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2020/01/07

頭の位置がずれている


シアトルのダウンタウンの下を通っている、ルート99のあたらしいトンネル。

日本製の巨大掘削機「バーサ」が掘ったトンネルですよ!いろいろ紆余曲折のすえ、ようやく去年完成。
そして去年の11月から通行料を取るようになりました。

で、数十メートルごとに避難路をしめすピクトグラムが大きく壁にかいてあるんだけどね、通るたびに何か違和感を感じていたのですよ。

このあいだクリスマスの頃に、うちの青年の運転で、はじめて助手席に乗ってこのトンネルを通過したのでよく観察してみました。

そしてわかった。この人たち、頭の位置がちょっとヘン。

出口のピクトグラムはふつう

 こうですね。
(ウィキコモンズより、alerante,  交通エコロジー・モビリティ財団バリアフリー推進部, パブリック・ドメイン)

このトンネルの走ってる人たちは、頭がかなりうしろのほうにあるので、お互いに目配せしてるみたいにみえるんです。

とくに右の人。振り返りながら走ってる感が。
 
「オレこっち行くから!」「オッケー、外でね!」みたいな会話してるっぽくみえる。

また新年からほんとうにどうでもいい話でした。


先日ちょっと晴れたので、植物園にちょっとだけ行ってきました。

「ウィンターガーデン」でウィッチヘーゼル、マンサクを見に。
でも寒くてすぐ帰ってきた。


沈丁花そっくりだけど背の高い木の花も咲いていた。日本でよく見る園芸種のより野性的な感じ。亜種なのか、説明がみつからず、わかりませんでした。


今年のシアトルの冬は、ほんとにひときわ暗くて雨が多いです。
来週は雪の予報。降るのかな。


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2020/01/06

謹賀新年 シアトル高野山と椿大神社とおせち


あけましておめでとうございます。もうとっくにあけてましたね。

年末とお正月はぼちぼち仕事をしつつ、CT夫妻とお雑煮をたべたり、お寺にいったり神社にいったり映画をみたりしてました。

またもうひとつ、なにごともない新年が迎えられて嬉しい限りです。
今年も平和でありますように。


大晦日はここ数年来恒例にしてるとおり、シアトル高野山のお護摩で年越し。

そしてうちの母がこのお正月に13回忌。日本に行って法要したかったんですが果たせなかったので、年末にふと、そうだ高野山でお経を上げていただけないかしら、と思ってお尋ねしてみると快諾していただけ、お正月3日の命日に法要ができました。

うちの実家は真言宗ではないけれど、宗派問わずに法要してくださるそうです。

昨年末にいまごろようやく司馬遼太郎『空海の風景』を読了して、現在空前の空海さんブームが個人的に到来中。
法要のときのメインのお経も、やはり『理趣経』でした。



そして元日のあさ、CT夫妻といっしょに椿大神社へ。

シアトルから北へ小一時間のグラナイトフォールズという小さな山ふところの町のはずれにある神社です。

存在は前から聞いてましたが、行ったのははじめて。

川のほとり、レインフォレストの中にある、とっても素敵な神社でびっくり。


金のしめ縄が巻かれた、とてつもなく存在感のある木。
レインフォレストなのでとにかく苔がものすごく繁茂していて、90年代初めに建てられた比較的あたらしい神社にもかかわらず、すでに「神さびた」風情があります。

伊勢国一之宮の椿大神社の分社です。
…ということはつい最近知ったばかり。

おととし、伊勢の帰りにこの本宮を訪ねたのですが、ちょっと思い残すことがあったので、ここに分社があってほんとに嬉しい。

自然の中にあるからか、なんとなく、吉野の山のなかの古い神社のような雰囲気があるのです。伊勢国の空気というべきなのか。深山幽谷の空気です。


元日は初詣の人でとても混んでいて、しかも日本人よりもふつうの地元のアメリカ人が多かったのにもびっくりでした。日本の人は2割か3割くらいな感じ。


シアトルに戻って、よっぴー夫妻もご一緒に、CT夫妻宅で新年のごちそう。
よっぴーさん作の伊達巻にCTちゃん作の海老甘煮。みんなちゃんとお正月やってるのな!
わたしはお雑煮つくっただけ。


今年もとても良いお正月が迎えられて幸せでござる。

新年そうそうきなくさいですが。
ほんとうに、皆様にとってもこの国にとっても世界にとっても良い年でありますように。
 

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2019/03/30

今年の桜@ワシントン大学


今年もワシントン大学の桜、元気に咲いてます。
例年よりちょっと花がすくない気がするけど気のせいかな。

29日金曜日の夕方です。9分咲きくらいかな。


夕方だけど賑わってました。土日に晴れたらもっと大賑わいでしょう。

今日はそそくさと通り抜けただけで、ゆっくりお花見はできませんでしたが、桜を見ながらのピクニック、いいなー。
ブランケットにすわって楽しそうにサンドイッチを食べてる家族を見てほっこり。


東京も今、満開だそうですねー。

シアトルは、気温ちょっと低めだから長持ちするかな。 でも来週は雨の予報。
お花見なら今週末がベストかもしれません。


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2018/06/03

夜中にむさぼり食う人


改装中でなんだかもっさりした感じのスペースニードル。
完成したら、下がシースルーで見えるようになるそうですよ。 見たいのか。



もう2週間も前の話だが、シアトル映画祭のメンバーのぴゃっとさんにお誘いいただいて、オープニングのプレミア上映会に行ってきました。
初レッドカーペット体験(笑)。

そのままソワレにゴーなキメッキメのお嬢さんたちからジーンズにサンダルの人まであいかわらずバッラバラなシアトルの人びと。ピープルウォッチも面白かった!ありがとうございました。



シアトルセンターで見かけたブツ。

ところで、きのう、真夜中に生ゴミを出しにいったら、外の階段のわきでがさがさっとなにかが逃げていく気配。
もこもこの背中が見えたので、猫かな、それにしてはでかっ、と思ったら、アライグマでした。

うちのへんで見たのは初めてで、びっくり。

うちのあたりって東京都世田谷区くらいの感じで家が建て込んでるんですが、まだ庭付きの古い家が多いから、どこかの軒下かなにかにひっそり住んでいるんでしょう。
だんだん古い家が取り壊されて敷地いっぱいに四角いハウスが建つようになったから、生息場所が狭くなって、目につくところに出て来るようになったのかも。

で、このアライグマ。隣との境の木の中に逃げ込んだのだけど、去ろうとはせず、こちらがいなくなるのを伺っている。しばらくじっと見ていたら、大胆にも出てきて近寄ってきた。
なんもあげないよー、と言ったんだけどそうではなくて、目当てはなにかわたしの立っているそばの地面にあるもの。立ち去るに立ち去れないほど気になるらしい。

暗いのですぐに分からなかったんだけど、鳥の残骸でした(´;ω;`)

どこかの巣からひな鳥を盗んできたんでしょう。
すでに半分食べかけ状態でした(´;ω;`) 

すぐにそこをどいてほしんだがというアライグマさんの熱意にこたえ、おやすみを言って、そっと家に帰りました。

翌朝見たら、コンクリート製の階段の途中に犯行現場が。
もう羽根が数枚ちらばっているだけだったけど、微妙に汚れていてハエがたかっていたので、ホウキで掃いて水で流しました。

カラスにしては小さかったけど、黒い羽根なのでカラスのひな鳥かも。
ここしばらくうちの近くでカラスが騒いでるなーと思ってはいたのだけど、アライグマと戦っていたのかもしれません。
そして翌日から妙に静かになっていたし、やっぱり…(´;ω;`)

このあたりも、意外に野生の王国なのだった。


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2018/05/25

ノルディックミュージアムの北欧ライブ


日が長くなりました。と思ったらもうすぐメモリアルデー、5月も終わりか!
なんということでしょう。

新しくバラードにオープンしたばかりのNordic Museum (グーグルで検索すると「ノルディック文化遺産博物館」という日本語ででてくる。文化遺産博物館なのか。)にいってきました。

といってもここのホールのコンサートに行ったので、まだミュージアムの中は見てません。



これで午後8時。明るいでしょ!

バラードは北欧移民の作った町。なので、今でも北欧の子孫の人が多いし結びつきが強いのです。でも土地が激値上がりしているこのご時世に、この表通りにこんなかっこいいミュージアムをぽんと建ててしまうだけお金が集まるなんて、懐のあたたかい子孫が多いんですね。


移転する前の以前のミュージアムも風情があったけど、この建物はかっこいい。
ショップもカフェもオシャレです。

コンサートは、ミュージアムの中の広いホール。
床も壁も無垢のシダー材(たぶん) を使ってあって、さわやか。
くつを脱いで裸足であるいてみたらとても気持ちがよかった。

なんだかすし屋さんみたいな匂いがする。と思ったら、すし飯の匂いじゃなくてシダーの匂いだった。

1つめのはデンマークのLOWLYというバンド。
きのう、たまたまラジオ(KEXP)でこのバンドのインタビューを聴いて、わーおもしろそうと思って、子どもたちを誘って行ったのでした。



女の子二人のボーカルにドラム、シンセサイザー、ギターの構成。
ボーカルがすごくよかった。気持ち良い。

力がぬける感じがとても素敵でした。

CD買おうかなーと思ったけど考えたらうちにはCDプレイヤーはなかったしコンピュータにもドライブがもうついてなかった。


二つ目はSóleyちゃんというソロアーティスト。



スタンディングオンリーのホールでみんな立ってたんですが

「座ってすわって!わたしの音楽はあんまりビートっぽくないから、すわってたほうがいいわよ。良かったら寝ちゃっていいし」

とソーレイちゃんがいうので、みんな体育館みたいに床にすわって、よくわからない映像を見ながら美しい曲をぼーっと聴きました。

MCが天然すぎて素敵。4歳の女の子のママだそうです。



これは1つめのLOWLY。ものすごくカジュアルな格好で出てきたので、バンドのメンバーじゃなくてなにか運ぶ人かと思った。

そして一番前で見てたこの真っ赤な髪の女の子のふくらはぎにでっかいトトロのタトゥーがあって目が釘付けに。左の足首には謎のアフロの人の顔があってそっちも気になる。


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2018/03/31

今年の桜


ちょっと出かけていて帰ってきたら、シアトルではいろいろ花が満開でした。


学校もはじまっておる。今日のワシントン大学。

桜を見に来ている人たちもたくさんいるので、 キャンパスはいつもよりも人が多くて賑やかな気がします。



こんなに古めかしいビルだけど、ここは地球と宇宙のサイエンスの学部のビル。なにも用事がないので入ったことはない。


キャンパスのまんなかにあるQUADの桜は、ほぼ満開でした。

これでいちおう、シアトル一の桜の名所です。
日本の桜を見に行きたいなー。



樹齢80年近いという年取ったソメイヨシノたちが頑張ってまだ花をつけています。



 世代交代が進行中だそうなので、この老木は今年が最後かもしれません。


曇りの金曜日。
空が暗いので、いまいち盛り上がりに欠ける。

日曜日から雨の予報なので、週明けに散っちゃうかもしれませんね。残念。

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2017/12/28

ねずみの王様、花の踊りと近所の凄惨な現場


シアトルセンターでやっている、パシフィック・ノースウエスト・バレエの『くるみ割り人形』をみにいってきました。

ドラゴンスレイヤーM助ちゃんが連れてってくれた。サンキュードラゴンスレイヤー!

一昨年までのモーリス・センダックの舞台美術のやつはとうとう見逃してしまったんですが、この新しいのもたいへん素敵でした。



序曲のあいだに流れる導入部のCGもすごくキレイだった。雪の降りしきる中、真っ白な林を抜け、村はずれから村の通りを抜け、お屋敷に到着するムービー。

観に行った回のはクララちゃん役が黒人の女の子で、へえーと思いました。

そして観に来てる小さな女の子たちがみんなお姫様みたいなキラキラ衣装で超絶かわいかった。
Kちゃんちもだけど、女の子のいる家では、毎年ふわふわのスカートを履いて『くるみ割り人形』を観に行くというファミリー行事があるとこが多いみたいですね。キラキラでいいなあ。


頭がいっぱいついてるねずみの王様が怖かったよ。

花のワルツがキレイすぎて泣けた。
こんなにキャッチーで美しい音楽がこの世にほかにあるだろうか。いやあるけど、やっぱりすごいなチャイコフスキーさん。



こちらはニューヨーク・シティ・バレエの。ジョージ・バランシンさんの振り付けで、シアトルのPNB公演とおなじ。

でも舞台美術も衣装もシアトルのほうがだんぜん可愛いよ!!!

ところでおととい、雪の積もった次の日に久々にちょっと遠くまで散歩に出てみたら。

もうすっかり道路から雪は消えていたのだけど、とあるお庭になんだか凄惨な現場が展開されていて目を引き寄せられました。


 …一家全滅みたいでこわい。


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2017/10/26

スザロにスタバができていた!


スタバ好きの「うーすか」ちゃんに特報です。

うちの学校の目玉物件、スザロ図書館です。この図書館については前にも何度もご紹介いたしました。うーすかちゃんもシアトルに来たときに、当然行ったよね。

ホグワーツな読書室と、結婚式場のような美しい階段のある建物です。

なんとこの中に、ピカピカのスタバができていたのを今週月曜日に発見いたしましたよ!


じゃじゃーん。

図書館のあの意外に狭い入り口を入ってすぐ右、以前カフェテリアがあったところが、100%のスターバックスになっていました。「スタバのコーヒーを出すカフェテリア」じゃなくて、完全にスターバックスによる設計&運営のスターバックス。

そういえば春から工事していたな。

Googleマップでどうしてキャンパスの真ん中にスタバが表示されるんだろう?と思っていたら、本当にあった。

この入り口両脇のクラシックなランプは、以前からあったものか?

扉とロートアイアンの細工(このドアの上の装飾部分、これ何ていうんだろう?)は、既存のものだそうです。


スターバックスのサイトに、記事がありました
オープンは今年9月12日。新学期と共にオープンしたのね。

奥の壁の白い造形は、UW卒業生の地元アーティスト、Matthew Oldsさんの作品だそうです。


スザロ図書館の歴史も、ちゃんと展示されている。


真ん中のアイランドにレジとサービスカウンターを置いて、まわりにぐるりと客席を配置するレイアウト。

席もカウンターあり、相席用の大きなテーブルあり、ゆったり座れるラウンジチェアあり、とバラエティーに富んでいる。

このレイアウトといい、天井の高い広々した空間といい、ダウンタウンのロースタリーに感じがよく似てる。

モダンだけど、この古い建物にしっくり溶け込んでます。
既存のステンドグラスもよく活かされてる。自然光を取り入れた居心地良い明るさ。

コミュニティー向けのミーティング含め、学校側と細かい調整をしながら計画を進めたそうです。
これだけ有名な、大学のタマシイ的なランドマークに入居するのだから、建物や環境と調和するように相当な気をつかうのは当然だけど、さすがにぬかりない。
見事な仕上がりだと思って感心してしまいました。

以前の、古いリノリウムの床に既製の安いテーブルと椅子がバンバンバンと置いてある薄暗いカフェテリアよりも、このスタバのほうがこの建物の品格にはるかに合ってるし、環境も良い。

画一的な「ディス・イズ・スタバ」なデザインを持ってくる以前のやり方だったら多分猛反発が上がったところだと思うけど、スタバもローカルに溶け込むことを強調するように方向転換したし、時代が変わったんだなーと思う。



まだオープン後まもないせいか、観光地なせいか、レジには常に行列ができてましたが、席がたくさんあるのですごく混雑という感じでもない。

しかしMBPの割合が多いですね。Apple Storeみたいw

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2017/08/18

シアトルのアールデコたてもの(3)テラコッタの雪山 連邦ビルディング


アールデコ建築シリーズの第3回は、「Old Federal Building(オールド・フェデラル・ビル)」。
住所は909 First Avenue。


完成は1933年という、アールデコとしては遅れてきたビル。
1932年、まさに大恐慌の最中に建設されたビルです。

大恐慌後、フランクリン・ルーズベルト大統領のニューディール政策のプログラムの一環で、全国で連邦政府のお金でインフラを整備して雇用を生み出そうというWorks Progress Administration(WPA)の設置が議会を通って正式決定したのは1935年。
このビルはそれに先立った連邦政府のプロジェクトでした。

ニューディールの時代は、ほんとうに国を挙げての「Make America Great Again」の時代だったんでした。
今とは時代も違うけど、800万人以上もの雇用を実際に生み出し、ソーシャルセキュリティー制度も作り、という、ものすごいプロジェクト。
(そのときに国民健康保険もできてたらよかったんですけどね)。
その約80年後に馬鹿げた大言壮語で国を分裂させる大統領が生まれるとは、いやはやなんともはや。

話がそれました。


なぜ「オールド」かというと、連邦政府のいろんな局が増えて手狭になり、1970年代になって向かい側にニューな連邦政府ビルが建ったから、こちらが「オールド」になったのでした。

アールデコを中心に、いろんな様式がミックスされているビルです。


垂直ラインを強調した階段式のビルの形はアールデコそのものですが、たとえばこの正面入口の上についている装飾はアールデコ登場以前に一世を風靡していたボザール様式の気分が残っています。


このアーチのとこに並んでる動物たちとかは、どうみてもアールデコとは縁遠い、クラシックな様式。


牡羊に獅子、バッファロー、ピューマ?
なぜこのラインナップなのか謎ですが、どの顔もかなり凶悪そうです。


「フェデラル・オフィス・ビルディング」という字体も、アールデコの気分をちょっとだけ反映しつつ、クラシックにも足を入れてますよという感じがします。
ビルの大きさに対して玄関が狭いですね。


正面玄関の両側にあるこのブロンズ製の飾り壺は、アールデコらしい、カクカクした直線を強調するデザイン。


ちょっと古代文明を彷彿とさせるデザインでもあり、1925年のパリ博に出ててもおかしくないような正統派アールデコ。


パノラマで撮ってみた。まるいビルにみえますね。


ビルのてっぺんだけ白いテラコッタを使っているのは、シアトルから見えるノースウェストの雪山を表現しているのだそうです。よく見ると「雪」の部分の一番下にも山羊みたいなのがいる。

建築をその土地の自然物になぞらえるのもアールデコの特徴のひとつなのだそうです。
ギリシャ・ローマから受け継いだ古典様式の建築が自然とは対局にあるものだったからなんでしょうか。

窓の上下にある飾り板は「スパンドレル」といい、このビルでは模様を打ち出したアルミが使われてます。
アルミは1930年代には最新の素材で、このシルバーはとても斬新だったのに違いない。


ビルの裏側はこんなになってました。このローディングドックはオリジナルなのかどうか。1930年代にトラックでの積み下ろしはしてなかっただろうから、後の時代につけたものなのかも。

このビルも外壁はテラコッタ、つまり焼きもので覆われてます。
素焼きレンガとは違い、釉薬をかけていろいろな色にでき、型に嵌め込んで大量に装飾タイルが作れるので、この時代にはビルといえばテラコッタというくらいテラコッタがよく使われていたらしい。


シアトルのビルでは、スミスタワーもせいうちビル(写真上)のせいうちも、もちろんエクスチェンジ・ビルも、全部テラコッタ。

1920年代にはシアトルにもテラコッタの製造会社がたくさんあったのですが、今では全米で建築素材用のテラコッタを作っているのは全米で2社だけで、そのうちの1社がこのフェデラル・ビルのテラコッタを作ったワシントン州オーバーンにあった会社を買収したんだそうです。それがサンフランシスコにある、このグレーディング・マクビーンという会社。



上の動画はその会社を紹介する地元番組の動画で、テラコッタ制作の概要がわかって面白い。番組のレポーターがものすごくテンション高いゲイの人なのもサンフランシスコらしい…。

温めるまでに3日間かかるというテラコッタ材を焼く巨大窯や、テラコッタの精みたいな専属アーティストのおじいさんも出てきます。

この会社では今でも古いビルの修復のためにテラコッタ材を焼いているのだそうです。

INAXのサイトによると、明治時代に建てられた赤坂璃宮ではドイツ製のテラコッタが使われ、その後日本全国で国産のテラコッタが建築素材としてたくさん作られたんだとか。

建材の移り変わりも面白いです。


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