パイクプレイスマーケットまで行ったので、すぐ近くのSAM(シアトル美術館)へ。
久しぶりに行ったら、1階ロビーの展示がクルマから大木に変わってた!
いま開催中の特別展は、『Seeing Nature』。
これは、マイクロソフト共同創業者、ポール・アレンさんの個人コレクション。17世紀オランダから印象派、モダンアートまでの風景画で、なかなかおもしろかったです。
フットボールチーム、サッカーチーム、ポップカルチャー美術館、映画館も持っていて、シアトルのダウンタウン周辺の開発にも多大な実績と影響力を持つ会社をお持ちのアレンさん。
自宅にも、やっぱりこんな絵画が飾ってあるのね。
ブリューゲル、モネ、セザンヌ、シニャック、エドワード・ホッパー、オキーフ、ホックニー 。
パンフレットに記載のインタビューでアレンさんは、友人に熱心なモダンアートのコレクターがいて、彼の話をきいてはじめて、アート作品って所有できるんだ!と気づいたと言ってます。
「素晴らしい作品を自分の住む空間に飾って、美術館で味わうのと同じ感覚を日常の中に持てるなんて、最初はそんなことが可能だと思わなかった」
いまでは世界で何番目かにお金持ちな人になったアレンさんですが、きわめて普通の人的な感想をのべてらっしゃって面白い。自分はその気になればセザンヌでもピカソでも家に飾れるんだ、て気づくのってどんな感じなのでしょうね。
一番はじめに買ったのはモネの「睡蓮」だそうです。
王道!!やっぱりみんな睡蓮が好きなのねー。
うんうん、わたしも使いみちのないくらいのお金と飾る場所があったら、とりあえず睡蓮を買っちゃうかもしれないね。
「とりあえず睡蓮」て、なんか無難な鮨ネタのようだね。
展示作品のなかでは、ブリューゲル、モネ、ターナー、クリムトの作品がわたしはとくに好きでした。
クリムトの「Birch Forest」。日本の襖絵みたいな、奥行きがあるようなないような森。
雰囲気暗いけど、ただ陰鬱なのではなくて内省的。夕方の森に散歩にいくような。
モネのは、ベネチアの水面を描いた紫の絵と、スモッグのロンドンの橋の絵がすごく素敵だった。
全体のバランスもとてもよくて、展覧会としてもいい感じに楽しめました。
展示数も、お昼を食べたあとに気軽に見るのにちょうどよい感じ。
現代作品にはゲルハルト・リヒターの静かな風景画と、
その隣にデヴィッド・ホックニーの暴力的なまでにパワフルな「グランドキャニオン」。
マンゴーとドラゴンフルーツのような峡谷。
ポール・アレンさんも特にお気にいりというこの作品。どんなお部屋に飾られているのか、ぜひ伺ってみてみたいものです。
会期は5月23日までです。
こちらは3階の展示、ジェニファー・ウェストという作家さんの作品「Film is Dead」。
映画用のフィルムに、食品やネイルポリッシュや、身の回りにあるいろんなもので加工をしたのを上映している。
物品としてのフィルムと、映像媒体としてのフィルムを二重に展示。
奇妙に静かで、なんだか落ち着く。
常設展示もかなり変わってた。
巨大ネズミのまわりに並ぶ迫力のある巨大作品は、 ドイツの画家アンゼルム・キーファーさんの。このひと作品は初めてみた。こんどもっとゆっくり観に行こう。
美術館はこのくらいのまばらな混み具合(空き具合)がちょうどいいよねー。
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