2017/09/03

マーケットのStoryville Coffee


パイクプレイスマーケットの、入り組んだところにあるコーヒー屋さん、Storyvillle Coffee。


 花屋さんの脇から階段を2階分のぼったところにあります。


ロースターとしては2006年創業だそうですが、カフェが開業したのは去年くらいだとたしかバリスタのお兄ちゃんが言っていた。


はやりのナチュラル&再生材をつかったクリーンで落ち着く内装。


いつも激混みのスターバックスよりはよっぽどくつろげる。パイクプレイスマーケットにはカフェが意外に少なかったので嬉しい登場なんですが、個人的にはここのコーヒーはあんまりおいしいと思わないんだよねー。

わたしはコーヒー的には近くのSeattle Coffee Worksのほうが好き。
ヨーロピアンな深煎り豆が好きな方は、ここのが好きなのかもしれません。


デザインはかわいいし、飛行機クッキーもある。

席は少ないけどWifi環境も良かったです。こんなマーケットの真ん中ながら、がっつり仕事や勉強に打ち込んでいる人がけっこういた。


窓の外にはマーケット、という最高のロケーションです。

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2017/09/02

幸福をよぶロースター


去年の夏、日本に帰ったときにヨドバシカメラで買ってきたフィッシュロースター、パナソニックの「お魚けむらん亭」。
これで、うちのクオリティーオブライフが数ポイント上昇しました。

うちはバーベキューグリルとかないので、煙が出るものをトースターとかオーブンで焼くとかなり大変なことになるし、だいいちオーブンで魚をこんがり上手に焼くのは無理。

でもこれなら!サンマでも鯖の塩焼きでも干物でも味噌漬けでも大丈夫!

もう10年前くらいから欲しかったんだけど、アメリカに売ってるものは性能的にいまいち。しかし日本で売ってるのは電圧が違うので、使うのは博打みたいなもの。

ヨドバシカメラのお兄さんに相談したところ、うーん、と考え込んで、店としておすすめはできないんだけど、と前置きをしつつ、本当だったら業務用の重量10キロくらいの変圧器を使ったほうがいいんだけど、小型であっても変圧器があったほうがないよりはいいっすよ、ということで、こいつを購入しました。


これだけで広辞苑1.5冊くらいの重さ。

幸い、去年は息子が一緒だったので、ひとあし先にシアトルに戻る息子にこれとけむらん亭をもってかえってもらいました。手荷物で。

その前の年に日本に行った時には紙版の広辞苑を持って帰ってきてもらった。息子というものはものを運ぶときにたいへん重宝です。 


ウワジマヤでみつけた、ハマチかま!これだって楽勝!


…勢いあまって焦がしました。しかしうまい。

切り身なら4つが限度で、もうちょっと大きいといいんだけど、まあ2人前の食事なら十分。

この子で魚を焼くたびに、親子でスティービー・ワンダーのようにゆらゆら揺れてしまうほど、幸せを呼ぶロースターです。 末永く働いてほしい。



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2017/09/01

またやってしまった


このあいだ、パイオニア・スクエアのフェリー乗り場に近いあたりでみつけた、マンホールのふた。かわいい。

ちょっと大きな締切りがいくつか重なって、ああでも本当に面白い仕事をさせていただいた、とほっとした瞬間、なんとメルマガのデジタルクリエイターズの連載を勝手におやすみしていたことが発覚。前月におくっていただいた香盤表にたしか自分の名前がなかったので、ああちょうどこのへんは忙しくなるから夏休みでよかったー、と思っていたら、どうやらわたしの勘違いだったようで、きのうの午後、仕事が佳境のときに「そろそろ原稿を送っていただけませんか」と編集長から催促メールが来て、毛が逆立った。どひゃー!

申し訳ございませんでした。

1ミリでも調子に乗ると、この始末さ。


足元を見て、空を見る。

ほんとに迷惑かけまくりのでたらめな人生を送ってきた(進行中)のに、とりあえず今面白い仕事ができていて、面白い人たちに会え、住む場所にも食べるものにも今のところ困らず、今のところお天気もよくて、今のところ自分の足で行きたいところに歩いていけるとは、なんとまあ恵まれていることか。深くありがたい。


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2017/08/27

干潟の鳥の楽園


かなり前だけど、タコマのちょっと南にあるNisqually National Wildlife Refugeという場所に行ってきました。「二スカリー国立野生生物保護地区」、でいいのかな。


 ここです。
ピュージェット・サウンドの一番奥まった場所。


高速道路のすぐそばにあって、オリンピア方面に行くたびに道路から見えるので気になってたのです。けっこう広い。

ここはU.S. Fish and Wildlife Service(合衆国魚類野生生物局)が管理していて、けっこう立派なビジターセンターがあり、すごく立派なボードウォークがある。


連邦政府の予算で作られた施設というのは、国立公園もそうだけど、とにかく立派で、サイズがでかい。ここのボードウォークも、野鳥観察のためだけならここまでしっかり作らなくてもよかったんじゃ?と思うほど、幅も広いし頑丈に作られてます。小さな車なら通行できそう。


ビジターセンターからしばらく砂利道を行くと、ボードウォークが始まります。
トレイルは往復4マイル( 約6キロ)くらいです。けっこう長いです。


干潟の上をえんえんとボードウォークが続くだけなんだけど、鳥はたくさん見られます。

途中にあずま屋があって、そこの軒にツバメが巣をかけてました。まだ初夏だったのでひながピーピーいってました。
干潟の先のほうにはcaspian tern(オニアジサシ)の群れが水の上で餌をあさっていて、アザラシも何頭か泳いでました。

以前にイエローストーンに行ったときに買ってあんまり出番がなかった双眼鏡を持参。
オニアジサシはすごく鮮やかな色のくちばしを持つ、オシャレな配色の鳥です。グレーが綺麗。


上の写真はこちらのサイトからお借りしました。



タコマ山またの名をレーニア山も、ちょっとめずらしいアングルから登場。

ハクトウワシが何羽か、頭上を飛んでいきました。


白人がやってくる前のこの一帯はえんえんとこういう風景だったんだろうなあ、て感じです。


トレイルの脇に古い納屋がふたつ並んでいて、フォトジェニックでした。

えんえんと平らな道を歩くだけのトレイルではあるけど、とにかく広々していて静かで、鳥たちを見ながらのんびりできます。

暑い日にはお水と帽子を忘れずに!

シアトル近郊、今年の夏は本当にお天気が良かったですよね。


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デスノートinシアトル


「Translation」というキーワードでGoogle のアラートを作ってるんだけど、アラートで上がって来る記事の中に「lost in translation」というセンテンスでひっかかった記事が毎週必ず何本か入ってます。

アラートの意図とは若干外れるものの、この中に意外と面白いニュースがあったりする。

今日のはこれ。

Netflix's 'Death Note' gets lost in translation

この記事ではじめて、Netflixオリジナル映画で『デスノート』がリメイクされてて、しかもその舞台がシアトルだっていうことを知りました。

ここ数週間、Netflixにログインさえしていなかった。

さっそくログインしてみたら、一番最初の画面にでてきたよ、『Death Note』が。
わたしの観る映画の傾向にはまっていたのであろうか。

そこで、ちょっとだけ見てみました。


んー。


最初の15分だけ見て、やめた。

アメリカ版の「L」はぜひ見てみたいんだけど。

またいつか、時間ができたらのこりも見てみます。

オリジナルの(日本映画の)『デスノート』も、10年くらい前に見たんだけど、松山ケンイチ君がでていたということのほか、きれいさっぱり忘れてしまった。
でもNetflix版よりは、もっと断然、質感の高い映画だったような気がする。

原作も読んでないけどあのインパクト強い死神は知ってるよ。


ところで、「おどろおどろしい日本のヒットホラーのリメイク」となるとなぜシアトルが舞台になるんでしょうか。

アメリカ版『リング』(2002年)は、じっとりと怖くて静かで、日本の松嶋菜々子主演のよりもさらによかったと思うけど。

フェリーから馬が海に飛び込む場面とか、寂しくて怖い島(あれってどこあたりの設定なんだろう?)とか、ほんっとにじめっとした暗い感じがよかった。
あの映画を見た頃は、その先にシアトルに住むようになるとは思わず、「暗い街だなあ」と思って見ていました。

なかなかアメリカで日本のホラーの湿度が再現できる街って他にないのかも。シアトルはそんな実際には湿った土地じゃないんですけどね、雨が多いだけで。

でもあの映画も、撮影はバンクーバーだったと聞いた。「シアトルが舞台」という映画のほとんどはバンクーバーで撮影されてるんだとか。この『デスノート』もそうかもしれませんね。


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2017/08/26

エッグホワイトのオムレツ


カルボナーラを作るといつも卵白があまってしまって困っていました。

クッキーでも作ろうと思って冷蔵庫にしまってそれきり忘れてしまったことが何度もあり、発見するたびに悔恨の情に悩まされていたのでしたが、超簡単な解決方法にやっと重い至った!

エッグホワイトオムレツというものがあったのだった。
なんと簡単な。
単に泡立てて焼けばいいのね!


手間は泡立てる2分間だけ。長年の悩みが氷解!

ふわっとした食感が面白いオムレツになって、軽めのチーズをはさんでもおいしい。

この日のは泡立てが少し足りなくて、半分くらい目玉焼きの白身ふうになってしまった。

泡立てた卵白って不思議な食べものですね。「そうだ卵白を泡立ててみよう」と最初に思いついた人はどこの人だったんだろうか。

文明の利器、電動ハンドミキサーがなかったら、とてもじゃないけど朝からこんなものを作っていられませんけど。

そしてミキサーがあっても、わたくしはシフォンケーキに成功したためしがありません。
うちのシフォンケーキ(未遂)はいつも、完成予定の半分くらいの高さにしかならない。

なぜなんだ。気合いの問題のような気もするが、違うような気もする。
シフォンケーキが作れる人にはなにか特別なオーラがあるんですよ。


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2017/08/24

たこ船長と村上春樹の90年代


街角アートボックスの中で、わたくしが一番好きなのがこれです。
フリーモントのあたりのいつも通るとおりの脇にあり、信号待ちでいつも癒される。


首すじに緑のタコがからまっているというのに、船長さんは「まあ世の中、こんなこともあるよね」と、落ち着いたものである。こういう人になりたいものです。

ああこういう船長さんちょっとムラカミハルキ的だなあ。

今、村上春樹さんの『やがて哀しき外国語』というエッセイ集を読み返していて、これがすごく面白い。

これは90年代に村上さんがプリンストンに住んでいたときのエッセイなんだけど、今読むとその時代と今とのなんともいえない距離感がたいへん味わい深い。


「この国を内側からつぶさに見ていると、勝って勝って勝ちまくるというのもけっこう大変なことなのだなあとつくづく痛感する。ベトナムでは挫折があったものの、確かにこの国は冷戦にも勝ったし、湾岸戦争にも勝った。でもそれで人々が幸せになれたかというと、決してそうではなかったようだ。

人々は十年前に比べてより多くの重い問題を抱えて、そのことでいくぶん戸惑っているように見える。国でも人間でも、挫折や敗北というものが何かの節目においてやはり必要とされるのかもしれないという気がする。

でもだからといってアメリカにとって代わるだけの明確かつ強力な価値観を提供できる国家が現在他にあるかというと、これはない。

そういう意味では、現在の一般的アメリカ人が感じている深い疲弊の感覚は、現在の日本人が感じているむずむずした居心地の悪さと裏表をなすものではないかという気がする。単純に言ってしまえば、明確な理念のある疲れと、明確な理念のない居心地の悪さ、ということになるかもしれない。このしんどい選択は我々日本人にとっても、あるいはこれから先大きな意味をもってくるのではあるまいか」(はじめにp21 )


90年代はじめ、日本はまだバブルの最後の時期で、アメリカの都市はスラム化と犯罪でたいへんなことになっていて、日本バッシングが厳しかったとき。
大学村のようなプリンストンで過ごしていた村上さんは、アメリカが「明確な理念のある疲れ」を感じている、と感じていたという。

いまのアメリカと日本を知ってこの文章を読むと、感慨深い。

21世紀になって、「明確な理念」が破産してしまったうえにとんでもない大統領を生んでしまったアメリカ。
20年たってもやっぱり明確な理念はぜんぜんない日本。

都市は見違えるように「再生」したけれど貧富の差はますます拡大して、お金持ちのプレイグラウンドが目につくところに増え、「明確かつ強力な価値観」はまっぷたつに分裂して暴力を生んでいるアメリカ。

それでもそういう価値観が求心力を持ち続けるところが、アメリカという国の面白いキャラクターで。ほんとうに、この国って特殊な国なんだとつくづく思う。

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