2014/12/26
フェリー、暖冬、『風立ちぬ』
皆様、平和なクリスマスを過ごされましたでしょうか?
シアトルはなかなか良いお天気の穏やかなクリスマスでした。
写真は先週末、オリンピック半島に行った帰り、キングストンからエドモンズ までのフェリーから。
先週末は雨が降りまくり、時おり大風も吹きまくる、おおむね悲惨な天気(でも気温だけは気持ちの悪いほど高くて全然寒くなかった)でした。横なぐりの雨の中、ビーチに遠足に行ってきました。
遠足の話はまたこの次に。
宮崎駿監督の『風立ちぬ』をDVDでやっと観ました。
『千と千尋』の頃のように圧倒されることはなく、どちらかというと地味だった。でもすごく良かった。
最後のほう、ゼロ戦が完成してから戦争が終わるまでが一瞬で描かれているのに、鳥肌立った。マンガでいったら一コマの間に、「にほんが破裂」してしまう。
でもここまで説明のない淡々とした描写で、若い人たちには背景が分かったのだろうか、とすこし心配になる。 これがほんとの老婆心ですが。
主人公のあまりに淡々としたキャラクターにも最初のうち違和感を感じたのだけど、これはものを作る人、科学する人の、理想の姿のひとつなんでしょう。
熱い憧れを燃やしながら我を持たず、ひたすらに淡々と目的に純粋に奉え、能力を出しきって仕事を完遂させるという。
というか、これってきっとジブリアニメの主人公の型だなあ。
とても日本的なのかもしれない。
日本語版で見たので、主人公の二郎の声の、棒読み?というくらいのテンションの低さに驚いた。このまったく芝居をしないローテンションな人はいったい誰? と思ったら。アニメ作家の庵野秀明さんだったんですね。
ローテンションなアニメのキャラクター番付というのがあったら、横綱級ではないでしょうか。英語版ではもっと元気な俳優さんがやってますが。
宮崎作品では、専門の声優ではないローテンションな声のキャラがすごく印象に残ります。
糸井重里さんがやった『となりのトトロ』のお父さんの声がこれまでその筆頭だったけど、二郎はそれを上回るテンションの低さ。
糸井さんのお父さんも庵野さんの二郎も、最初はすごく違和感があるのだけど、観ているうちに耳に慣れてくると、演技しない声がキャラクターの「人となり」にじわじわと同化していって、アニメらしい王道演技のキャラクターよりもずっと印象が深くなる。
やっぱりジブリ、天才です。
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