2020/07/06

無理解とがさつさを自慢する


独立記念日でしたね。

これは、先週ベランダで見た太陽の暈。

太陽を隠しているのは、上の階の人が1年中だしっぱなしにしているのでボロボロになりつつある星条旗。
偶然ながら、なにか今のこの国を暗示しているようなちょっと不気味な図柄が撮れました。
洒落にならねえ!!!

先週金曜日にマウント・ラシュモアでトランプが集会を開いてました。

感染者数が拡大している中で、もちろん、「マスク着用はご随意に」なので、7,500人の参加者がほとんどマスクなしという、カミカゼ集会です。

この時機にラシュモア山でイベントを開くというのは、全国で起きている反レイシズムのプロテストに対する全面戦争の布告といったところ。

ラシュモア山というのは、ごぞんじのとおりネイティブ・アメリカン(このばあいはラコタ族)の聖地に白人が勝手に白人の大統領の顔を彫ってしまった観光地です。いってみれば、明治神宮を戦後占領軍がディズニーランドに改造して門の前にマッカーサーの像を立てたようなもの。

ラコタ族の人々はもちろん抗議のデモをしてましたが、トランプ支持者がラコタの人々に「Go Home」って言っていたという報道を見て噴きました。いやそこ、彼らのホームだから。ゴーホームって言われるのはそっちだから。

1)ほんとうに歴史を知らないのか、2)その歴史をフェイクだと信じているのか、3)知っていたうえで暴言を吐いているのか。

どれが一番怖いでしょうか。

さらにトランプが#blacklivesmatterを「ヘイトの象徴」と言い出したというのを聞いて、どっひゃー!とまた驚きを新たにしましたよ。

この大統領は、とにかく「まさかこれ以上悪いことはないだろう」という予想をさくさくと覆してくれるという、その一点だけでは裏切らない人ですね。



FOXがライブ中継したラシュモア山でのスピーチの内容、さらっと読み流したけど、まーほんとうにヘイトと恐怖をあおることに必死になっている。

NYタイムズの記事で世論調査の専門家が「トランプは自分の支持者層拡大にもすでに興味を持っておらず、離れていった支持者を取り戻そうともしていない」って言ってました。
今までの、二期目を狙う大統領だったら、国内のカルチャー戦争を中和してなんとか自分の陣営を広げようとするものだけど、トランプは「どちらにつくか」の選択を強要している、と。

共和党内でもかなり離反が進んでいるし、しかもトランプサポーターだったカニエくんが!自ら大統領選に出馬するっていいだしたし! コロナの感染者増えてるし経済はたぶん徹底的に駄目だし、支持基盤は減少しつつあるのだけど、それでも!まだ!現時点で4割のアメリカ人がこの人を支持しているのですね……。だからぜんぜん予想できない。

自分の無知や、なにかを理解していないこと、人に気遣いをしないがさつさを自慢にすることって、何か名前があったっけ?それこそ「ゴロツキ」的なメンタリティだと思うんだけど。

それはつまり、相手を理解しないことを誇っているってこと、相手の大切にしているものの価値をゼロだと認定していること、だよね。
「オレはこんなつまらないことを理解する必要はないんだ」

やっぱり、相手にラベルを貼ってしまったらそこで話は終わってしまう。

トランプサポーターの言動を見ても、むやみに腹を立てるのはやめようと思うようになりました。彼らが発散している気が強烈にネガティブなことが多いので、ちょっと見ただけで気持ちが悪くなってむずかしいんだけど。

どうしてこの人たちがトランプをすごい人だと思ってしまうのかが知りたい。

そしてあのホワイトハウス広報官とかFOXニューズのアンカーとかは、本当に自分で喋っていることを真実だと思っているのか、ある程度は欺瞞だと思っているのか、そういうことじゃなくて「これが正しい仕事の仕方だ」と仕事モードで思考停止してしまっていて個人としての価値判断は置き去りにされているのか、知りたい。

わたしは、リベラルな人やなんならアナーキストの心情も個人的な体験=感情として共有できると思うけど(信条に同意するかは別です)、いわゆる保守派の人の心情は本当によくわからないのです。ウェーイ!っていう一体感の楽しさや帰属意識の嬉しさはまあ感情として理解できるけど、リクツに結びついたところの心情がよくわからない。ヘイトと怖ればかりが見えてしまうのだけど、それだけじゃなくて何かポジティブなものが彼ら自身には感じられているはずなのだろうし。

価値体系のどこが決定的に違うのか、もしかして思考のしかたがどこか決定的に違うのか。

まあそんなに人のことが簡単にわかったら苦労しませんけどね。



近所では、マーガレットが盛りです。こんなに咲いてたっけか、マーガレットってこんなに大きな花だっけ? 

わからないことばかりです。



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