ある快晴の金曜日、まぼろしのサンドイッチ店、
Salumiに行ってきました。
パイオニア・スクエアとインターナショナル・ディストリクトの真ん中あたりのめだたなーい地区にひっそりとある、家族経営のサラミほか加工豚肉専門店です。
なぜまぼろしかというと、ハードルが高いのです。
お店自体は小さくて目だたなーい外観なのに、昼近くには、長蛇の列が目印。
うえー、これは…「1時間くらい並ぶのかな…」とひるんだら、列最後尾の男の子が「15分くらいだよ」と心強い答え。
ブードゥードーナッツもそのくらいだったし、まあ15分や20分ならやぶさかではないか、と思ったんだけど、これがとんでもない希望的観測にすぎないことがまもなく発覚したのでした。
10分たっても列はほとんど動かない。すでにこの時点で車を停めて来て10分という時間を投資している以上、このまま立ち去るのも悔しい。
列の後ろに並んだおばさんは、「ここのこと、ニューヨークのレストランのシェフから聞いたのよー」と言ってましたが、しばらくひとりで並んでいたと思ったら、あとからニューヨーク家族がわらわらと6人くらいやって来た。こうして列が増幅していくのか…。
結局店内に入れたのは40分経過後でした。自分的には食べ物のために並んだ最長記録かも。
日本に帰るたびに、デパ地下のケーキやラーメン屋さんの前に辛抱強く並んでいる人々をみかけて、ご苦労様だ〜と思っていたけど、シアトルで食べ物のためにここまで並ぶとは思いませんでした。
アメリカ人がこんなに食べ物にかけて真剣だとは。
このお店のオーナーさんも、ボーイング社のエンジニアを30年勤めて退職したあと、イタリアで2年間サラミの修行をして、イタリア移民だったおじいさんが20世紀初頭に食料品店を経営していたこの界隈にお店を出したという人。
退職後にサラミ職人になるのが夢だったという、超マニアックな方です。片手間ではないホンキな仕事は、今ではシアトル中だけじゃなくてそれこそ東海岸のシェフにまで知れ渡ってます。すごい。
狭い店のカウンターの中にはサンドイッチ職人が4人並んでいて、つぎつぎに恐ろしい勢いでテキパキと注文をこなしていくので、(この早さで作るのにどうして外にはあんなに並んでいるのか不思議になるほど)店内に入る前に何を注文するか考えておかねばなりません。
わたしはイチジクとゴートチーズとプロシュートの、息子は肩肉のハム「
Coppa」とモッツァレラのサンドイッチを注文しました。
うまーーーー。天上界のハム。こりゃー並びますわ。30分並んでもイタリアに行くよりは早いしw
お店は火曜から金曜の午前11時から3時半まで。待ち時間を少なくするには開店前から並ぶか、品切れを承知で午後遅めに行くのが良いのかも。
金曜のお昼どきは、避けたほうが賢明のようです(苦)!!