcrum of Prescience」。床の下からコヨーテ?がせり出し、逆さ吊りのコンドルが壁にあけられた隙間を通ってブラックライトで照らされた隣の部屋と言ったりきたり。
3週間ほどで6000人以上が見に来たそうで、ギャラリーでやる展覧会なんかにくらべると遥かに多かった、と、受付のもの静かなお兄さんが言っていました。
取り壊された跡には、コンドミニアムが出来るそうです。こんな風にたくさんの人に集まって見送ってもらったら、家たちも嬉しいでしょう。
シアトルの人は本当に古い建物が好きなのだなあと思わされるほど、古い建造物を再利用やそのまんま利用しているオフィスや店舗、住宅が多くて、すぐに綺麗さっぱり何でも取り壊してしまう東京から来た者にとっては羨ましい限り。それだけ土地に余裕があるということなのだろうけれど。
東京では、林芙美子も住んだことがあるという巨大木造アパート「本郷館」がついに取り壊されてしまったそうです。一度見に行きたかったなあ。
面白そうですね~!終わっちゃって、残念。青山の同潤会アパートが壊される前に、似たようなイベントをやっていて、行ったのを思い出しました。表参道ヒルズも面白い建物ではありますが、アパートの方が面白かったです。本郷館、取り壊されたんですか・・・。文京区に住んでたのですが、結局見に行かなかったので、残念。東京も下町には面白い建物があると思うんですけど、どんどんなくなるのは残念です。江戸とうきょう建物園で昭和初期の建物を見ると、懐かしい&今でもお洒落じゃない!?って思うんですけども、建築基準法とか色々めんどくさいのかもしれません。
返信削除ZIZIさん、おもしろかったです。すみません、もっと早くに行ってレポートしたかったのですが、ハワイ滞在中に気づいて、行ったのが最終日前日だったのです。
返信削除文京区にお住まいだったのですね!本郷館、ほんとに残念でした。
江戸東京たてもの園、いちど行ったことがあります。
公園に保存されるのも良いのだけど、やっぱり町並みの中で使ったほうが、建物も嬉しそうな気がします。
東京は地震があるし…ってシアトルもですよね(汗)。パイオニア・スクウェアの建物なんかはかなり危険らしいですね…。耐震構造にするために相当お金がかかるようなことを聞きました。
このイベントすごく楽しそう!取り壊される家も、最後に沢山の人が訪れて家冥利に尽きるでしょうし(笑)、家丸々という規模の自由な場ースペースを提供してもらったアーティストにもいいチャンスですよね!
返信削除「シアトルの人は本当に古い建物が好き」というのを読んで、思い出したのですが、私の周りのアメリカ人の知人や、特にヨーロッパから移住してきた知人たちは、家を買うときに、必ずと言っていいほど中古の家を買って少しずつリフォームしながら暮らしているんです。それに比べ、日本人の知人は新築の家を買う場合が多いんです。新築の家は設備も最新で素晴らしいけれど、古い家は床に高価なoak材を使っていたり、実は意外と細かいところまでしっかり作ってあったりするんですよね。西洋の人って古いものの価値や、それに手を入れながら大事に受け継いでいくということをよくわかっているんだろうな、と思います。
Nahoさん、いろんなものをインストールされながらも、家たちもこころなしか楽しそうでしたよ!
返信削除そうそう、昔の家って、今では貴重なぜいたく品になった無垢材をふんだんに使っているし、仕事も手仕事で丁寧に仕上げてあるのですよね。
今の新築は、かなりの豪邸でも、ノリで木くずを貼り合わせた合板の建材がほとんどですものね。
今住んでいる住宅街も築70~80年くらいのかわいい家が多くて、何代目かの住人が手を入れながら大切に住んでいるのを見るのは楽しいです。