2014/04/10

ジャクソン通り アフターアワーズ


ここのとこ数週間の仕事が一段落してほっとしてます。スケジュールはちょいきつかったけど、すごく楽しいお仕事でした。またご縁があると良いなー。


さて、先月で、1年半ほど続けさせて頂いたSoy Source の連載を、しばらくお休みさせて頂くことにしました。
ちょっと立て続けにきついスケジュールの仕事が来ていたのと、色々ほかに片付けたいことが山積みになっているので、先にその長いリストに取り組まないことには。

もともと学校で歴史を専攻したわけでもなく、何のクレデンシャルもない者がぽっと思いつきで始めたものですから、始めてみて大汗。
毎回毎回、試験前夜の付け焼き刃の詰め込み勉強のようでした。資料を読み込んだりあっちこっち行ってみたり、しかしそんな機会でもなかったら手に取らなかった本にも出会えたし、考えてもみなかったことを深く調べてみるきっかけになって、自分的にはとても面白かったです。

間違っていたら後からこっそり修正できるブログ記事と違って、刷っちゃったらそれっきりの印刷物の緊張感も、文字数制限があるのも久々で、なかなか良かったです。

最後の回は、『Hotel on the Corner of Bitter and Sweet』(邦題『あの日、パナマホテルで』)を読んで以来ずっと気になっていた、ジャクソンストリートのジャズシーンについて。

この本をとっても参考にさせて頂きました。

 
 

Jackson Street After Hours (Paul De Barros著)。
1993年出版の本ですが、ペーパーバックも出てます。
(アマゾンのこの本のページには、やっぱり、「この本を見た人はこの本も見ています」に 『Hotel on the Corner of Bitter and Sweet』が。あの小説を読んだら、ジャズ最盛期のジャクソンストリートについてもっと知りたくなるはずです!)

というか、『Hotel on the Corner of…』の作者、ジェイミー・フォードさんも、小説世界を描くにあたって、きっとこの本を参考にしたのは間違いないと思う。
この表紙のピアニストが、シアトルジャズ界の超大物、オスカー・ホールデン。

ナッシュビルで生まれ、ミシシッピ河のリバーボートでルイ・アームストロングと共演していたこともあったという人で、シアトルを訪れるミュージシャンや後進の若者たちにもとても慕われていた、「長老」といった立場の人格者だったようです。

『Hotel on the Corner of…』では、主人公のヘンリーとケイコが路地裏からジャクソンストリートのクラブ「Elks Club」のライブを見ようと忍び込み、オスカー・ホールデンに出会って、特別に店内に入れてもらい、生きた音楽に圧倒されます。
ケイコの家族が収容所に送られ、それぞれ別々の人生を送って年老いたヘンリーとケイコを半世紀の後に結びつけるのも、そのオスカー・ホールデンの幻のレコード、という設定。

この小説の魅力の1つは、チャイナタウンと日本町、そしてジャズ・クラブの並ぶジャクソンストリートという、同じ町内に共存していながら決して交じることのなかった、でも微妙に反応しあっていたに違いないコミュニティが、ケイコの家族、ヘンリーの家族、ヘンリーの友人の黒人ミュージシャン、という3つの視点から描かれているところ。(そしてシアトル住人にとっては、舞台となる実在の通りや建物を立体的に感じられること)。

『Jackson Street After Hours』は、シアトル創設期から「スピークイージー」全盛の禁酒法時代を経て戦中戦後のジャズ黄金期、そしてその後現在に至るまで、シアトルのジャズ史に足あとを残したミュージシャンやクラブを丹念に追ってます。

禁酒法の時代には、ジャクソン通り近辺だけではなく、街の中心を外れた街道沿いにかなりおおっぴらな「スピークイージー」と呼ばれる隠れ酒場があって、もちろんジャズのバンドが夜中過ぎまで演奏していたとか(レイクフォレストパークのあたりに、繁盛店があったそうです)。

禁酒法時代の酒場、スピークイージーはたびたび警察の手入れを受けたものの、ほとんどお目こぼし状態だったのに、まるでニューヨークの「コットンクラブ」のような人気店だった店の黒人オーナーのみが実刑を受けて刑務所に送られたとか。本人も歴史家も、そのオーナーが当時白人しか住んでいなかった住宅街(マウントベイカー)に家を買ったために、白人エスタブリッシュメントの怒りを買ったのだと信じていたとか。

黒人ミュージシャンが演奏できる店と白人の店は暗黙の了解ながらはっきりと分かれていて、ダウンタウンにあった大きなクラブの舞台は白人ミュージシャンのみだったとか。
白人ミュージシャンと黒人ミュージシャンの組合が統合されたのはやっと1958年になってからだったとか。

サードストリートの、今のベルタウンのあたりには、5000人を収容できる大きなジャズホールがあって盛況だったのだ、とか。

そんな話が満載の労作です。




(これは現在のベルタウンの唯一のジャズクラブ、Jazz Alley前)。

今ではもう、ジャクソン通りにはジャズの店はかげも形もなく、あるのはベトナム料理店や中国マーケットばかり。

でもシアトルのジャズの伝統は、音楽そのものがロックンロールやポップスに追われて隅っこのほうに場を占めるようになってからも脈々と続いてます。

シアトルに来て1年め、息子の進学関連でルーズベルト高校に用事があって行ったとき、たまたま、学生のジャズアンサンブルが音楽室(とても立派)でプチ演奏会をしているのに行き当たって、本当にぶったまげた。これ高校生? なにこの学校??? 普通の公立だよね? と頭がクエッションマークでいっぱいになった。しばらく後で、このルーズベルトとガーフィールド(クインシー・ジョーンズとジミヘンの出身校でもある。ジミヘンは卒業しなかったけど)高校というのは長年、全米の大会で毎年優勝争いをしているほどジャズに力を入れてることを知ったのでした。 
 
今でもこの2校は、才能ある音楽家を送り出してます。

シアトルは、こんな国の端っこにあるにも関わらず、何か図抜けた人が出てくる確率が高いようです。 「水に何か入っているに違いない」って話も(笑)。私は、きっと火山のせいだと密かに思ってます。
 


これは去年、ジャズ・アレイに見に行った、パット・マルティーノのバンド。

サックスはジェームズ・カーター。シアトルの人たちじゃありませんけど。

まるで銀行家のように冷静で正確でストイックなギターと、飛んだり跳ねたり踊ったりのサキソフォンの会話が、かっちりいきいきしたリズムに乗ってて、めちゃめちゃカッコよかったです。
パット・マルティーノさんはCDで聴いた分にはあまりぴんと来なかったんだけど、ライブで聴いたらとんでもなくすごかった。

来週はバラードで小さなジャズ祭りがあるもよう。行けたらちょっと覗いてみたいです。




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2014/04/04

fegato grasso



知らない間に4月になっていたのでもう先月のことになってしまいましたが、誕生日ディナーということでベルタウンのBarolo Ristorante というイタリア料理やさんにいってきました。
ごっつめのシャンデリアとクラシックな燭台などがあるモダンなお店。

早めのディナーで、平日だったけど混んでました。お客さんはなんだかとってもコーポレートアメリカな感じ。隣のテーブルの男4名は明らかにビジネスディナー。首からIDタグを下げてるエンジニア風の人と、ベゾズ似の役員風がアジア人ビジネスマンをもてなすのディナー。全員ネクタイなし。エンジニア風は上着もなし。

近くにアマゾン本社があるので、みんなベゾズ風に見えてしまう。ていうか客層、髪型がベゾスの人が多かった。

しばらく家から半径100メートル外に出ていなかったので、なんだかとっても都会に来たようでドキドキワクワクしてしまいました。

それはさておき、ちょうど Dine Around Seattle というお得なコースディナー週間が開催中だったのでその中から選んだ3コース。



Faggiano con polenta 、「オレゴン州産の雉子肉蒸し煮、ポレンタ添え」。

ポレンタはとってもふんわりでおいしかった。雉子肉は、硬い。「ゲーミー」というのはこのことか、と納得の独特のケモノくささが。ソースはこってり。




友人は、カルボナーラ。これも、こってり。味が濃い。


メインはリゾットにしました。
Risotto fungi e fegato grasso 「地元産ワイルドマッシュルームのリゾット、フォアグラ添え」。

野生きのこっていうわりに、椎茸が…しかも石付きごと、まるっと入っていて、ちょっと驚く。
まあきのこの季節じゃないしね…。でもフォアグラっていうのをメニューで見落としていて、きのこのリゾット、とインプットされていたため、てっぺんに載ってきたぺろんとした塊を

「…いったいこれは、何のきのこだろう ?」

と怪訝にフォークで突ついたあげく、もう少しで女優のように美しいウェイトレスのお姉さんに
「これは、何のきのこ?」と聞きそうになった。

おいしゅうございましたが、やっぱり味が濃くてこってり。半分で挫折してお持ち帰りに。


それに、1皿目のポレンタとほとんど似たベースのソースだったのでちょっとがっくり。
美しいお姉さんも、味が似てるよって教えてくれたら良いのにな。しかし、フォアグラを見落としていた時点で、私はやや負けていたのだった。

フォアグラとか載ってなくてもいいです。もっとシンプルなキノコ味のリゾットが食べたい。

ふだんシンプルな食事ばかりしているせいか、 あんまりこってり濃い系についていけなくなっているのかも。胃が年寄りになりつつあるのかしら。



 デザートはホワイトチョコレートムース。

これもこってりー。で、半分で挫折。この量はアメリカンすぐる。

全体にこのお店はこってり系イタリアンなんでしょうか。

食事のあと、少し血が濃くなった気がするディナーでした。

最初に出てきたタプナードが一番おいしく感じた。パンもおいしかった。

やっぱり素朴な食事が一番なお年ごろなんでしょう。




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2014/04/01

夜桜の宴

   
3月の末、Aさんの素敵なお宅で開催された<夜桜の宴>にお招きいただきました。

まずは素敵な赤米のお稲荷さん、そして美しいお料理の数々。日本の美!




まるで薪能舞台のようなベランダには、桜の金屏風が! 

まずは猫姫登場。主役を呼びに行く係りだったみたい…。



舞踏家登場。 蝋燭の火が揺れる中、後ろに満開の桜!

20年以上前にAさんが植えられたというソメイヨシノが、枝ぶりも見事に花をつけていました。

シアトル周辺、今年は少し例年よりも桜が早く、この日曜日(3月23日)は珍しく快晴、ワシントン大学キャンパスの桜も超満開で、見に行った人は「千鳥ヶ淵並みの混雑だった!」と言ってました。
半分以上アジアの人だった!とも。





今年はほんとにたまたま、進行のきつい仕事が花の時期に重なってしまって全然見にいけなかったのですが、満開の素晴らしい夜桜を舞つきで観覧できて、眼福でございました。



桜は可憐なのに、迫力のある花ですね。特に夜の桜は。


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2014/03/23

べにばら組


3月も気づけばもう残り少なく…(毎月同じことを言っているような)。

今月は誕生日だったので、仕事で家にこもりっぱなしのわたしに大事な友人たちが花を持ってきてくれました。


きっと近郊のスカジットのチューリップ畑で育ったチューリップたち。
息子と数年前に見に行ったちゅーりっぷ畑。

気づけば近所も花が次々咲きだして、水仙もれんぎょうも満開、木蓮も咲き出した。もう散り始めてる桜もあるし(涙)。
花見に行きたいのをこらえて、キッチンでチューリップをカシャカシャ。


幼稚園のときはちゅーりっぷ組とべにばら組でした、そういえば。

「べにばら」と「のばら」と「しろばら」があったんだけど、なぜか「しろばら組」に憧れ、べにばらなんてつまんなーい、と強く感じていた記憶が。4歳のとき…。

4歳児って謎なことにこだわるものだ。

いやたぶん、ほかのほとんどのだわりも、少し離れてみれば謎なくらいにどうでも良いようなことなのかもしれません。



花は、男性にもらっても女性にもらっても嬉しいものです。



食べられないし、なんの役にも立たず、1週間ももたないというところが素敵。






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2014/03/19

キーボード


去年の引越し後、右腕がずっと痛かったので、本がぎっちり入った箱を無理して持ち上げたりしたせいかと思っていたら、しばらくして右腕の痛みが緩和するのと同時にこんどは左が同じように痛み出した。

…どうやらキーボードのせいなのかも、とようやく思い至ったのが最近という、デスクワークを生業としている割には、まったくお恥ずかしいていたらく。

 友人にはマウス使いで右手が腱鞘炎になったなんていう人もいるのですが、私はこれまで「へー」なんて思ってるだけで、会社づとめのときも(リストパッドは使ってましたが)ほとんど気を使ってなかったのが、ここに来て急に一気にツケが出て来た感じです。(目のほうはもう、かなり前からやられてますけど)

で、ようやくエルゴノミクスのキーボードを急ぎ購入。

真ん中がもりあがってるー。馴染むまでに数時間かかりましたが、慣れたらこれはラク!

ほぼ同時にマックのほうのキーボードにコーヒーをこぼしてしまい、何も触っていないのに

oooooooooooooooooooooo;;;;;;

などと言い出すようになってしまったので、仕方なく新品を購入。

新しいエルゴノミクス君(マイクロソフト)より、そっちのほうが倍近く高かった…。

 ウェブで探したら非正規品の10ドルくらいのもあったんだけど、東海岸から届くのを待っている余裕はなかったので、アップルストアにまたもや売上貢献してしまいました。ぐぬぬ。

iMacはもうほとんどどんなアプリにも相手にしてもらえないほどOSが古いので、早く入れ替えなくちゃ、ともうかれこれ半年思ってるのですが…

この新しいキーボード君も、見た目はまったく同じなのに、ショートカットキーに対応してくれてない(涙)。
来月必ずやってしまおう。

ウィンドウズのラップトップもそろそろ4年だから、もう買い替え時なんですよねー。Windows8はどうなんでしょう。
アプリの互換性のこととか考えるとほんとに入れ替えや買い替えって面倒で、腰があがらない。

 もうあと1年くらいは働いてほしいと思っているのですが…。


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2014/03/14

春うらら


水曜日。急にぽかぽかとあたたかい春うららになりました。

ふと気づくと、近所中で花が咲いているではないですか!

このところ家にこもりっぱなしで外には数歩しか(ごみ出すときと、郵便受けを見に行くときだけ)出ない日が続いていたので、15分休みを作って近所散歩にでかけました。

 ベニバスモモが、ピンクの雲のようです。今年は雨が多くて寒かったぶん、花が待ってました!といきなり咲き出したような。

ワシントン大学の桜も、息子情報によるともう「ハーフウェイ」咲いてるそうです。
散る前に、見にいかなければ……。






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2014/03/11

バンクーバーの収穫



たまに青空がのぞく、2月のバンクーバーでした。

バンクーバーって、去年行った時にも思いましたが、街の顔が香港に似ている。

新しいビルの意匠、そしてこのせせこましい建ち並び方が、とってもアジア的に感じます。

バンクーバーのダウンタウンは、シアトルのダウンタウンとベルビューをくっつけたらこうなるかも、という感じです。シアトルよりもずっとコスモポリタン。

住宅街は、それほどあちこち見て回ったわけじゃないんですが、わたしはシアトルの方が風情がある気がします。

庭木の手入れとか、小さな古い家をこまめに改装して住んでいる手の込み方とか、家に対する情熱にかんしてはシアトル住人のほうが群を抜いているような。

バンクーバーはとにかく、アジアのお金が大量に流れ込んでるな〜って感じがありありとしました。
売りに出ているおうちの不動産エージェントの多くは中国の名前でした。

今回はちょっと用事があって、Burnaby というエリアに行ってきました。
ダウンタウンから車で20分くらい、えんえんと広い幹線道路を走って行ったのですが、途中、チャイナタウンを出た後のエリアはちょっと荒んだ印象でした。

いろんなエスニックタウンを通っていくのが面白かった。
アジアのありとあらゆる国の料理やさんの看板が並んでいました。

 バーナビーには日系プレースという場所日系のシニアのためのハウジング、小さなミュージアム、コミュニティホール、小さな食料品店までありました。ここで古本市をやってたのでちょっと寄って覗いてみました。

とっても盛況でした。バンクーバーも日本&日系コミュニティが活発なんですね。
日本語学校もこのへんにあるみたいです。


収穫〜。スティーリー・ダンのLP2枚、各25セント!ジミヘンのCD2枚、各50セント。
角川新字源と新明解国語辞典、各1ドル。
その他文庫本などいろいろ、ぜんぶ美品で合計15ドル未満!

国境をこえてバーナビーまで古本買いに行ったわけじゃないんですが、ほくほくな雨の午後でした。

同じ建物でやっていた浮世絵展も、小規模でしたが面白かったです。



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2014/03/09

バンクーバーのビーフロール


2月の寒い週末、バンクーバーに行ってきました。ほぼ1年ぶり。

お天気はいまいちでした。2月のバンクーバーですからね。晴れればラッキー。


今回は、フードチャンネルの「Diners, Drive-ins, and Dives」で紹介されたPeaceful Restaurant (和平飯店)という店にどうしても行きたいと言い張る人がいたので、雨の中、10分ほど並んで入りました。

ダウンタウンからはちょっと離れた、市役所の近く。ロブソン通りのあたりとはまた雰囲気が違います。

名前はでかいが店は小さい。土曜日の昼ということもあり、満員御礼でした。
山手線の車両くらいの幅しかない店内を忙しくチャイニーズのおねえさんが行き交ってます。


お目当ての「ビーフロール」。
ぱりぱりの皮に、肉味噌的な香辛料のきいた牛肉の薄切りがはさまってぐるぐる巻かれているロール。
これはさすがに、このために人が並ぶだけあって、うまかったです。

これがなかなか登場しなくて、先にエンドウ(これもうまかった)や餃子を食べてしまった後だったので、一見してこれは無理、と思ったけど、ぜんぜん問題なし。脂っぽくなくて、さくさく完食できちゃいました。
どこかしら、屋台系の味。


もちろんラーメンも行ったんですが、 うーーーん、期待しすぎたかなー。
元町食堂の塩ラーメン。前回の黒味噌ラーメンのほうが感動があったなー。



バンクーバーって、リッチモンドの方はもちろんですが、ダウンタウンもそれを取り巻く住宅街も、チャイナな色が強いです。

朝はお粥が食べたくてリッチモンドのお粥やさんへ。



お粥についてきたこの頼りない餅みたいなのも、うまかったです。(なんだっけ?)

日曜の朝、店内は中国の人ばかり。おばちゃんが中国語の小説を読みながら一人でお粥を食べていた。
フェイク香港体験もリッチモンドの楽しみ。




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2014/03/07

グーグル先生の野望




どうも奴らが信用できない。



もはや、あの人たち無しでは毎日が考えられないくらい、すごーくお世話になっているのですが。

とっても便利なサービスを提供してくれるし、次々にすごく気になる面白そうな新しいものを持ってきては、ホラっどう?おもしろいでしょー、良かったら使ってみてよ♥と気前よく使わせてくれる。


しかもタダで。



言うことがまた、すがすがしい。

僕たちは、悪いことはしないって決めてるんだ!


そんな人たちのことを、信用しても良いものだろうか。





もちろん、Google先生のことです。



気づけばもう数年来、生活の多くを Google に頼っている。

何かわからないときには、思考するより早くグーグル先生に聞いてみると、思考するスピードの1000倍くらいの早さで答えを返してくれる。

仕事の日はほぼ1時間に10回くらいの勢いで、グーグル先生に頼りっぱなし。

メールは全部Gmail 。

メールアドレスは独自ドメインのを持ってるけど、それもGmail に転送すればどのPCからもマックからもスマートフォンからもすぐに見て返事ができるし、なんといっても下書きだって即同期してくれるさっくさくのシームレスさ、連絡先やフォルダの使い勝手の良さは圧倒的。最近追加されたプロモーションメールの振り分け機能も超べんり。

不気味なスパムメールがほぼ一切といっていいほど来ないのも、本当に快適。

このブログだってGoogle の無料サービス使用中ですし。

道がわからない時も交通機関を使いたいときも、新しい場所に行ったときも、Googld Mapが頼り。サンディエゴでもサウスダコタでも、ワイオミングの山の中でも、グーグル・マップがなかったらどれだけ不便だったことか。
 だから地面続きのカナダに行って、ローミングしたくないのでグーグルマップが使えないのには、心底いらついた。




写真や書類の保存はGoogle Driveにもお世話になっております。

もうグーグル先生なしには、人間としての生活が成り立たないくらいになってしまっている。

ではあるけど。というか、だからこそ。

ここまで生活を一企業に頼って良いのだろうか、と、ふと不安になる。

Google Drive は容量の多い有料版にして月に3ドルくらい支払ってるけど、まあそれだってタダみたいなもの。

ほとんどお金も払わずに、ここまで生活のコアを頼っているってどうなのか。


知らないうちに、自分の情報のすべてがGoogleの手に握られてる…ていうと妄想の世界のようであるが、実際、わたしに関する情報の多くが、もうすでにグーグルのサーバーの中に永久保存されているのはまぎれもない事実。


Google + をあんまり使いたくないのも、グーグル先生にソーシャルメディアまでお世話になりたくないからだ。Gメールをヘビーに使っているので、そこに直結したソーシャルメディアっていうのには抵抗がある。

でもブログサービスも使ってるので、囲い込みが最近アグレッシブだ。

Blogger にも最近、Bloggerプロフィールの代わりにGoogle + のプロフィールに替えませんか?というお誘いがついてたりする。

きっと先生は、ユーザー情報をぜんぶ統一してもっておきたいのだ。


それも恐らくは親切心から。


(ついでに、最近Gmail で添付書類のダウンロードボタンのよこにGoogleドライブのボタンがついてくるようになって、うっかり間違ってクリックしてしまうと、ローカルドライブや別の場所に保存しようと思っていたものもあっと言う間にGoogleドライブに保存されてしまって、後からわざわざ消すのが面倒だったらありゃしない。
あれももしかして、グーグルのサーバーに情報をたくさん集めるためのギミック?なんて疑りたくなる)

グーグル先生っていったい何を考えているんだろう。

たとえば、Google Glass。

今年発売されても、まだ本当に実用的になるにはあと数年かかる予定だそうで、実際に普及レベルにするのは2020年だというけれど。
あれ、今は単に面白いガジェットのレベルで取り上げられてるけど、本当に普及レベルの製品になったら、今のスマートフォンどころじゃない、破壊的に日常生活を変えるモノになるのは間違いないと思う。


それから、Google に買われたロボットたち



それから、ストリートビュー。

それから、You Tube。

先生は一体、なにをされたいのですか?

多分グーグル先生はまだ自分たちの世界征服の野望に自覚がないのかもしれない。

善意と熱意で始まった物事が、 いつのまにか妙な方向に行っちゃったことは、歴史をみれば枚挙にいとまがない。

ていうか善意のほうが、あからさまな悪意よりも始末が悪いことも、往々にしてある。

グーグル先生たちにはいつまでも末永くスローガンである「 DON'T BE EVIL」を実行してもらいたいものだけど、その前にそれをきちんと具体的に定義してくれないかな。

このロボットはちょっとやっぱりどこか EVIL に見えるんだけどな。

グーグル先生はきっと純粋に世界中の情報をすべて知りたいのだと思う。

むかしむかし、インターネットという単語がまだ世にあまり知られてなかった頃、初めてアメリカに来たときに、サンディエゴの書店で敬愛するアーシュラ・K・ル・グウィンの、日本語版未訳だった『Always Coming Home』という小説のペーパーバックをみつけて買った。

これは遠い未来の、米国北西部海岸地方の話。文明は衰退して、人びとは狩猟と採取の生活を送っている。いくつかの部族が海岸地域に点在していて、主人公の女の子は内陸の騎馬族の酋長を父に持ち、海岸の部族の娘を母に持つハーフ、という設定だった。

その部族に伝わる歌や伝説を織り交ぜた、野心的なファンタジーで、当時のわたしの英語読解力ではかなり難解だった。途中で何回も放り出しつつも、(紙の)辞書をひきながら苦労して何年もかけて読んだ。

うろ覚えなんだけど、たしかその中に、以前の文明世界で人間が作ったコンピュータが独立した知性を持つ存在になっていて、人間からいろんな情報を集めようとしている、というのが出て来た。

人間の文明が衰退してしまった後で、人工知能が独自に勝手な発展を遂げ、機能や目的とは無縁の超越的な存在になっている。

そのシステムは、別に人間に対する悪意や害意はなく、ただ純粋に、周りの世界で起こっていることを知りたがっているだけなのだ。


グーグル先生のことを考えるたびに、そのコンピュータのことを思い出す。

純粋な、子どものように飽くなき好奇心と巨大な知性をもった、頭脳だけの存在。

グーグル先生を動かしている中の人たちは、ものすごく頭が良いとはいえ人間にはちがいない。でもトップの人がどうこうじゃなくて、グーグル先生そのものが、なにか有機的に、ふつうの企業の原理とは全然違う原則に動かされて広がっているという、そういう気がする。

「2001年宇宙の旅」のHALよりももっとずっと複雑で有機的な、生きもの的な存在。
浦沢直樹版の「アトム君」みたいな、なんかそういう存在なイメージ。


グーグル先生のサーバーに集められた世界中の情報は、あと何十年か後には今の私たちが全然考えもつかなかったような用途に使われるのではないだろうか、なんて気もしたりする。

「ビッグデータ」から何かを抽出するとかその程度の意味じゃなくて、なんかもう本当にとてつもない規模で。




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2014/03/05

スウェディッシュパンケーキ



先日北欧ヘリテージ博物館のショップで「スウェディッシュパンケーキ・ターナー」という器具を買ったので、さっそくスウェーデン風パンケーキを作ってみました。

レシピはターナーについてきたもの。

卵   大3個
ミルク 2カップ (またはミルク1カップ&ライトクリーム1カップ)
小麦粉 1カップ
バター 大さじ6
塩   小さじ1/2

卵を割りほぐし、ミルク1/2カップ分を注いで2分から3分泡立器でよく混ぜる。
小麦粉を一度に入れ、なめらかになるまで混ぜる。
残りのミルクを入れ、最後に溶かしバターと塩を混ぜる。
 
と、これだけ。

クレープのように冷蔵庫で寝かせる必要はありません。

レシピには(バターがたっぷり入っているので、スキレットにはバターを足す必要はほとんどありません)と書いてある。

なるほど。

2種類のフライパンで試してみました。


まずステンレスのフライパン。



ありゃっ。

みごとにくっついてしまいました。熱し方が足りなかったか。

次にキャストアイロンのスキレット。



こちらは大成功ー。

あたためたスキレットにそのままタネを流しただけで、まったく油は足しませんでした。
なにしろバター大さじ6ですから、奥さま。
焼き上がりつつあるパンケーキの周りにじわじわとバターがにじみ出てました。

ノンスティックのフライパンでももちろん良いんですが、余分な油を鍋肌に吸い取ってくれるキャストアイロンのスキレットのほうが、焼き上がりがべたつかないかもしれない。

なにしろバター大さじ6ですから、毎日食べたら大変なことになりますが。

パンケーキの上の赤い物体が、スウェディッシュパンケーキ・ターナーです。
今後いったい何度、スウェディッシュ風パンケーキを作るかは謎ですが、「スウェディッシュパンケーキをひっくり返す」というこの一点だけに絞って開発された点に心を打たれて購入してしまいました。

どちらかというと、スウェディッシュパンケーキターナーには申し訳ないが、卵焼きや普通のパンケーキなどをひっくり返すほうが出番が多くなると思われます。


スキレットは去年買ったばかりですが、肉も野菜もステンレスやノンスティックのフライパンで焼くよりずっとおいしくかりっと焼けるので、重宝してます。

焼うどんも激うま! 
火力がいまいちな電気ストーブでも、チャーハンがぱりっとできるのも感動です。


追記。

焼うどんの話ですっかり忘れてしまいましたが、 スウェディッシュパンケーキの生地はパンケーキよりももちもち感がつよく、素朴でおいしいです。
ほんとに素朴なので、バターと牛乳の味で決まる気がします。

四つ折りにしたり、くるくる巻いたり。
中身はなんでも。サーモンや卵でもよいかもしれませんね。
バターがたっぷりなので、生クリームはちょっとヘビーすぎるかも。

先日IKEAで買ってきた、リンゴンベリーのプリザーブをはさんでみました。 酸味が強くてさっぱり系で、やっぱりさすがに良く合います。正統派北欧。
これにホイップドクリームチーズがお気に入りです。









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