2011/06/02

メモリアル・スタジアム

きのうお昼頃、息子16歳から急に「今日試合あるから。7時から」とテキストメッセージが来た。

メトロ地区高校4校くらいの「オールスター」になぜか選ばれてたのは知っていたのだけど、試合があるのは知らなかった。息子も、同じ学校のチームから一緒に選ばれた子から聞いてその日に知ったって。なんで? なんかこういう、肝心な情報をすっぽり聞き逃すのが本当に得意のようで心配です。

場所はシアトルセンターのMemorial Stadium 。 スペースニードルが見下ろす、古いこじんまりしたスタジアム。

戦後すぐ、第2次大戦で亡くなった、シアトルの高校の卒業生たちを偲んで記念に建てられたので「メモリアル・スタジアム」。

今もアメリカは戦争中ではあるけれど、大戦のときのように子どもたちが赤紙で戦争に取られてしまうことはない。それがどれだけ幸せなことか。

ベンチは木製でペンキが剥げていて、なかなか趣があります。


フレンドリーマッチなので、もちろん入場料はタダだけど、シアトルセンターのパーキングが高い〜。

2時間まで10ドル。「1時間4ドル」て書いてあるのに、税金込みで有無を言わさず2時間分、10ドルチャージされる。ちょっとひるんだ。

午後7時すぎだし、とかすかに期待してしつこく路駐を探してみたけどもちろん見つかりませんでした。

試合は、ほかの地区の(高速の「I-5」の向こう側とこっち側らしい)選抜とで、トーナメントではないフレンドリーマッチなので、リラックスしたもの。一回限りのチームで緊張してないかと思ったら、結構のびのびと楽しそうに走っていた。




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2011/05/30

ハナミズキ

ハナミズキ。英語名はdogwood。


花びらが、(正確には「苞(ほう)」なのだそうですが)真ん中で、和菓子の包み紙のように合わさっていて、順々に開いていく。
このポーズは……ああ懐かしい「なんちゃっておじさん」。
…お読み頂いている中で何人のにわかっていただけるものかわかりませんがw

開いたところ。


今年はなぜか、去年満開だった白いハナミズキの木にまだ花がひとつもついていない。
かと思うとこんなに満開の木もあるのだけど。
天候不順で植物も困ってるのでしょう。



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2011/05/29

春のいも


スーパーでちっちゃい3色ジャガイモがかわいかったので買ってみた。
「新ジャガ」なのかな。
1ポンド2ドル98セントなり。2ポンド弱あったので6ドル近かった。ちぇっ。「1袋、3ドル」と読み間違えた。

さっそく茹でてバターで頂く。ほくほくで、うまっ。でも4秒くらいおいて、喉の奥のほうが痺れるような強烈な苦みが。ににに苦い。
これって芽?皮? とくに紫のがエグミが強いようで、驚くべき後味だった。

皮をむいて食べれば大丈夫。でもこんなちっちゃいのいちいち皮むくの面倒だわ〜。

追記:一日冷蔵庫に置いた茹でイモをスライスしてバター炒めにしたら、苦みはほとんど消えてました。どの工程がきいたのかは謎。




近所のかわいこちゃん。

5月も末というのに、猫が舗道でゴロゴロするような陽気の日はまだ少ない。気温がなかなか20度Cを超えません。朝晩冷える。
今日は用事があってユニバーシティのモールまで出てみたら、ロングブーツにスカーフという格好の女性が多かった。ノースリーブに短パン&サンダルの女の子もいるにはいるけど。今日はブーツ4割、サンダル1割って感じでした。


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2011/05/28

流血心臓

鯛釣り草、または華鬘草(けまんそう)。

「華鬘」てなんだかわからないのでぐぐってみた



英語名はOld-Fashioned Bleeding Heart。旧式流血心臓ですよ。
またはDutchman's trousers。オランダ人のすぼん。
またはLady in a bath。それぞれ画像検索してみると面白い結果が得られることでしょう。

覚書き:正式名Lamprocapnos spectabilis


葉と根には毒性があるそうです。気をつけましょう。



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タコマの壁

タコマの壁絵。

タコマのダウンタウンは小さいけれど、なかなかおもむきのある古いビルがたくさんある。
しかし日曜の夕方に人影はほとんどなし。がらんとしている。

これはファサードの装飾が華麗な劇場。1918年建造だそうです。オシャレな紳士淑女が集ったのでしょうねえ。

鮭もいる。


古い煉瓦ビルの壁には、100年近くたっていると思われる広告がそのまま残っている。
「1ドルで1週間のご衣装を調達」。近年塗り直したのか、ここだけかなり状態が良い。

素敵なテクスチャー。

こちらは現代の壁絵。グラフィティアーティスト用に解放されているガレージがあった。
かなり広くて、日曜日だけ勝手に来て描いてって良いらしい。週日はふつうに使ってるんでしょうね。

タコマに行くのはいつも週末なので、人影が少なく、元気のない街なのかなと思ってしまうけど、美術館もあるし劇場もあるし、丁寧に探せば面白いものが見つかりそう。


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2011/05/27

南部食堂


タコマに行ったら必ず寄る、このためにタコマまで行くことだってあるソウルフードレストラン『Southern Kitchen』(サウザン・キッチン)。

前に美術館に行った帰りにiPhone アプリの『Urban Spoon』で見つけて以来、用事を見つけては通ってます。「フードチャンネル」の番組でも紹介されたらしく、番組で紹介された時の写真が飾ってあった。わりあいに有名なお店らしいです。

フライドチキンは皮ぱりぱり、中ジューシーでおいしいし、キャットフィッシュ(なまず)のフライもオーセンティックです。
店内は赤と黄色が基調の明るい活気ある雰囲気。

ウェイトレスのおばちゃんが「Honey」とか「sweetie」と呼びかけてくれるところも、まるでジョージアかテネシーみたいです。


この日はキャットフィッシュのフライに、キャンディヤムと、カラードグリーン。同伴の16歳男子はマカロニチーズとフライドオクラ。

一品料理にはサイドが2種類と、コーンブレッドをパンケーキ風に焼いた「コーンケーキ」がついてくる。

サイドのチョイスはこのほか、ブラックアイド・ピーズや、コーンブレッドのドレッシング、マッシュポテト、コーンなど。

ドリンクはジャムかなにかの広口びんにどーんと入って来て、これもしみじみ南部風。
アイスティーはありがたいことにノーシュガーのチョイスがあるので無糖のものを。

ルイジアナでアイスティーをごちそうになった時、ひと口でがつんと脳に来る甘さというのが世の中にあるのを知った。

これは絶対に作ってくれたおばあちゃんが砂糖の量を間違えたんだと思ったら、それが南部のデフォルトなのでした。

水分の半分量くらい砂糖が入っているとしか思えない甘さ。
どろーんと蒸し暑い(まじ暑い)南部の午後に、戸外で大汗をかいて働いた後、キーンと冷やして飲むカロリー補給にはもしかしたら良いのかもしれないけど、日本人にとっては、飲料としてとても無理な糖度。

ここのスウィートティーが本場の甘さなのかどうかは、まだ怖くて試せないでいます。

左側のオレンジ色ののみものは、「マンゴーレモネード」。マンゴーの切り身がたくさん沈んでて、この上に生クリームまで載ってくる。しかしこれはそれほど暴力的に甘くはなくて、おいしいです。

さてこの物体はなんでしょう。↓↓↓


…答えは、デザートの「ピーチコブラー」。 見ただけで血糖値があがりそうです。

桃缶ひと缶分にさらに砂糖を加えて煮詰めた感じといったら良いでしょうか。

うちの16歳男子は、これを完食した。

そしてボソっと日本語で「これ毎日食べたら死ぬよ。40歳で」とつぶやいた。 

ちょっとこのデザートは、生命の危険がありそう。

でもお料理はホントにおいしいですよ。カロリー超高ですが! 



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2011/05/25

ノーマン・ロックウェルの絵


タコマ美術館で、ノーマン・ロックウェル展を見てきました。

20世紀初頭から70年代までの、アメリカの一番幸せな風景。

感謝祭の家族や、夏休みの家族旅行、血色の良いサンタクロース、雑誌の女優さんを見ながらこっそり口紅をつけて鏡に向かってポーズをつくる少女、悪戯がばれて全速力で逃げる悪ボウズたち。

今の少年少女はご存じないと思いますが、ずっと昔、ミスタードーナッツのパッケージをペーター佐藤さんが描いていたころ、「アメリカが青春だった頃のアメリカがある」というコピーがつけられていました。

きっと1950年代頃をイメージしたコピーとイラストだったのだと思う。見ながらそれを思い出しました。


ノーマン・ロックウェルは、「キッチュで俗っぽいコマーシャル画家」というレッテルを貼られて、生前は批評家にはほとんど顧みられなかったそうだけど、その作品は一般のアメリカ人に長く広く愛されて来た、国民的画家。

 ケネディの肖像やピースコープのイメージ画など、衒いがなさすぎて見ていて気恥ずかしくなるような一直線の絵もあるけど、ユーモアと懐の広さ、観察の鋭さ、イキイキした人物描写、そして超絶的なうまさ、やっぱり巨匠です。
 
冷笑的ではないけれども、一歩引いたところから人間を見る少し皮肉なユーモラスなまなざしは、マーク・トウェインのユーモアに良く似ている気もする。同時代の偉大な作家として、若いロックウェル氏はきっと愛読していたのじゃないかと思います。

ロックウェル氏は『サタデー・イブニング・ポスト』誌の表紙を半世紀にわたって描いたのですが、当時はサービス業以外の立場で黒人を描いてはいけないという約束ごとがあったそうです。

黒人は、ポーターとかコックさんとか、そういった立場でしか絵に登場させることが出来なかった。

それが当時の「良識」だった。

「アメリカが青春だった頃のアメリカ」は、カラードピープルの公民権を抑圧していたアメリカでもありました。

やがて激動の60年代が来て、ロックウェルは『LOOK』誌に舞台を換え、後の時代に世界中の教科書に載ることになる絵を発表します。



真っ白なワンピースを着てノートと物差しと鉛筆を持った小さな黒人の女の子が、4人の白人の男性に守られ、毅然として歩いていく光景。


ルイジアナ州で、白人専用だった小学校に黒人受け入れの裁判所命令が下り、初めて登校する生徒を描いた絵です。
壁には「ニガー」というラクガキと、投げつけられたトマトが潰れたあとが描かれています。

The problem we all live with』と題されたこの絵は、21世紀になった今見ても、喉が詰まります。

決然として動じない女の子の表情と、踊るような軽い足取りの、顔の見えない連邦政府の大人たち。アメリカの良心はかならず正義を守る、と宣言しているような絵です。
やっぱりシニカルにも絶望にも決して行かないストレートな明るさで。この明るさが同時代の人にはイラっとくるところだったのかもしれませんね。

「イラストレーター」として紹介されるし、軽いタッチなので、ロックウェルの絵は水彩なんだと思いこんでいたら、全部油絵だったので驚きました。この絵なんかはかなりの大判で、実物を見ると潰れたトマトがなまなましい。

展覧会の真ん中の大きなスペースをとっていたのは、公民権運動を描いたもう一つの大判作品『Murder in Mississippi』でした。

KKKに銃殺された活動家を描いたもので、撃たれて倒れようとする黒人の同胞の肩を抱えて、自分に向けられた銃口を冷たい目で見ている白人の活動家のヒロイックな姿が描かれています。

ロックウェルの作品には珍しくセピア1色で描かれた作品で、当時は衝撃的な問題作だったようです。

やっぱりここでもヒーローは白人なんですか、と思わずにいられないけれど、それが画家の、というよりも、この時代の「良識」の限界だったのでしょう。

たかだか半世紀で、国も人も劇的に変わるもの。トム・ソーヤーのような少年たちの絵を眺めながらしみじみ思うことでした。

会期はメモリアルデーまでですよ!


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