2020/10/12

キンモクセイをもらった


雨です。そして肌寒い。今日なんか11度C。ふつうに暖房をつけてます。

いつのまにかすっかり秋本番。おでんが恋しい天気。

きょうは(日曜日)かなり本格的なざーざー降りでした。
しばらく雨つづきの予報。

でもあのかなしい煙の日々のあとでは、雨に文句はいえません。



じゃじゃーん。金木犀をひと枝、いただきました。

猫ママ、にゃを子さんのガーデンより。

日本にいたときは、毎年あたりまえに享受していた秋の香り。何年ぶりだろうか。

去年もこのお庭で咲いているのは目撃したけど、香りはほとんど届かなかったので。ほんとに久しぶりで感涙。

いただいたキンモクセイは一輪挿しにしてバスルームに置いて、出入りするたびにうっとりしてます。幸せがとまらない。

香りのよい花はたくさんあるけれど、キンモクセイはほんとに柔らかくて、尖ったところのない、まるい感じの香りですね。



 雨の日も素敵なマジカルガーデンです。ほんとになんでも揃ってる魔法の庭。



お茶の木の花も咲いてました。



そして!美しいみょうがの森。
ジャングルのような葉をかきわけ、舞踏家薫さんがつぎつぎに茗荷を収獲。



葉をかきわけると、茗荷の花もたくさん咲いていた。


蕾がふいてる状態のは時々見るけれど、咲ききった花を見たのは初めて。こんなに可愛い花になるんですね。



ぴっかぴかの茗荷がこんなに〜!
おすそわけいただきましたー。嬉しいー。

なんと美しい色なんでしょうか。



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2020/10/04

タコの先生がすごすぎて絶句


先週につづき、ユニバーシティ・ディストリクトのファーマーズマーケットに行ってきました。

またまた超大輪のダリヤ。いま、マーケットの花屋さんに並んでいるのは8割がたダリヤ。
あとはヒマワリ、百合。アメリカンサイズですねー。

火焔のようなダリヤ。このクリーミーなオレンジ色が大好きです。



 今回は取り置きしておいていただいて、タキさんのお店でおいしいピッカピカのオクラ、モロヘイヤ、みょうが、ほくほくカボチャなどを買えました。ああ、ありがたい。こんなにおいしい野菜を作って、遠くまで売りにきてくださってありがとう。

 オクラはさっとゆがいてみょうがとかつぶし、レモン醤油で。最強!!

 


 
Netflixのドキュメンタリー『My Octopus Teacher』を見ました。

…と書いていたら、波のり翻訳者えりぴょんから「これ見て」とLINEが入った。またまたシンクロ来てる。みたよみたよー!

ミッドライフクライシスを迎えたドキュメンタリー作家が、南アフリカのケープタウンにある自宅のすぐそばの海(素晴らしい景色にかこまれた、素敵なおうちにお住まいのようです)に毎日潜っていき、ある一匹のタコに出会い、タコとの親交を深め、タコとその世界…習性や身体構造や知能や天敵や捕食行動などを深く知るようになり、タコとの絆を深めていくというお話です。

これがめっちゃくちゃ面白く、ごはんを食べつつ親子で1時間半、くぎづけでした。

ジャイアントケルプの森の中の映像も素晴らしいし、まじでおすすめです。

 


観た翌日も、家庭内でタコについてのディスカッションが止まりませんでした。

青年は、好きなように(なのかどうかは知りようがないけれど)身体の色ばかりか形状までも瞬時に変えられるタコの皮膚の構造について、デザイナーとしてたいへん興味を惹かれているようです。

タコってあんなに色がいろいろ変わるんだ!

茹でると赤くなるのしか知らなかったけど、ほんとに変幻自在で、ツノまで生えてくるんですね!

頭の形を簡単に変えられるなんて!赤くなったり黄色くなったり白黒水玉模様になったり。

そして、足(触手)がなくなると、ほんとに新しいのが生えてくるんだ!

 


そして、このドキュメンタリー中では触れられていないけれど、タコには「9つの脳がある」のです!

タコの脳は、8本の足にそれぞれ、独立した判断力のある「脳」というべき機能がある「分散型」の脳なのだそうです。

だからむしろ「脳が9つある」のではなく、「脳が9つに分散されている」ということですね。

本体の脳はこの分散脳システム全体の質量の10パーセントしかなくて、触手にある脳が合計60パーセントを占めるんだそうです。


そして、各触手には約200個の吸盤があって、これがお互いに瞬時に情報をやりとりしているらしい。

タコの神経系を研究しているワシントン大学の心理学の先生が、あたらしいホッケーチームの名前「クラーケン」(巨大タコ的な海の怪物)がなぜホッケーチームにふさわしいかについて解説してる動画をみつけました。


クラーケン

ワシントン大学にはタコ研究者が多いのか(ピュージェット湾にはタコがいっぱいいるので研究対象にしやすいのかも)、宇宙生物学(そんな学問分野があるなんて知らなかった)の研究をしている院生が、タコの神経系統での判断がどのように行われるのかのコンピュータモデルを作って発表している動画もありました。

「how sensory information is being integrated in this network while the animal is making complicated decisions(タコが複雑な判断を下しているときに、感覚器官からの情報がこの(神経の)ネットワークにどのように統合されているのか)」について、新しい知見をもたらす研究だそうです。研究の中身はまったくわからん。でもどう統合されてるのかめっちゃ興味しんしん。

脳が腕とか足とかにあって、瞬時に判断を下してるって、いったいどんな心持ちなんでしょうか!しかも8本がそれぞれ独立してるって。

しかし、これだけフレキシブルな身体構造だと、逆に脳が中央にしかなかったらどの触手をうごかしていいのか迷っちゃったりこんがらかったりするのかも??

そして、タコが身体の色を変えるのはタコの「判断」なのか、触手が決める判断なのか、その時タコの意識のなかでどんなことが起こっているのか。

タコにも人の感情に似たものがあるとすれば、身体の色が変わるとき、なにを感じているのか。

ドキュメンタリーでは、タコの好奇心と知性がフォーカスされていました。


毎日通ってくる人間にだんだん慣れてきて、触手をのばして人間の手に触ってみたり、ついにはまるで猫のように人間の腕に抱かれるようになったり。たしかに好奇心旺盛、というほかない。

UWの研究でも、タコの好奇心と知性が確認されてるそうです。

さらには、魚の群れで遊んでいるとしか思えないような行動もとらえられています。


この映画を観ていると、タコがかわいくみえてしょうがない。このドキュメンタリー作家さんに近寄り、触手を伸ばして手にさわったり、おとなしく腕に抱かれているようすは、猫みたい。




このドキュメンタリー作家さんは当然ながらこのタコとのあいだに深い精神的な絆を感じるわけだし、観ているわたしたちもそれに共感して涙を流してしまうのですが、タコのほうで人をどう思っているのかは永遠にわかりませんよね。

 犬猫は進化の途上で別れはしたものの、哺乳類というおおきなくくりでは同じで、脳の構造からしても、情動やその前身になる感覚がわたしたちとそれほど大きな隔たりはないだろう(人より純粋に感覚や情動を経験しているかも)と思われますが、頭足類は脳の構造、使い方、司令系統からしてまったく違う。

それでも行動を観察していると、好奇心と記憶が発達した、高い知能を持った存在だと確信するしかない。まさにエイリアン。

昔からSFでタコ型のエイリアンが何度も描かれてきたのは、いわれのないことではなかったんですねーーー。



タコ先生を観たら、こちらもぜひ。「タコの脳はどうしてそんなにすごいの?」TEDトーク。

しばらくタコ刺しが食べられなくなりそうです…。

 


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森のきのことかわいいホコリたち



ちょっと前、久びさにワシントン大の植物園に行ってきました。
駐車場はすべて、再オープンしていましたが、ビジターセンターはまだ閉鎖中。

もう今ごろは、もっと葉っぱが色づいているかと思います。

 


きのこがたくさん出てた。これは…「Dispersed Naematoloma」? 



これは、ダグラスファーの根もとに生えていたので「Douglas-fir Collybia」かなー。

何年か前に立派なきのこ辞典を買ったけど、まったく使ってないし勉強もしてません。

きのこの世界はかなりの深い沼で、足を踏み入れると出てられなくなるそうですが、楽しそうな沼だと思いながら遠くから見るだけ。

きのこ狩りとか山菜採りに情熱を燃やしている友人がいますが、たしかに、そのシーズンには仕事も他のあらゆる予定も全て差し置いて山菜採りに打ち込んでいる。狩人の血が燃えるのだろうなー。ちょっとうらやましい。

 


これも波乗り翻訳者えりぴょんがなぜか実家からサルベージして持ってきてくれた、福音館書店の絵本。なぜわたしが粘菌好きだって知っていたのだ。

粘菌って、正式には「変形菌」ていうのね。知らなかった。そんなことも知らないくらいなにも知りませんが、変形菌は見ればみるほど面白い。

 


 

 粘菌といえばこのひと、南方熊楠さんも登場していました。

脳もないのにまわりの環境を分析して(…いるかのように)形を変え、食べものをさがし、取り込み、合体し、ネットワークをつくって、移動する。

動物なのか、植物なのかもよくわからない。不思議すぎるー。

『風の谷のナウシカ』(コミック版)にも巨大化した粘菌がでてきましたね。あれは怪物だったけれど、結局は良い子だった。

 粘菌、いや変形菌、めっちゃかわいいです。

 ナショナルジオグラフィックの変形菌特集(2018年3月の)。見てみて。
信じられないほどかわいい変形菌たちの写真がいっぱいで萌えます。

 変形菌には「ホコリ」っていう名前が多いんですね。
あまりにも小さいので肉眼では「ホコリ」にしか見えないけれど、近づいて拡大してまじまじと見てみると、ものすごくかわいい世界が広がっているという。

なぜかうちの青年にもいま変形菌ブームが来てて、変形菌の行状について熱く語ってくれます。

英語ではslime mold。「スライムモルド」って響きはちょっと不穏ですが、いたって害のない生物。

スライムモルドの世界は、そもそも生物ってなに?とか、いろいろ考えさせられてほんとに刺激的です。きのこも不思議だけど、粘菌はさらに不思議。

世の中には、目に見えないいろんなものがうごめいているのですね。

追記:このあいだたまたま読んだ(最近はまっている)松岡正剛さんの千夜千冊のサイトに、こんなくだりがありました。

「クマグスは粘菌のもつ生命ネットワークに、自己変容性と自己多様性の愉快を感得した。また日本の森林型の神祇にもとづいた「浄」の作用のなかに、神仏習合をものともしないメタファー性が自由にひそんでいたことを感得した。」

 

自己変容性と自己多様性の愉快。あああ、その粘菌の自由さ、それが惹かれる理由なのかも。

あと 「森林型の神祇にもとづいた「浄」の作用」のもたらすメタファー性ていうのも、今、めっちゃくちゃ気になっておるところです。森はすごい!


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2020/10/02

シャクシュカ



 今回の煙は、幸いシアトルではそれほどひどくありませんでした。

きょう(木曜日)は、少し焚き火的なニオイがするだけで、ごくふつうの薄曇りのような天気。でも上空には煙の層があるのがわかります。

 

ご近所のお庭。なんだかかわいいりんごの木。



最近うちの青年がよく作ってくれる朝ごはん、シャクシュカ。

地中海発、イスラエルの料理として有名なんだそうです。

いろんなレシピがあるようですが、オリーブオイルでにんにくと野菜を炒めて、トマトソースを加えて煮込み、卵を落とすという簡単料理で、おいしいです。うちの青年のはクミンシード、フェタチーズ、パセリをのせる。

わたしはこれ、ボストンのTatte Bakery & Cafeで初めて食べたのでした。

看板料理のひとつで、朝ごはんに食べてる人が多かった。ニンニクけっこう入ってたけど。

ハーバードの教授ふうのぴしっとしたスーツ姿の初老の男性が、ハーバード大出版局の分厚い本を片手にシャクシュカを食べていたのがなんか印象的で。ああ東海岸だなあ、と思う光景でした。

 


青年は東海岸の時間で仕事をしているので、朝は圧倒的にはやいです(といっても、自宅勤務なので自由度がめちゃめちゃ高く、よく昼寝もしている)。わたしがのこのこ起き出すころにはとっくに朝ごはんを食べてウェブ会議を済ませて、そろそろ昼寝にかかっている、ということが多い。

ところで、ホワイトハウスのあの人がコロナに感染したとかー!!

「残りのディベートを避けるための方便」なんて陰謀論も聞こえてきてちょっと笑った。

これが大統領選挙にどう影響するやら。
選挙までそろそろ一ヶ月となりました。最後まで予断が許せません。



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2020/09/30

煙がかえってきた



山火事の煙が戻ってきてしまいました。
いちど海上に出ていった煙がまたジェットストリームに乗って帰ってきたらしいです。
前回よりはまだましだけれど、きょう(水曜)は朝から陽射しが夕日のようなオレンジで、午前中なのにこんな夕暮れチックなエフェクトをかけたような色に。

北カリフォルニアのナパのあたりはまだまだ大変な状況です。はやく鎮火しますように!!



まるで夕方6時くらいみたいな光線ですが、これで午前11時半、天気は快晴のはずだった。
空は真っ白。


ご近所の家に、立派なあけびがなっている!

ちょっとひとつ、売っていただけませんかって聞いてみようかと一瞬思った…。
CTちゃんに写メを送ったらびっくりしてました。種か苗、どこで入手できるのでしょうか。

CTちゃんは故郷の富山でよく食べてたそうですが、わたしは実は食べたことない。



ドッグウッド(ヤマボウシ)の実もたわわになっていました。

ウィキペディア先生によると「果肉はやわらかく黄色からオレンジ色でありマンゴーのような甘さがある。果皮も熟したものはとても甘く、シャリシャリして砂糖粒のような食感がある」そうです。えー、こっちも食べてみたい。



波乗り翻訳者えりぴょんがくれた、みかん蜂蜜。香りの良い上品な蜂蜜です。

きょうはテーブルの上にさす陽射しも全体にハニー色。


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カボチャの季節2020、最悪のディベート&犯罪者のワイン


 

もう10月がやって来る!!コロナ禍でも秋はちゃんと予定通り来るのだった。

近所のスーパーマーケットの店頭に、カボチャがたくさん並びはじめました。

大統領選挙も佳境に入ってきました。例年なら最高のエンターテイメントだ!と思うけれど、今年はディベートを見る気もしない。

火曜日の第一回トランプVSバイデンの討論会は、ワシントン・ポストの論説員いわく
「worst presidential debate in living memory(記憶にある限り最悪のディベート)」。
自分の番でないのに口をはさみつづけるトランプにバイデンが「シャラップ、メン」と応える場面もありました。「負けたのはアメリカ国民」とニュースアンカー。

政治がこんなものに成り下がってしまったとは。



Ballard Marketには、芸術的なおもしろカボチャが出てました。


 3分ほど逡巡したすえ、買わなかった。

 


あまり食べておいしいカボチャではないのですが、色と形がウソみたいにかわいい。




 大型スーパーFredMeyerに、スヌープ様の顔つきワインが売っていた。

スヌープのヴィンヤード産、というわけではなく「19 Crimes」というブランドのラベルのひとつ。

ワイン飲みのCTちゃんが早速試してみて「まー、フツウ」だと評価されておりました。

 


ご近所にもカボチャや蜘蛛のディスプレイが増えてきました。
これだけ見ていると、コロナ禍などないかのようです。

今年のトリック・オア・トリートは、どんなふうになるのでしょうね。

小さい子どものいる家庭では、親ごさんたち、頭を悩ませていることでしょう。

こんな、ノーコンタクトのキャンディシューターを考案したお父さんのニュースが流れてきた。 素晴らしい。

楽しくて安全なハロウィンでありますように。



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2020/09/29

ファーマーズマーケットの新しいきまり



先週の土曜日は、久しぶりにユニバーシティ・ディストリクトのファーマーズマーケットに行ってきました。

コロナ禍が始まって以来、初めてです。ていうか、最後に行ったのは去年の8月だった。
 


コロナ以前とはやはり雰囲気が違い、入場制限があって長い行列ができていましたが、10分ほどで入れました。

マスク着用は当然ですが、こんな↑ルールが掲示されています。

1)病気の症状があるなら、家に帰ってね。
2) 常に6フィート離れること。
3)9時前に入場しないでね。
4)1家族につき1名まで。
5)商品に触らないこと。
6)おしゃべりしたりのんびり買いものしないで、さくさく退場すること。
7)お互いに優しく。みんなで乗り切ろう。

入場制限があるので混み合ってはいないし、お客も売り手も、たしかに以前のようにのんびり楽しそうな雰囲気ではなかった。雨がちの天気のせいもあって、なんとなくシリアスな感じでした。


ルール4)は知らなかったので息子と2人で行ったけど、家族で来てる人はけっこういたので、そんなに厳しく適用はされてないようです。




日本にあるような極上野菜が買えるタキさんのお店は、遅く行ったので(午後1時すぎ、もう閉店に近いころ)目当てのオクラなどはもう売り切れ。

次週、とりおきしてもらうようにお願いして、カボチャなどを買って帰りました。




チェロ奏者がバッハを弾いていて、みんながわいわいとコーヒー片手に長いおしゃべりをしてるマーケットが懐かしいです(´;ω;`)。

いつかまた、そんな日が来るでしょう。はやく来るといいね。

でもやはりマーケットに行くと興奮してしまい、いろいろ買ってしまう。

この芸術作品のような美しいニンニク。1個5ドルというプレミアムなガーリックを買ってしまいました。めったにお出かけしないんだしさ。 




 

それぞれ、風味が違うのだそうです。「サイベリアン」というのと「スパニッシュ・ロハ」を買ってみた。お店の人が名前を書いてくれているところ。

大切に育てられた、お坊ちゃまとお嬢さまのようなニンニクたちだ。




収穫品。名前つきの立派なガーリック、りんごと梨たち、ちっちゃーい長十郎梨も。




珍しい色のダリアです。

お花はファーマーズマーケットで買うと、スーパーより安いし、いろいろ斬新なのがあって嬉しいです。て、毎回言ってるな。



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