2011/01/27

Cannabis

Cannabis  n. (植物)大麻。カンナビス。大麻から製した精神活性のある薬物(マリファナ、ハシシ、ガンジャなど)




ワシントン州もほかと同じく、厳しい財政難にみまわれている。

で、ある州議員が提出中なのが、マリファナを酒屋で買えるようにする法案
 若手じゃなくて、孫もいる64歳の女性議員です。
おばあちゃんに怖いものなし!

この方法で年間4億ドルの税収が見込めるとのこと。
 
21歳以上なら誰でも酒屋でマリファナが買えるようにして、州でライセンスを発行した農家が州内で栽培するようにすれば、税収以上の経済効果が見込めるはず、という。




今でも主に西部の15州とワシントンDCでは医療用マリファナが合法で、医師の処方があれば指定の場所で買うことができる。この対象になる病気や症状も州によってバラバラだし、一度に所持できる量なども違う。カリフォルニアはかなり緩くて、不安神経症や一時的な痛みでも割に簡単にほいほい処方してくれるらしい…。かと思えばまったく禁止の州もある。
この州による法制の違いにはいつもながら、いまだにビックリしてしまう。

実際に医療マリファナを使ってる人に会ったことはまだないけど、 日本で芸能人が大麻所持で捕まったって大騒ぎになったりするのを耳にすると、日常にいかにマリファナがあふれていることよ、としみじみ思う。

高校生の息子によると、中学校や高校の教室でも取引されているし、休み時間に校庭の隅でマリファナをすっている子どもを見ても、先生はわざわざ注意もしない、という。

コンサート会場ではどこかから焚き火のような煙がもうもうと流れてきて、ライブのあとは服や髪がマリファナくさい。

大量に売りさばいたりしているのでなければ警察も所持くらいで検挙したりしない。
これはワシントン州だからで、テキサスとかではまた全然違うのかもしれないけれど。

大麻は太古の昔から役に立つ植物であるし、タバコやアルコールよりも毒性も中毒性も低いのだから合法化すべきだと主張する人々は昔から一定数いて、シアトルでは毎年そういう主張の人が集まるHemp Fest というお祭りも開催される。(吸う目的でなく、紙や布の原料として栽培を合法化するべきだという人も多い)

 さすがに一般へのマリファナ販売を合法化しようという議論をまともにまな板に載せた州はまだないようで、これが本当に審議にかかればワシントン州が最初になるだろう。…まだ相当にかかるとは思うけど。

現実に大変な量のマリファナが流通しているわけで、すべてアンダーグラウンドに流れているこの資金を税収として取り込んで、健康保険などの資金に充てよう、という思い切った議論は、たしかに一目おかれても良いと思う。反対する人がまっさきに言うのは、大麻を許可したらコカインとかヘロインとかもっとシリアスなドラッグにエスカレートしてしまうのではないか、ということだが、そういう人はすでにエスカレートしているし、手に入りやすいから中毒になるというものではなくて、ほかに理由があるはずだ。食事時にワインを飲む人が全員アル中になるわけじゃない。

現実に、子どもたちが気軽にドラッグをお小遣いで買えてしまえている。むしろ薬物中毒になってしまった人に対する救済や、子どもたちが夢中になれる薬物以外のものを提供することに使えるお金が入ってくるならそっちのほうがよいのではないでしょうか。

でも、新聞記事のコメント欄をみると(議論白熱していて700件以上のコメントがついていた)、「税収に貢献するわけないだろう。だれが裏庭で栽培できるものをわざわざ酒屋で買うんだ」という意見もある。たしかに、もうちょっと法がゆるくなったら裏庭に大麻がわさわさしている光景がシアトル中で見らてしまうかもしれない。

ただし、万が一可決されても、現状ではマリファナの売買はもちろん所有も使用も禁じている連邦法と矛盾するので、ほんとに税収にするには難関がある。

(医療用については、連邦法では違法ではあるけれ州法に従っている限りは検挙しないという方針)
現在でも医療用マリファナの販売はグレーゾーンで、ワシントン州では法律がないので解釈次第ということになる。

酒屋で売るようになったら、やっぱり「オーガニック」や地元ビールみたいなご当地ブランドが競い合ったりするのだろう。20年後くらいには実現するのではないかという気がする。

追記:1/30の新聞が 医療用マリファナ販売についての一面で特集していて、いろいろ興味深かった。
訂正→ 医師や療法士は、マリファナを「処方」ではなくて、「推薦」することができる。事実上処方と同じように医師が署名する。医師だけでなくて「自然療法士」なども可。
医療用マリファナが合法化されたのは12年前で、今では数万人の患者が利用していて、100軒以上の販売店が 営業している。法は、本来患者が自分で栽培して利用することを前提としていて、販売店が合法なのか違法なのかは明確でないので、患者を登録制にして販売店も許可制にしようという案が出ているそうだ。


ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

3 件のコメント:

  1. マリファナが合法なのはオランダでしたっけ?
    私はタバコも吸ったことはないけど、マリファナは依存性も低いようだし、いっそのこと合法にしちゃえばいいのに、と単純に思っちゃってる派でした。
    そういえば日本ではマリファナは所持は禁止されているけど、使用は禁止されていない(罪の名称上の揚げ足取りな感じですけど)ので、たくさん自生している場所に行って所持せず直接吸えば罪にならないのだろか、と真剣に話してる若者と隣り合わせんあったことがあったな。笑

    返信削除
  2. オランダは何でも合法のようですね…。
    所持はだめでも使用は禁じられてない…。でっかい焚き火のようにしてみんなで周りを囲むとかはOKなんでしょうね?
    たくさん自生している場所って…ww多摩川とか? 自生じゃないってw

    返信削除
  3. このニュースは、私は、結構衝撃を受けました。
    アジアを旅行していたときに、マリファナから抜け出せなくなっていた旅行者をいっぱい見たことがあります(暑い国で、部屋から出れなくなり、熱中症になって亡くなった人もいました)し、オランダに留学して戻ってきた人が、明らかに言動がおかしくなっているのを目の当たりにしたこともあるので、依存性が本当に低いのかは、正直言ってちょっと疑問です。
    他にも、身近でマリファナにまつわる悲惨な話を聞いたことがあるので、個人的には、できたら、合法化は止めてほしいなぁと思います(>_<)
    増税より先に、無駄をなくすとか考えることないのかなぁとちょっと思います。

    返信削除