ワシントン大近くの屋外ショッピングモール、University Village に行ったら、アマゾンのブックストア「amazon books」ができてました。
前にたしか変な回転寿司屋「ブルーシー寿司」のあったところ。
先月開店したばかりのようです。
アマゾンのサイトによると、全世界でも実店舗はこれが初めてだそうです。
書店としての規模は、とても小さい。
奥に児童書のコーナーが広めにとられています。あとは、ミステリー、SF、文学、ベストセラー、料理書などのコーナーが本棚2本分くらいずつ。
書棚にもさりげなくkindleが。
書籍の点数もきわめて少なく、すべて表紙を見せて陳列。アマゾンのサイトに掲載されているブックレビューの星の平均数とレビュー数、レビューの一部が紹介データとして本の下につけられてます。
星が4つ以上の書籍ばかりでした。
やっぱりショッピングモールという性格上、児童書コーナーに力を入れてるっぽい。お買い物の合間にお子様連れで来るマダムたちがメインターゲットなのでしょうか。
キッズ用テーブルにも電子書籍リーダーがついてます。
私の愛するLe Guin女史の名作 「闇の左手」もあった。星4.1つだって。
窓辺には座れるコーナー。このスペースはちょっといいな。
店内でコーヒーは売ってないけど、近くのスタバからコーヒー持ち込みで雑誌を読みふけっている人もいました。
店の中央は、もちろん、Kindleコーナー。
お客さんは、なんか全体に非常に年齢層が高かった。60代から70代のご夫婦が目立つ。
ここのモールからはバーンズ&ノーブルも数年前になくなってしまいました。書店のないショッピングモールがますます増える中、モール内に書店が復活するのは喜ばしいこと、といっていいのか。しかしアマゾン。
いうまでもなくアマゾンは街角から書店が減っている大きな原因のひとつなので、書店好きなシアトルの人々はどう受け止めるでしょうか。
少し前にニューヨークタイムズ紙の記事でブラック企業ぶりが注目されてしまったアマゾンですが、地元ではそのブラックぶりは以前から噂の的でした。アマゾンには都市伝説みたいな話がたくさんあります。同じコンドミニアムに越してきたアマゾンの新入社員が、数ヶ月後にはゾンビのようになっていたとか。
スターバックスやマイクロソフトに比べて地元への貢献度も高くなかったこともあり、シアトルではこれまでのところはっきり言ってあまり好かれてない企業でした。
消費者としては、本当に行き届いたサービスを提供してくれる企業なんですけどね。頼んでないのに日曜に配達もしてくれるし。ほかの地元書店でなるべく買い物をしようとは思うのだけど、小規模書店はオンラインショッピングの使い勝手が悪すぎて結局アマゾンで買ってしまうこともしばしば。ウェブサイトの買い物サービスのスムーズさでアマゾンの右に出るものはないですね。
この店でアマゾンが何をしたいのか、地元シアトルの人々に良い印象をもってもらって仲良くなりたいのか、データを収集したいのか、Kindleのショウルームを作りたいのか、よくわかりません。店の売り上げでは、きっと採算はとれないのではないだろうか。
なんとなく、この座り心地の悪いビニールの椅子↑↑が全てを物語っている気が。
全体に、書店の雑多な心地良さがない気がするのは偏見なのでしょうか。書店にある「余計な要素」がない気がする。
私もきっと、ここに本を買う目的では来ないと思う。でも買い物のついでに時間があったら、きっとまた寄ってしまうに違いないとも思う。
なんといっても書店は磁石です。
Tomozoさん、こんにちは。読者Sです。モールのアマゾンの本屋の価格はネットと同じ価格なんですか? 私もTomozoさんと同じく読書狂なので、こう町から本屋が消えていくと悲しくて悲しくて...大学キャンパスのある町なのに本屋がないっ!かろうじて隣町にバーンズ&ノーブルはあるんですけど。マニアックな内容の本を求めることが多いので、本屋があったとしても置いてないことが多く、どうしてもアマゾンに頼ってしまいます。それに安い。消費者のジレンマですねぇ。『闇の左手』? その作者読んだことありません。新しい作家を探していたのでトライしてみます!あ、ご存知かもしれませんが、TomozoさんならLAPHAM'S QUARTERLYという季刊誌がお好きになるかもしれません。いつも良い情報をこのブログで頂いているお礼に。私の大好きな季刊誌です。ネットのホームページでもエッセイとか読めますよ〜 お試しあれ。
返信削除Sさんこんにちは! 値段はネットとまったく同じだそうです。(とアマゾンのサイトに書いてありました)
削除アマゾンはほんとにインフラ化してますよねぇ。文句をいいつつ、明日突然アマゾンがなくなったら、かなり不便になりますね。
Lapham's Quarterly 、うわー面白そう。ご紹介ありがとうございます。また読みたいパイルが高くなります。ほんとにほんとに読むのが遅くて。
U.K.ルグウィンはSFやファンタジーに抵抗のない方なら超おすすめです。「Dispossessed」がおすすめ! 今読むと、冷戦の20世紀を感じるかもしれませんが。そして「ゲド戦記」シリーズ(Tales of Earthsea)は永遠の殿堂入り大好きノベルです。ジブリのアニメは全然ダメでしたが。