2013/09/24

月夜の舞 


19日、中秋の名月の宵。

Aさんの、緑に囲まれた素敵な邸宅にて、舞踏家薫さんのパフォーマンスを拝見いたしました。

かぶりつき席にて。『ツクヨミの笑み』


能舞台のような、緑の梢の海の上に張り出した素敵なデッキがステージ。

今回も書家 Yoshiko氏が、文字のうごめく空間を作る。


今回は、赤いTシャツ地に書かれた文字を引き裂いた、赤麺、こと「しがらみ」が、舞台の真ん中にうにうにと異常な存在感を放って鎮まっておりました。


白い結界に置かれた、しがらみ。


舞台をしつらえている間に、梢の間に月がさしのぼって来ました。



日もとっぷりと暮れたころ、鐘の音とともに舞踏家が登場。



にじり口のような、小さな窓から! 『リング』の貞子を一瞬思い出してしまいました。


 異界からまた別の異界へと、生まれ落ちた女。
 


しがらみと戯れる。幼女の魂。


しがらみにまみれる。 舞踏家の後ろでは月が静かにのぼり続けています。



漢字は幾百億の重い思いを背負っている。


月の人は文字を散らしながら歩く。



冷たい月の見下ろす舞台。ドラマチックなパフォーマンスでしたが、サロンでの開催だけに、のどかでくつろいだ感じでもありました。


昔の人は月の光が人を狂わせると、いわれのない罪を月にかぶせたものです。

ツクヨミのことは良く知りませんが、ギリシャ神話でも月は女神。夜は女のものか。


舞踏の後は、大皿に張った水に映る月を囲み、「炭坑節」が出たり、唄をうなる人もあり、たいへんに楽しい月見の会でございました。



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4 件のコメント:

  1. Tomozoさん、いい記事を有難うございます~。実充実した月見の宴でございました。
    舞台美術、良かったですよね!真四角なデッキが、次第に異次元空間に変貌してゆく様は、なかなかのものでした。
    睡蓮の造花もよい感じに写っていますね...

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    1. 薫さん、今回も「升席」で拝見させてくださってありがとうございます。
      月が、まるで書割のように指定の場所に登場してすごいと思いました。しかも超晴天で。
      舞台準備の様子もビデオ撮影して、コマ落としで再生したら面白いですね。
      猫のきたろう姫の登場には一瞬萌えましたが、あの登場と退場もまるで脚本通りのようで、すごいと思いました。ほんとに。

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    2. キタロウ姫の登場、ちゃんとビデオの最初に映っております~http://youtu.be/1zm9thKWLuc
      もしかして途中から参加するかな...と予想していたのですが、舞台に出てみれば既に姫はかっこつけて座り込んでいましたね~。妙に人間っぽい奴であります。写真写り、良いですし。

      にじり口から出てきたところ、半紙の山の上には、デンデン太鼓...。私を釣る餌のように置かれていましたね。ほんっと、よしこちゃんが作ってくれる舞台は、面白い!私も登場してはじめて、お~今回はこういう風に作ったんだ!なんて驚きもあります。

      舞台準備の様子も絵になります。写真からのコマ落としも良いかも。
      Tomozoさん、一緒にビデオ編集やりましょうよ~。

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    3. はい、猫登場、チェックしました!かーん、て鐘の音と共に出てくるのがあまりにタイミング良すぎて、笑いをこらえるのに必死でした。だって本人何も気づいてないし。
      でんでん太鼓をにんまり笑って据え付けていた場面も目撃しました(笑)。
      登場して初めて舞台のディテールがわかるってスリリングですねー。
      動画編集、やりたいですね! とからさんでの撮影も! 

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