2011/03/13

できること

明け方まで途切れ途切れにニュースを見てしまって、今朝は激しく寝坊。
目が覚めるとたんに、冷たい水を注がれるように悲しい現実が戻ってきて、力がぬけるよう。
被災地の方には、悲しみさえ感じる余裕がないのかもしれない。

おいしくごはんが食べられて、家族とともにいられて、ささいなことに文句を言ったりもして、電気製品が使えて、ってなんて幸せなことなんだろう。

節電にも協力できない遠くにいるから、節電分くらいにしかならない小額だけれど、赤十字に寄付してみた。
Apple が iTunes Store を使って寄付の受付を始めたので、iTunes アカウントがある方は、ワンクリックで5ドルから200ドルまでの寄付が出来ます。簡単だし確実で安心。

安否確認サイトを地震の数時間後に立ち上げたGoogleといい、ネット企業対応早かった。

ネットの一番便利であるべき面が最大限に活用されてると思う。Twitter にはどうしようもないデマも回覧されてたりするが、すぐにちゃんと火消しもされていて、何より、東北の自治体の担当者やNHK などのメディアの担当者が被災者のための情報を流しているのが素晴らしい。良く言われているけど、国の担当者ももっと活用したら良いのに。会見よりももっと直接、強く訴えることが出来ると思うのだけど。

これもTwitter で知ったのだけど、阪神淡路大震災のときにペットのレスキューをした実績のある団体『アニマルレフュージ関西』が、今回も被災地で行き場がなくなる可能性のあるペットたちの支援活動を準備している。

まだ人の被害者数の規模もつかめていないときに適当でないかもしれないけれど、でもこうやっていろいろな経験や知識を使ってそれぞれの持ち場で出来ることを冷静に行なっているボランティアがいるのは、心強いことだ。

きょうは「久しぶりにラジオで音楽を聞いてほっとした」という声が印象的だった。
皆、被災地の映像や、原発の情報や余震の恐怖に疲れきっているんだと思う。
ここで見ていてさえ、消耗してしまうのに。

被災地の方がこれから頑張っていかなくてはならないのだから、ここで落ち込んでいる場合ではないね。


今、自分に出来ることを考えよう、と自分に言い聞かせる。小さくても、身の丈でしっかり何かの役にたつこと。笑顔でいるだけでも、周りの人を笑わせるだけでも。

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2011/03/11

大地震

昨夜、寝る前にTwitter をチェックしようと思ったら、地震で大騒ぎになっていた。日本時間の午後5時過ぎ。東京出身の人たちが「今までの人生で最大の揺れ」といっているので、よっぽどの揺れだったのだな、と思った程度だった。

新聞社のサイトを見ると、津波に車が次々に巻き込まれていく映像、家が燃えながら畑の上を流れていく映像、ひっくりかえった船、など、とても本当とは思えない映像が次々に出てきて、頭がぐらぐらするようだった。
東京の湾岸地域で黒煙があがっているし、千葉では石油タンクが燃えている。


Twitter を追ったり、東京にいる弟や友人にメールを出したり、 Ustream でNHKが中継されているのを知って見はじめたらなかなか眠れず。
きょうは誕生日だったので、いろんな方からメッセージを頂いたのだけど、もう全部ふっとんでしまった。

なかでもビニールハウスが整然と並んだきれいな畑の上を、家や車を呑み込んだ濁流が流れていく映像は衝撃的だった。あのビニールハウスのある畑を見ると、成田から帰る時、いつも「ああ、日本に帰ってきた!」と思う。それが、ぐちゃぐちゃの瓦礫まみれの濁流に呑み込まれていく。自分の家を無くした方の気持ちにはとても及ばないと思うが、なんだか途方もない喪失感を感じる映像だった。


今朝も起きてからずっと気になって、一日中Ustream をつけたり消したり。
普段は有料のケーブルの日本テレビ局は、今日は無料で一日中NHKを流している。

地震発生から数時間、中学生の子がNHKのニュースをUstream中継していたが、すぐにNHKが公認し、すぐにTBS、フジ、NHKが公認ストリームを始めたのには感動した。

便利になったなあ、と思う反面、見ているだけでなにも出来ないのがもどかしい。
テレビのニュースも、実際にはほんの一部のことしか映すことが出来ない。

あまりにも被害の規模が大きいので、まだ全貌がわかるまでには数日以上かかることだろう。これから、いろいろな被害がどんどん明らかになってくるかと思うと心が重い。

ほとんどの友人はすぐにメールに返信をくれて、都内を歩いて帰ったことなど知らせてくれたのだけれど、肝心の身内とまだ連絡が取れない。弟にもついったーかフェイスブックを始めるように言わなくちゃ。…でも見ないだろうな(苦笑)。都内に直接の被害はほとんどないので心配はしていないのだが、状況が気になる。

シアトル周辺も実は恐ろしい断層が集中していて、大地震がいつ来てもおかしくないそうだ。300年前、江戸時代の日本で記録された津波の被害から、シアトル近辺で1700年1月にM9程度の地震があったことがわかっているようです。
古い建物が多い街だから、こんな地震がきたらひとたまりもない。


 とくに、この高架道路Alaskan Viaduct は間違いなく危険だといわれていて、最近架け替え工事が始まったばかり。

地震の映像を見ながら、息子と、地震が来たときの避難場所をとりあえず確認した。
実際に起こってみるまでは、何が最善になるかはわからないけれど。

都会の文明って唯一の現実だと思って暮らしているけど、地震ひとつで本当にあっという間になくなってしまうんだ、ということを見せつけられて、茫然としてしまう。


寒い中、救助を待っている被災地の方々が少しでも早く安全な場所に避難できるよう、お祈りしています。

2011/03/10

ヘンリー画伯


近所の壁画。

この「Henry」画伯の壁画はBallard (バラード)地域一帯のあちらこちらにある。
バラード名物のひとつといって良いでしょう。

引っ越して来たとき、いったいこのゆるい動物たちは何なんだろう…、と、一気にこの町に親近感がわいた。あんまりお好みでない方もいらっしゃるようだけど、マイペースなこの町にはすごく似合う絵だと思う。
シアトルのゆるキャラを、一手に引き受けているヘンリー画伯である。



この前はジョージタウンでも見かけた。↑

ヘンリー画伯はバラード近辺にお住まいのようだ。特に8th Ave 付近に壁画が集中していて、「ヘンリートラック」も良くみかける。
時々心ないコドモが壁画の上にラクガキをすると、数日後には修復されている。
画家として生活しているのだろうか…。

やっぱり私の一番のお気に入りはこのセイウチ自転車。



"The time has come," the Walrus said,
"To talk of many things:
Of shoes--and ships--and sealing-wax--
Of cabbages--and kings--
And why the sea is boiling hot--
And whether pigs have wings."

「さあ時は来た、」とセイウチは言った
「今がいろいろ話す時。
靴のこと、船のこと、封蠟のこと。
キャベツのこと、王様のこと。
どうして海が煮立っているのか。
豚には羽根があるのかないのか」

ルイス・キャロル『セイウチと大工』より
Tomozo 訳。


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2011/03/09

教科書の重さ


アメリカの義務教育は13年間で、公立高校の学費は無料。大変ありがたいことです。

学校はいつも資金が潤沢というわけではなく、地域格差がものすごく激しいのです。

聞いたところでは、南カリフォルニアのさるお金持ち地域なんて、10年前の段階で小学校の全生徒にモバイル端末が支給されて、宿題は全部ダウンロードだったとか。
ハワイの学校にはとてもそんな資金はありません。

うちの少年は毎日のように宿題のプリントをなくして怒られていました。

日本では、義務教育中の教科書は文部省がタダでくれるもの。
でもアメリカでは小中高校一貫して、学校の備品です。生徒はそれを借りてきて、半年とか1年間、大事に使うことになっています。

うちの少年が持って帰ってきた数学の教科書をふと見ると、見返しのところに使った生徒の名前と使い始めた年月日が書いてありました。

最初の日付をみてびっくり。1989年

20年モノでした!

89年に最初に使った「ジェニファー」ちゃんなんて、今ではもう高校生の母さんになっているかも。



受け取ったときに教科書がどんな状態だったかを書く欄もあり、最初の3年目までは「Good」とか「Perfect」とか書いてある。そのあとはだんだんGood な状態じゃなくなってきたんでしょう、空欄でした(笑)。

20年分のラクガキも、いろんなページに書き込まれています。



 歴史の教科書もこんなです。なんてことするのだ!と怒ろうと思ったら、受け取った時にすでにこの状態だったとのこと。
フェルメールの少女が…マリリン・マンソン似に……。


アメリカの教科書が丈夫に作ってあるわけですね。


でこれがまた重い。厚さは3センチくらい。
1教科につき2キロか3キロくらいある感じだから、毎日全教科持って歩いたら登山の装備なみです。

これプラス、例のコンポジションノートブックだから、毎日かなりの荷物になります。
あまりにも重いので成長途中の子どもの背骨に悪いというので、小学校低学年の子どもにはガラガラ引っ張るタイプのキャリーケースを持たせる親が多いけれど、小3にもなると男子は特に、そんなかっちょ悪いものを引っ張って学校に行くことは断固拒否し始めるのです。

で、教科書は学校に置き去りに…。

この20年モノ教科書も、家に置いておいてよい宿題用で、教室にはまた別に1セット新品があるらしいです。

そのうち全部電子書籍になるのかもしれませんが、まだしばらくは超重い教科書が生き残りそうです。

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2011/03/08

Gummy worms

アメリカの変なおやつ。
Gummy worms (ガミーワーム、「いも虫グミ」ですね)

どうしていも虫。いかにも男子小学生が好きそうなおやつだ。

大人にもファンは多い。フェイスブックにもGummy Worms ファンページがあって、6万5383人もファンになっている! 

巨大いも虫ゼリーまであった!ちょっといくらなんでもコレは嫌。
でもこのサイトの『Dune 砂の惑星』のジオラマは笑えるw


ふつうのは派手な赤とか緑で、形もいかにも寄生虫みたいでグロいけど、このガミーワームたちは「オーガニック」なだけあって、色も薄めでなんだかキュート。
こんなワームだったらちょっと飼ってもいい気がする。

意外な酸っぱさがあとをひく、けっこう好きなおやつ。ハイキングのおともに最適です。


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2011/03/07

タイコンデロガ



「古くて、新しい、それでけっこう」ダグラスは黄色のタイコンデロガ鉛筆をなめたが、この名前を彼はとても愛していた。(『たんぽぽのお酒』 北山克彦訳、晶文社)

レイ・ブラッドベリの『たんぽぽのお酒』にでてくる、「黄色いタイコンデロガ鉛筆」。

この本を初めて読んだのは中学生の時だったか。名前を覚えるのは苦手なのに、この変わった鉛筆の名前は一度で覚えてしまった。

ダグラス少年は「黄色い5セントのメモ帳」に、タイコンデロガ鉛筆で、夏休みの発見を書きとめていく。その名前は、「幸福マシン」や火花を飛ばして走る素敵な市電やアイスクリームパーラーと一緒に、1928年夏のイリノイ州グリーンタウンに属するものだと思っていたので、21世紀の「Office Depot」で普通にこの鉛筆が売られているのを見たときには驚いた。実在する鉛筆だったんだ。

『たんぽぽのお酒』が出版されたのが1957年。話の舞台は1928年。タイコンデロガ鉛筆は、たぶん、その間から現在まで80年にわたって、ほとんど仕様変更はされてないものと思われる。



しかも、 World's Best Pencil 「世界一のえんぴつ」と豪語している。

でもきっと、三菱ユニとかステッドラーとかと勝負してるつもりではないと思う。アメリカ人が「世界」というとき、それは主に北米のことを指すので。

たしかにアメリカのほかの鉛筆と比べたら、鉛筆削りの中でポキポキ芯が折れることもないし(ほんとに折れるんですよ。書いてる最中に簡単に折れる)、実直な良い鉛筆です。デザインもシンプルで、この黄色も目にやさしい。

使う人も作る人も、きっとこれ以上変える必要をまったく感じていないのだと思う。

日本に帰ると、文房具屋さんに行くのが楽しみです。ペンだけでも何百種類もあって試し書きができるし、ありとあらゆる種類のノート、消しゴム、美しい紙の数々、など見ているだけですぐに1時間くらい経ってしまう。

それに比べて、アメリカの文房具はほんとうに素っ気なくて、実用一点張り。

とにかくごっつい。
ホチキスとかも、いざという時には武器になりそうながっしりしたものばかりで、「かわいさ」や「デザイン性」を追求した製品は、ふつうの文房具売り場ではほとんど見受けられない。

ここ数年、ようやく、大手文房具店のOffice Max とかOffice Depot にもパステルカラーのバインダーや模様つきのファイルが登場するようになってきたが、まだ売り場では少数派。(ピンクのバインダーも、デザインは昔ながらの事務用品そのままなので全然かわいくないw)

カーニバルの屋台でも思ったけど、基本的に新しいものを次々に出すということをしない国だ。


ここ最近、オサレな(「カワイイ」)文房具が増えてきたのは日本製品の影響かな、と思う。これは↑ Greenroom というメーカーのリサイクルペーパーを使ったシリーズで、値段もあまり高くなくて最近お気に入り。TARGET が扱ってます。


この学校用ノート、「Composition notebook」もたぶんタイコンデロガ鉛筆と同じくらいのベストセラーだと思う。

小学校では学校指定の用品リストにこのノートが指定されてて、科目ごとに専用のを合計3冊か4冊買いそろえるのだけど、厚さが1センチくらいある上に表紙が厚めのボール紙で出来ているので、かさばるし、3冊も重ねると結構ずっしり重さもある。


日本の小学校で使われている学習用ノートや「大学ノート」と比べると厚さも重さも数倍。


何社かから出てるけれど、デザインはみんなおんなじ、この白と黒のスパターもよう。最近はカラフルな色のも見るけど、やっぱりこの白黒のに落ち着く ようで、夏休みの終わりに山積みで売られているのは圧倒的にこの白黒スパターで、大きさはまったく同じ。中の紙はざらっとした白地で、小学生向けに罫が太い ノートが多い。


糸綴じなのでページを破ることも出来ないし、分厚くて使いにくいノートだなと思うんだけど、米国人には愛されているようです。

たしかに質実剛健、丈夫ではある。先生が宿題を集めてチェックするときに、皆同じこのノートだと作業しやすいという利点もあるんだと思う。
子どもが踏んでも投げても犬が噛んでも壊れませんし。


思えば昔は、余計な色気のないアメリカの文房具が好きで、わざわざソニープラザでシャーピーのペンとかリング綴じのざら紙のノートとかを高いお金を出して買ってたなあ。これしかないとなると文句を言う、勝手なものです。

これで良しと思ったら百年でも同じものを使い続けるアメリカ人、常に新製品を楽しみにする日本人。

日本にだって昔ながらの良いデザインはたくさんあるけど、大量生産のもので戦前から変わらずに広く愛用されてるものってあるだろうか。



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2011/03/06

スパムむすび


ひさびさにスパムむすびをつくった。
高校のサッカーシーズンが始まって、練習後、夕食までおなかがもたない少年用。

4個とも食いよった。

ハワイのジャンクなスナックの王様。

そのままでは絶対に食べないし缶から出した状態では食用に適さないようにすら見えるスパムが、こんがり焼いてごはんにのせて海苔をまくと、なぜか全然オッケーな食べものになるのは、不思議。

日本の友人も、スパムむすびの魔力にとりつかれ、ハワイのスーパーでわざわざスパム2缶も買って帰っていた。日本の輸入スーパーで買うと高級品なお値段なのだそうです。
 
今回は、梅わかめふりかけのごはんに、炒り卵もはさんだ豪華版。
スパムがそのままで充分塩分きついので、味つけなしの卵をはさんだくらいでちょうど良いのだ。
焼くときにテリヤキソースなどをかける人もいるけど、わたしはスパムには何もつけない。ただ焼くだけ。

ハワイでサッカーの試合が終わったあとのスナック(交代で親が持ち寄る)は、3回か4回に1回くらいはスパムむすびでした。

ハワイの人は、みんな白いご飯が大好き。
ポットラックとなるとまずご飯担当の人が任命されて、30人くらいの集まりなら炊飯ジャーが2つは並ぶ。わたしもあっちこっちのポットラックやスナック当番に必要なので、1升炊きの象印炊飯器をもってたけど、シアトルで10合炊くことはないだろうと思って、引っ越すときに処分してしまった。でも先日のポットラックに持っていったちらし寿司が意外に評判よかったので(これどうやって作るの?と何回も聞かれた。すし太郎だよーん)、早まったかな、と思っているところ…。


おまけ

にらめっこの苦手なビーグル5歳。


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