シアトルのダウンタウンは丸いかたちのエリオット湾に面している。
湾の反対側は、親指のように突き出した三角形の岬で終わっている。
岬の東側からは、静かな湾をはさんでダウンタウンのビルや少し離れたスペースニードルが見える。
そしてこの岬の西側が、Alki Beach (アルカイ・ビーチ)。全長4キロくらいのビーチパークになっている。 シアトル市内にいくつかある「ビーチ」の中では一番ポピュラーで、 夏場には海水浴の人でたいへんにぎわうらしい。
ピージェット湾は深い入り組んだ入り江で、ずっと北のほうでちゃんと太平洋につながっている立派な海であるとはいえ、見ためは限りなく湖に近い。
アルカイ・ビーチから見えるのも、はるかな水平線ではなくて、湾を取りまく山々と森の静かな風景。太平洋の打ち寄せる波は、オリンピック半島の向こう側、100キロ以上も先なのだ。
この岬は、19世紀に東部から移住してきた白人たちがシアトル地域で最初にコロニーをつくった場所だった。
Denny さんという人の率いるグループが、イリノイからはるばる大陸を横断して、太平洋から北方を回って船でこの岬にたどりついた。自由な白人男子であれば誰でも土地を「claim」できた時代。自力で家を建てて住むことさえできれば、土地を自分のものにできた。
デニーさんグループは、翌年、湾の反対側にコロニーを移して、シアトルの街の基礎ができていったそうです。
アルカイ・ビーチって、オアフ島の「カイルア・ビーチ」のアナグラムだ。
景色はだいぶ違うけど。
(参考)カイルア・ビーチ、オアフ島。 |
アルカイ・ビーチ、シアトル。 |
カイルアの隣の「ラニカイ・ビーチ」にも少し似ている。名前が。
ラニカイ・ビーチ。オアフ島。 |
「アルカイ」の意味は、当時の土地の言葉で「もうすぐ」とか「そのうち」というような意味だったそうで、もともとはデニーさんたちが「ニューヨーク・アルカイ」とつけた。
「そのうちニューヨークみたいになりますように」という壮大な願いをこめたのだろう。 それに関係あるのかどうか、自由の女神のレプリカもあるのだそうだ。
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