2010/12/18

アジア美術館


陽の短い午後、丘の上にあるシアトルアジア美術館 Seattle Asian Art Museum へ。

日本、中国、韓国、インドなどの美術品が収蔵されていて、展示点数は少ないけどゆったり見られる。入館料は「寄付のみ。suggested donation が7ドル」。

エントランスホールでは、中国の現代作家Wang Huaiqingのミニ回顧展をやっている。

よくわからないけど非常にシンプルな画面の中にいろんな方向に猛スピードで働く力が描かれている気がする。若い頃描いた労働者万歳なポスターもあって、大変面白かった。
中国というとつい簡単に一面的なイメージを探してしまいたくなりがちだけど、その中身にはほんとうに複雑な層があることが少し実感できた気がする。

はにわの時代のものから現代美術まで、アジア各地の美術品が幕の内弁当のようにちょこちょこと少しずつ展示されている。日本のものでは、浮世絵も数点。



ひすい色の古い中国のお皿がモダンな椅子に良く似合う。


ライブな表情とコスチュームがかっこいい唐代の四天王像は、いつかどこかで会った気がする。
奈良のお寺のお像たちと同世代なので、衣装や表現が似ているのだろう。

奈良京都のは皆木像だけれども、これは彩色陶器。いったいどんな巨大竃で焼いたのでしょう。
思いっきり踏まれても無表情なシカが、けなげ。

「あーはいはい、これは私の仕事ですから」と、卑屈になるわけでもなく、しゅくしゅくと職務をまっとうしているシカ君が少し眩しい。



建物は、1933年建造の美しいアールデコ様式。

もとは、ここがシアトル美術館の本館だった。今は、本館はダウンタウンのウォーターフロントにある。




正面入り口の吹き抜けガラスがドラマチック。

ちょうどここから夕陽が差し込んで、インドの神々の石像が照らされていた。



玄関脇にはらくだもいます。

2 件のコメント:

  1. ひすい色ってどんなんだっけ?と、思わず調べてしまいました。

    浮世絵はどうでしたか?
    最近、オリエンタル色にうっとりしてます。英語では表現が難しい藍色とか紅色・・・、ひすい色。単に私の英語力がないだけとも言えるけど(涙)、浮世絵なんて、うっとり数時間見つめ続けれるかも〜。

    「ひすい色の古い中国のお皿がモダンの椅子に良く似合う。」
    そうそう。モダンな物との組み合わせも、引き立たせ合うのか・・・たまらんのです。

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  2. 浮世絵は広重が数点、北斎が数点、歌磨の美人画が1点、くらいのミニギャラリーでした。少し前にここの美術館で浮世絵の展覧会があったんだけど、それは見逃しちゃったの。

    広重のブルーはほんとに目が覚めるような深い色だよねー。私も最近浮世絵がすごく好き。浮世絵って渋い色っていうイメージがあったのだけど、とくに幕末の頃の広重や北斎って赤や青がすごく鮮やか。構図も近代的で、どんどんエスカレートしてる感じがほんと面白い。

    日本画の顔料は、虫とか鉱物とかいろいろなものをすりつぶして作るのよね。中には毒になるものもあるようです。
    フェルメールを題材にした『真珠の耳飾りの少女』にも、石をくだいて絵の具を調合する場面があった気がする。あと、豚の血を混ぜて絵の具を作るという映画もあった。なんか魔術的な感じがするよね。

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