もう終わってしまったロードデンドロン。
花の時期はあっというまに終わりますね。
シアトルがまた全国ニュースに登場していました。ニューヨーク・タイムズのトップに出てきてた。
ボストンにいる息子から聞くまで知らなかったんだけど、シアトルのキャピトル・ヒルというダウンタウンの丘の上にある昔からファンキーなネイバーフッドの一画が、いまプロテスターに占拠されて「Capitol Hill Autonomous Zone」(キャピトル・ヒル自治地域)と名乗っているのでした。略称「CHAZ」だって。
シアトル・タイムズより。
シアトルでもご存知のとおり5月末からデモに続いて暴動があり、警察とデモの人々との間で衝突があり、逮捕者やけが人も出てました。
今週になってシアトル市は衝突を緩和するため、キャピトル・ヒルにある警察署の一時閉鎖を決め、警察が退去したあとで、この一画が「警察の入ってこない自治区」を名乗るようになったとのこと。
この記事によると、現在のところはきわめて牧歌的で、スピーチをしたり、映画上映をしたり、おやつを配ったり、(たぶんマリファナ吸って)のんびりしているようです。
そして、やっぱりトランプが今朝になってシアトル市長とワシントン州知事にむけて口汚い毒ツイートを吐きました。
(極左知事とシアトル市長は、このグレートな国はじまって以来のバカにされようだ。おまえらの市を今すぐ手中におさめろ。お前らがやらないならオレがやってやるぜ。ゲームじゃないんだ。汚いアナーキストを今すぐ止めるんだ。早くしろ!)
これに対して市長は「Make us all safe. Go back to your bunker.」(私たちを皆安全にさせといて。隠れ場所に戻んなさい)」と返答☆
トランプは、先週、抗議の人たちがホワイトハウスの前に何千人も集まったのに恐れをなして、一時ホワイトハウスの電気を消し、地下の「 bunker(退避壕)」に隠れていたのを報じられて、「bunker boy」と揶揄されてたのでした。
ニューヨーク・タイムズによると市長は「これはテロじゃない、愛国精神です。大統領だろうが誰だろうが、これ以上の分断や不信や、間違った情報をを焚きつける人を私たちは必要としていない」と、勇ましい。
もともと「極左」の人が多いシアトル、しかも場所はシアトルの中でも極左の集まるキャピトル・ヒル。
極左でない人も、たいていの人は自分に直接の不利益が及ばないかぎり、寛容です。
BloombergQTより。
このままホビット村のように平和なままで占拠が続けばよいのだけど……。
最悪のケースを勝手に考えてわたしが暗くなっても仕方ないけれど、イヤな事件などが起きないことを祈ります。
ジョーン・ディディオンがレポートした1967年のサンフランシスコをちょっと思い出します。
記事によると、この「自治地域」に武装した白人至上主義者が潰しにくるんじゃないかと怖がっている人もあり、ライフルを持ってパトロールしてる人もいるそうだ。
それはちょっとどうかと思う。ホビット村ならホビット村らしくあくまでラブ&ピースをつらぬいたほうがいい。銃を持ってきた人がやってきたらSNSでその暴力をさらせばいいので、キャピトル・ヒルが銃で対抗しちゃ駄目だと思う。
市長はCHAZの「リーダー」たちと話し合う用意があるというけれど、まとまった組織ではないのだし、「警察の解体」という過激な目標とどのようにすりあわせていくのか、なかなかスムーズにはいかないと思うけど。トランプや保守派からのプレッシャーもあるし。
BLMのムーブメントで以前から要求されていたこと、「Defund Police」(警察の予算大幅削減)と警察のアカウンタビリティと透明性の強化、に大きな注目が集まっていて、ミネアポリスではすでに警察組織の完全な刷新が発表されてます。
警察の改革がこれほど全国的に支持されたことはかつてなかったそうです。
民主党は時機をのがさず、警察改革案を出しました。なかみはまだちゃんと読んでないけど、このスピードは素晴らしいと思う。もちろんトランプは大反対で絶対阻止の構え。
それだけでなく、あちこちで(ボストンでも)コロンブス像や、南北戦争時の南部連合の将軍の像が倒されたりもしてます。
でもそれに怒りとヘイトを燃え上がらせている人たちもとても多く、その人々の怒りをトランプが利用して毒をまきちらしているし、まだこれから夏にむけてさらに醜いバトルが巻き起こるのは必至です。