2020/05/15

わたしの名前は。


おとといの夕虹。8時すぎに散歩に出たら、東の空がこんなに豪華になってました。
正確には午後8時22分。

日が長くなったー。もう5月、半ばだものね、なんだかんだいって籠もってるあいだに。
緯度の高いシアトル、本日の日没は午後8時40分です。


これだとちょっとわかりにくいかな。
電線が通っちゃってますが、アイリスの上のほうにびょーっと虹が立っていて、もう神々しかった。



先日、アーティストのSHOKOさんに教えていただいた、日本の映画館UPLINKが提供してる無料ストリーミング映画。『わたしの名前は…』。

アニエス・ベーという名前が懐かしい。ご健在だったのですねー。

ゆるふわ☆お洒落映画かと思ったらけっこうヘビーな内容で、おおぅとなった。

でもすごくよかったです。17日まで、10日間だけの限定無料公開。こちらです。あと2日、いや1日か。

トラック運転手役の人がいい。ダグラス・ゴードンという、現代美術家&映像作家の方だそうです。ちょっとハラが出てていい感じにくたびれてる、世間的にはかなりダメだけど優しい人、という役柄。きゅんとする♡ ああやっぱりわたしはデキる人よりも、こういう盗んだバイクで走り出す系の人が好きなのだなー、と思いました。残念ながら。だからといって尾崎豊のファンではなかったけど。もうちょっとしぶとい人のほうが好きだ。

イタリアの哲学者、アントニオ・ネグリも出てる。幻想的な場面に突然ひょっこり出てくる、ひょうきんな旅のおじいさんといった風情で、ひょうひょうとナゾナゾのようなことを言って焚き火にあたってまた旅に出ていく。スナフキンみたい。

圧倒されるほど映像がキレイというわけでもなく、上段にビシッと構える感がまったくなくて、むしろゆるゆるといってもいいほどカジュアルな感触の映像が淡々とつづいて、でも飽きないし疲れない。アニエス・ベーの服のつくりかたと似てるのかもしれないですね。

フランス映画ってそんなにたくさん見ているわけじゃないけど、空気感というか、肌ざわり的なものがざらっと残るのが不思議だなと思います。エリック・ロメールという人の映画に特にそれを感じるのだけど(けっこう何本か見たけど内容はほとんど覚えていない)、この映画にもそういう肌ざわりがあった。
見たあとに感触が残る感じ。空気や布の感触。

カットのつなぎ方なのか、間合いなのか、セリフなのか、いろんなところに空白があるからなのかも。重要視するものが、アメリカの映画とは若干違うのでしょうね。

あと、お父さんが失業中でお母さんはウェイトレスという恵まれない家庭の設定の家だけど、キッチンや小物がさりげなく美しい。くまのぬいぐるみもかわいい。さすがおフランス。そしてトラック運転手が昼食中にワイン飲んでるのもww

そして、あのエンディングはアメリカ映画では絶対にありえないよな、と思います。これは国民性というか、考え方、暮らし方、生活や人生のとらえ方が微妙ながらも大きく違うとこだと思う。昼食中のワインと同じく。

なにが違うかって、すごくざっくり言うと、アメリカのほうが「頭でっかち」なんじゃないのかな。



 夕方の散歩で出会うチョーク画。今週は降ったり止んだり晴れたり曇ったり。


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