2019/08/06

亀戸天神社の意外な神様


6月はじめの東京。亀戸天神社にも行きました。ここははじめて。

神田明神に行ったときに「東京十社めぐり」というのが古くからあるというのを知り、(根津神社、神田神社、亀戸天神社、白山神社、王子神社、芝大神宮、日枝神社、品川神社、富岡八幡宮、氷川神社。)たぶん江戸の鎮守サークルなのかな、行ってみようかなと思ったのでしたが、全部は回れませんでした。

東京広い。広すぎる。

東京で生まれて東京で育っていながら、ずいぶん知らないことがたくさんある。

なかでも東側の下町のほうは未知の要素がおおい。ていうか、ほんと基本的に中央沿線でしか生活してなかったんだなー。東横とか田園都市線沿線だってほとんど知りませんしー。


 亀戸天神社は、春は梅、初夏は藤、秋は菊の花で有名なのだそうです。


参道の両側に梅畑と藤棚があって、なんだかとてものどかで晴れ晴れした風情。


藤棚のむこうに、天神社の優雅な緑の屋根。なんだかほっとする江戸の風景です。
スカイツリーもみえるけど。


こんもりとしたクスノキ(たぶん)も素敵です。


手水舎は亀さんでした。亀戸だけに。


江戸初期、1662年から鎮守としてこの地にあるそうです。
天神社サイトの由緒によれば、太宰府の神官が「飛梅」の枝でつくった天神像を持って諸国をめぐり、ここの小さな天神の祠にそれを納めたのがはじまりだとか。

そして明暦の大火のあと、四代将軍家綱公が江戸の鎮守のひとつとしてここの社地を寄進し、池や社殿を立派につくって、「東宰府天満宮」として長く知られていたのだそうです。
ふむふむ。


摂社に御嶽神社というのがあり、なにげなくその由緒書きを読んでみて、その御祭神がなんと!!比叡山のお坊さんだというのにびっくりしました。

比叡山延暦寺の十三代座主、法性坊尊意僧正という方。

菅原道真公の仏教学と数学の師であったそうです。

能楽の「雷電」にもでてきて、怨霊となった道真公と対決してる人なんですね!

さらには、平将門を調伏したとか、いろんな伝説のある方。(地獄に行って、平将門と毎日戦っていたという伝説も!)

9世紀の僧侶は面白い。

それにしても神社に僧侶が御祭神として祀られているとは!そんなのもアリなんですね!




それも、小さな祠とかではなくてとても立派な摂社で、天神社のすぐ横に、かなり目立つ大きさで控えているのです。↑こちらがそのお社。

御由緒書によるとこちらも1669年に太宰府の御嶽神社から勧請されたとあるから、この天神社が将軍から土地をもらって正式に整備されつつあったまさにそのとき。

天神さまのすぐ横に先生が控えているとは。
お目付け役? 保険?

江戸の鎮守として、数百年前の密教僧侶の力も借りようというプランだったのか。
荒俣宏が書きそうな話だなー。

太宰府の御嶽神社って?とちょっとぐぐってみましたが、太宰府では天満宮の境内にあるのではなく隣接した山のなかにひっそりとある、小さな祠のようです。
(「みたけ」ではなく「おんたけ」神社でした)。
神官さんがいるような神社ではなく 古墳めぐりをしている方の個人のブログの探訪記しかみつからなかった。

このサイトの写真を見ると、すごく雰囲気のある長い石段を登ったさきにある祠で、絶対に只者ではない感じがただよってます。

「かつてそのあたりにお寺があった」そうなので、天台宗のお寺のなかにあったのかもしれないですね。でもとても綺麗に整備されていて、太宰府天満宮からの注意書きの看板が立っているので、天満宮の方が定期的にきちんと訪ねて管理しているようです。

(追記:福岡出身の舞踏家薫さんより、なんとこの御嶽神社に行かれたという情報いただきました!
天満宮境内の一番奥にある「お石茶屋」のそのまたうしろのこんもりした丘にあるとのことで、そうするとやはり境内社なのですね。
由緒書もなにもないほんとうにひっそりした山のようです。
天満宮全体を、天神さまを調伏したという先生がうしろからひっそりと見守っている、という役回りの神社なのではないか。という気がします。

探訪された薫さんによると、「階段をのぼるににしたがって異世界が広がっていきます。
足元の半分埋もれた地蔵やら、古い小さなお宮やら…」だそうです。うわー見てみたい。

太宰府には十数年前に一度福岡のりょんさんに連れていっていただいて、そのときにお石茶屋にも行きました。あの上なのか! )



亀戸天神社のおみくじは天神様だった。かわいいです。
こんなにごちゃごちゃに箱に入れられていていいのか天神様。
おみくじはめったに引かないけど、これは引きたくなりました。


大吉いただきました〜‼

この日はたまたま、天神宮の梅もぎの日の翌日だったらしく、境内で採れた梅の実がたくさん「ご自由にお持ちください」と置かれていて、とても綺麗な梅でしたので、このあとで待ち合わせだったにゃを美先生のオミヤゲにすこし頂いていきました。

おかげで余計な梅仕事を強要してしまったw
わたしも日本で梅干し作ってみたいなー。



いかにも江戸って感じの情緒があって気持ちのよい天神宮でした。

たくさん破風のある屋根が華やかでいかにも江戸っぽくカッコいいです。これは江戸時代の様式なのかな。

天満宮にあると絵馬も華やかに見えますね。


それにしても法性坊…。

怨霊になった道真公を祀って学問の神様にしてしまった天満宮ってほんとうに面白い神社だと思いますが(それが日本全国にあるというのもすごい)、天台宗もおもしろすぎるよ…。(『阿・吽』の最澄さんが今、脳裏に浮かんでいます)


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2 件のコメント:

  1. なんとなんと。
    実は亀戸に7年も住んでいましたが、一度も天神に行ったことがありません。
    お写真で行った気になりました(笑)。
    亀戸名物の餃子屋さんは行かれましたでしょうか?^^

    東横線上にも7年、千葉に1年と、合計15年ほど関東東南部(笑)で暮らしましたが、中央線沿線に友だち多かったのでそちらにもよく遊びに行きました。
    中央線上って便利だから、ほかの場所に行く必要ないですよね。
    住んでみたかった〜。

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    1. Chocoさん、こんなマニアックな記事を読んでくださってありがとうございます。
      なんと、亀戸に住んでいらしたのですか!
      わたしはたぶん亀戸駅で下りたのは今回がはじめてです。とても暑い日で、すぐバスに乗ってしまいました。餃子屋さんが有名なんですね。
      どこにも寄る時間はなかったのですが、天神社の近くに渋くてオシャレな珈琲屋さん(レトロな外見だけどたぶん新しい)があって、わー寄って行きたい、と思いました。

      そう、中央線沿線って、たしかに東西(奥多摩から千葉まで)つながってるから便利なんですよね。
      実家は杉並だったのでそこが自分にとってはザ・東京だったんですが、東京を離れて暮らすようになって改めて見てみると、やっぱり下町とか東横線や田園都市線沿線は魅力的ですね。

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