りすのみなさんにとって、秋はいそがしい季節。
シアトルは週末、「爆弾低気圧」の嵐でところどころまだらに停電したりしました。
強風で、かなり盛大に葉が散ってしまいました。
そろそろハロウィーンですね。かわいいオバケやかわいくないオバケがあちこちに。
近所のお庭のティーパーティー。
この地域で爆弾低気圧が発生するのはとてもめずらしいそうですが、金曜日〜土曜日にも、すでに別の爆弾低気圧がやってきてました。
しかしシアトル地域は、さほどの雨にも見舞われず。
急激な気圧の変化は豪雨や豪雪につながり、今回はおもにカリフォルニア北部での豪雨が心配されているようです。山火事の季節に来てくれればよいものを〜!
爆弾低気圧、日本の気象庁では「爆弾」という名称はよろしくないということで公式には使わず、「急速に発達する低気圧」などと言い換えています。別に悪口じゃないんだし爆弾でいいじゃん、と思うけど。
メイプルの葉はカラーバリエーションがすごく豊富です。
さいきんはまっているYouTubeチャンネルは、山田五郎さんの「大人の教養講座」。
意外と指摘されていないが、セザンヌは実は絵がヘタだった。
天然画家ルソーには突っ込みどころが無数にあるが、たとえば人の足が描けなかった。
…など、教科書には絶対載らない言葉で切れ味鋭く、面白おかしく語っているけれど、五郎さんの解説はどこを切っても作品と作家への愛にあふれているので、心あたたまります。
面白おかしいだけじゃなく、広く正確な見識に裏打ちされた視点も信頼できる。
たとえば印象派の最初の展覧会を評した評論家はモネの「印象・日の出」を嘲笑した、というのが通説になっているが、それは誤解ではないか、と原典の新聞にあたって検証したり。この人も料理人のコウケンテツさんとおなじで、美術作品が「とにかく大好き」というオーラが快いのです。
助手のワダさん(女性、23歳)のあまりにも何も知らない白紙っぷりもすごいし、それで良いとも思っていないらしいけれどまったく悪びれない素直さも心あたたまる。皮肉でなくほんとうに。
たとえば「『最後の晩餐』て、なにが最後なの?」という問いに
「え?………世界の終わり?…お別れ会?」
という最強の答えに、腹の皮がよじれるほど笑ってしまいました。
このシリーズを観たら、ルネッサンスから印象派からピカソまで、画家たちが連ドラのキャラクターのように身近に感じられること間違いなしです。
現代作品は版権の問題があってなかなかYouTubeで取り上げるのが難しい(お金がかかる)そうなのですが、ぜひぜひ20世紀〜の作家たちも取り上げてほしいです。
デュシャンとその後の前衛芸術について語った
「デタラメにも歴史がある」
というのが五郎名言集の金字塔のひとつ。言い得てます。素晴らしい。
植物園で見かけた毛虫。てこてこ歩いて一周するあいだに3回も見たので、この季節によくいる子のようです。
毛虫の名前はWoolly bear(ウーリーベア:「もふもふクマ(意訳)」)。
ウィキ先生によると、オハイオ州、ノースカロライナ州、ケンタッキー州の町では毎年「ウーリーベア・フェスティバル」が開かれ、毛虫コスチュームのコンテストや、毛虫レースが行われるそうです。
かなりの愛されキャラ。
ウーリーベア毛虫への愛があふれるWoolly Bear Projectというブログもあって、毛虫にいろんなことをさせてておかしいです。
このウーリーベア毛虫は、北米各地の原生種。
いつごろ誰が言い出したものか、「この毛虫の茶色の部分が多い年は暖冬で、黒い部分が多い年は厳しい冬になる」という言い伝えがあるそうです。
Farmer's Almanacによると、1940年代〜50年代に実際に8年間にわたってウーリーベアを集めて観察して冬の気温との相関関係を調べた博士がいたそうですが、サンプル数がすくないので実際のところは不明のようです。
どんな成虫になるんだろうと思ったら、ウィキに写真がありました。
イザベラ・タイガー・モスという名前。綺麗な蛾ですね。
でもなによりびっくりしたのは、この毛虫、カナダの北極圏にもいて、毛虫の姿で越冬し、「凍る」ということ。
「まず心臓が止まり、 次に内臓が凍り、血液が凍り、最後に身体のほかの部分が凍る。春になると解凍する」。
へえええええ。「抗凍結分子を体内で分泌するので凍っても大丈夫」という、ぜんぜんよくわからない説明がありました。アゲハ蝶などは蛹でないと越冬できないので、凍ってしまうというダイナミックな冬越え方法には驚きです。
常緑樹の多い植物園ですが、まんなかあたりに「ジャパニーズメイプル」、日本のモミジをあつめたコーナーがあり、緑のなかでそこだけボウボウ燃えさかっているようでした。
赤やオレンジは目を惹きますが、なにげに地味な色のコンビネーションもオシャレですね。
今回は冒頭のシシトウを買いました。赤いシシトウははじめて見た。すごく辛いのかと思ったら、緑のよりも甘みがありました。
そして大型かぼちゃ。ファーマーズマーケットの野菜は普通のスーパーよりも高めだけれど、たまにとてもおまけしてくれることがあります。2キロ近くあるずっしりしたかぼちゃ、まるごと1個が3ドルだった。これは激安。
花屋さんはまだダリアでいっぱいでした。
午後からはIKEAへ。コロナ禍以来初めてです。
久しぶりなので二人とも興奮して、すみずみまで見てまわり、えりぴょんはソファやテーブルを眺めながら「ホノルルに持って帰れたらなー」と遠い目に。
リネン類、タオル、紙ナプキン、ローソク、コケモモのジャム、はさみ、リントローラーなど、なんだかんだと小物を袋にいっぱい買ってしまいました。
トイレの個室のドアについていた「THE PRIVACY COVER」(プライバシーカバー)。
アメリカのトイレの個室というのは、犯罪防止のため足元30センチばかりが開いていて、なかに座っている人がどんな靴を履いているのか観察できます。そのうえ、故意にかどうかはわからないけれど、扉の隙間がたいてい1センチ前後開いていて、見たくなくても中の人がチラリと見えてしまうこともあるのです。
このカバーは、そのようなドアの隙間をふさぐもの。こんなの初めて見た。さいきん出かけないので、こういうのが普及しているのか、IKEAならではなのかわかりませんが。
当然カフェへ。日曜の夕方のことで、長い行列ができていました。
コケモモのジャムとマッシュポテトとサラダを添えた「プラントボール」(偽肉ボール)、マカロニ&チーズ、コケモモのドリンク。
IKEAに通って12年。(シアトルに引っ越してきてすぐ、ベッドを買いに来て以来、お世話になっています。)わたし、「リンゴンベリー」がコケモモのことだと、なんと初めて知りました。
コケモモって、『やかまし村』シリーズによく出てきたよね、と、同年代のえりぴょんと思い出話。
リンドグレーン作の『やかまし村』シリーズは、スウェーデンの小さな集落に住む子どもたちの、四季の自然にかこまれた生活を描いたお話で、小学校時代、超お気に入り本でした。このシリーズ3冊の単行本は今も持っています。子どもの時からずっと持っている唯一の本かもしれません。
そういえば、小中学生のとき、インテリア雑誌で見るIKEAのデザインにもはげしく憧れていたなあ、と思い出しました。当時は、こういう大衆プライスの大型店とは思わず、高級なブランドなんだと思っていましたが。
IKEAのあとは、マーサーアイランドのP邸にもちょこっとお邪魔し、ねこたちやアライグマにも対面。久々のおしゃべりが楽しかった1日でした。
桂の木の葉の香りに気づいてびっくりしたのは、シアトルに引っ越してきてから。
近所にも桂の木がたくさん植えられていて、散歩中にふっと甘い綿菓子のような香りが漂ってくるのに気づいて、CTちゃんと一緒に、いったいこれは何だろうと不思議がっていたのでした。
北海道では街なかによくある木なので、北海道民には懐かしい香りだそうですが。
ライラックといい、シアトルの庭木や街路樹は北海道の街のにラインナップが似ているんですね。
原産は日本と中国で、英語名も日本語と同じkatsura。「香りが出づる」が語源だという説もあるそうです。へー。