2014/11/10
ゆずみそとは
ブログのタイトルを変えました。
ハワイからシアトルに引っ越してきて5年が過ぎて、このブログももう、いつのまにか丸4年が経過!
読んでくださっている方がた、本当にありがとうございます。
まったく大した情報はご提供できてませんが、少しでも気晴らしや何かのたしになっていれば嬉しいです。
シアトル周辺のいろいろ雑記として書き始めたブログですが、だんだんと内容がノースウェストにおさまらなくなってきたので、ちょっと箱の形を変えてみました。
なかみはたぶん、一緒です。
でももう少し、(食べたものと散歩情報のほかに)翻訳の周辺で考えたことやツール話とか、読んだ本や映画の話、日々つらつら思うこと、を書き留めておくメモ的なものが増えると思います。
ゆずみそとは、柚子の香りいっぱいのお味噌です。田楽にも、ふろふき大根にのせてもおいしいですね。
Yuzuwords は、シアトルに来てからフリーター、じゃないフリーランスの仕事を始めるにあたって作った会社(社員全1名)の名前でございます。
シアトルは日本の食材がほとんど何でも手に入りますが、柚子だけは、ほとんど見かけない。
会社登録をするんで名前を考えていたときに、ちょうど、ああ残念、柚子があったらお鍋がおいしくなるのに、と柚子で頭がいっぱいだったのです。
柚子の原産地は中国だそうですが、日本の食生活に深く根を下ろして、大きな風呂敷を広げると、日本の美意識の一端を代表するといっても良い食材ではないだろうか!と思います。
ゆずの香りはライムともレモンとも違う。ゆずがあるとなしとではふろふき大根もお雑煮も紅白なますも、洗練度がまったく変わってしまいます。
なくてもそれなりに料理にはなるものの、あるとなしでは大違い。柚子の香りは、平凡な一品にキリッとした華やかさを添えて、別次元のものにしてしまうのです。
翻訳での私の得意分野は広告、PR、ニュース記事、文芸など、幅広い人びとが読むものです。
だから、正確なのはもちろんですが、原文を本当に理解して、書いた人の意図を汲み取って日本語にするという過程で、キリッとした「ゆず的な要素」のある翻訳にしたいと思っています。
「なくてもそれなりではあるけれど、あると天と地ほど違う」要素というのは、文章でもデザインでも映像でも、ほかのあらゆる表現にも必ずあるものだと思います。
それは、やたらに華美なフレーバーや砂糖をこれでもかとふりかけてデコデコと飾ったりすることではなくて、その反対に、不要なものを削り、必要なものを徹底的に磨く、という作業を繰り返したのちに初めて活きてくる、素材をキラリと光らせる、何らかのエッセンスであるはず。そういう「ゆず的要素」は、思いつきでは駄目で、素材に精通していなければ使うことのできない、引き出し得ないものだと思うのです。
翻訳は原文という素材がある仕事ですから、料理に似てます。熱を通し過ぎたり味を濃くしすぎたりしてせっかくの食材を台なしにしないためには、よーく素材を観察して理解しなければなりません。
そうすると、最後に必要な量だけのゆず的エッセンスが自然に備わった良い訳文になる、はず。
まあ素材との相性もあることですし、濃い味にしすぎたり煮過ぎたり生煮えだったり焦がしてしまったり、たまに砂糖と塩を間違えたりも、ないあるのではありますが、こころざしだけはビシッと持っていきたいものだと思っています。
こちらもよろしく! 今回は脳が幸せになる言語「ペアレンティーズ」について書いてます。
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