この間の週末、あまりにもお天気が良かったのでワシントンパーク植物園に行ってみました。
椿の花が満開でした。
見晴らしの良いガゼボのあるあたりに、いろいろな種類の椿が集められている一画があります。
一重のも綺麗ですね。
椿って、花も大きくて色鮮やかなのに、常緑の葉の色が濃く、花が埋もれてしまうからか、あまりパーっと派手やかな感じがしない。
こんなに満開で華麗に咲き誇っていてもどこかもの静かで、わたしの中では「演歌の花」というイメージ。
英語名のCamelliaは「この木をヨーロッパに持ち帰ったイエスズ会の宣教師G.J. Camellusの名にちなむ」だそうです。へー(by ランダムハウス英和大辞典)。
「カメリア」というと「椿」よりもさらに妖艶な気がするのは、むかし深夜によく流れていた「じゅわいよ・くちゅーるマキ カメリアダイヤモンド」のコマーシャルのせいかしら。
シャロン・ストーンも出てましたねー。うふふ、懐かしいでしょう。
わたしがよく覚えてるのはこれ。
80年代の香りですねえ。これは90年代初めだったかな。
ところで、奇妙なハプニングとか珍しい出来事を「椿事」っていうのはなぜなのかなと以前から思っていました。
広辞苑には
【椿事】意外の出来事。非常の事件。珍事。
とあり、尾崎紅葉が引かれていますが説明はなし。
検索してみたら、こんなに詳細な記事をまとめている方がありました。素晴らしい。
ほうほう。
…でも結局わからないみたいですね。中国の「椿木」にひっかけて日本でいつの時代にか造られた造語みたいです。
ところでつい先日、インターナショナル・ディストリクトで椿事にでくわしました。
とあるカフェで本を読んでいたときのことです。
狭い店内にはわたしのほかには白人女性のお客が1人だけ。 カウンターの中にはアジア系の若い女の子が1人。
そこへ、バックパックを背負った中年~初老の小柄な黒人男性2人が入ってきました。
このお店の客層タイプじゃない二人連れだな、と一瞥して思ったのですが、特に気にせず本を読み続けていたら、すぐにそのうちの1人は出ていき、あとの1人はわたしのすぐ後ろのテーブルについたようでした。
すると、女性のお客さんが急に「オーマイガー」と言うので、本から目をあげて振り返ると、そこには。
小さいおっちゃんが、まるっきりの素っ裸で立っているではありませんか。
床には脱ぎ捨てたジーンズとジャケットがまるで脱皮したヘビの皮のように置かれています。
おっちゃんは明らかにちょっとどこかネジが飛んでいる状態のようでしたが、襲いかかってきたりはせず、ただすっぽんぽんで店の真ん中に突っ立って、何かつぶやきながらウロウロとしている。
店員さんは、
「SIR! you NEED to LEAVE NOW」
ときっぱり宣言して、ケイサツを呼ぶからね、と 本当に通報しはじめました。(こういうときにもたじろがずに「SIR」と呼びかけているところ、しっかりした子だなと感心しました。偉いわ)
わたしともう1人のお客さんは、顔を見合わせて苦笑。店員の女の子がポリスに電話をしているのを聞きつつ、なるべくおっちゃんの方面を見ないようにしつつ、万一凶暴化したときに武器になりそうなものは、と考えつつ、窓の外に目をやってはやくお巡りさんが来ないかなーと見ていたのですが、こういうときに限ってちっとも来やしない。
おっちゃんは何度か怒られた後、なにかうわ言をブツブツいいながらまた服を着て、数分後にフラフラと店を出ていきました。
お風呂か何かの夢でも見ていたのだろうか。
春先にはいろいろな椿事が発生するようです。
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