2011/04/19

Halfling


Tolkienの『The Lord of the Ring』を読み返していたら、ホビットのことを「Halfling」と呼んでいる箇所があった。
これはトールキン先生の造語のようだけど、評論社刊の瀬田貞二さん訳ではなんて訳してあったかな、と思って探してみたが、どうやら引っ越しのときに処分してしまったらしくて手元になかった。なんてことだーーー。指輪物語を処分してしまうとはー。
どなたかお手元にお持ちの方、教えていただけたら幸いです。「小さき人」だったかなあ。

トールキン先生はこのほかにも、東国の野蛮な人民に「Easterling」という別称をつけている。これは「東夷」とでも訳すのかな。ああ気になる。

Easterlingは悪の権化サウロンの手先になって「西の王たち」と戦う軍団で、どうもフン族とかの香りがぷんぷんする感じ。南の国の人も、まあ問題にするほどもないワイルドピーポーとして書かれている。
 
今読んでみると、「中つ国」(Middle-earth の瀬田訳、ほんとに格調高い名訳だと思います)にはかなり、執筆当時の1920年代〜40年代の西ヨーロッパ人の世界観がにじみでているのだなあ、と少し驚かされる。

南や東の、あまり信用ならない人々は色が浅黒く、西の海の彼方から来るエルフや高貴な人間は色白く金色の髪をしている。

もちろん、そんなのは壁の下塗りのようなもので、深い教養に裏打ちされたとてつもなく壮大かつ精緻な世界、70年代に熱狂的に愛されることになる革命的なプロットやテーマがそれで減るわけもない。
 
むしろ、20世紀後半から21世紀になっても同時代の作品として!愛されているからこそ、気になるのかもしれない。

ところでこの「-ling」という縮小辞、duckling (あひるの子)くらいしか思いつかないけど、「ゆうこりん」とかの「りん」も、もしかしたら同じ機能をもつ縮小辞なのではないだろうか!



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4 件のコメント:

  1. 面白いですね!!ファンタジーは、特に、翻訳が難しいせいか、なかなかこれ!という日本語訳に当たらないことが多いです。指輪物語は、大人になってから読んだので、実は日本語では読んでないのですが、Tomozoさんの文章を読んで、日本語版を読んでみたくなりました~!
    ling、私は、何かでyoungling(若者)という言葉を知って気に入って(Star Warsだったかも・・・)、たまに使ってます(笑)ゆうこりんのりんってそうかも!なんだか納得してしまいました。
    あと、kinってありませんか?確か、最初に映画で聞いて、面白がってkinをよく使うようになったのですが、(babykinとか)これも縮小辞なのかなーと思いました。

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  2. Ziziさん、私は瀬田訳で中学の頃に読んだので、「中つ国」とか「粥村」とか、地名は漢字で頭に刻まれてしまってて、映画を見たときにちょっと混乱しましたw 日本語版の字幕は「ミドルアース」だったのかな?瀬田訳、賛否あるようですが私は雰囲気があって好きです。
    Younglingって、マスターヨーダが言っていましたね、たしか!そうだそうだ!  Babykinはきいたことないです。何の映画だろう?

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  3. 『The Lord of the Ring』日本語版、単行本で出版されたもの9冊全て持っていますよ。是非お役に立ちたいのですが、全て日本に置いてきてしまったんです。次回日本に帰国したときに調べたいのですが、果たして私、その箇所がわかるでしょうか・・・。
    「中つ国」って素晴らしい表現ですよね。私は元の「Middle-earth」よりずっと好きです。
    -lingや-kinってスペイン語でいうところの-itoみたいな感じでしょうか?かわいいですよね。-kinに関してはパートナーのことをHoneyの代わりにPumpkinと呼ぶのもそこから来てたりして(?)と思ってしまいました。

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  4. Nahoさん、ありがとうございます。私もせっかく日本から持ってきたのに、なんで処分してしまったのかー。次日本に帰ったら調べてみます。こっちの図書館にないかなー。

    スペイン語はぜんぜん出来ないのですが、「-ito」ってなんとなく雰囲気がかわいいですね。bonito とか?
    「パンプキン」って、よく小さい女の子に大人が呼びかけますね。あれ本当にかわいい呼び方だなと思います。

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