2017/02/08

IKEAのヘタレなイタリアンイケメン


いわゆるタッパー(一般名称)という、残りものをいれたりする食品用容器って、なかなか良いデザインのがないと思いません?

気に入ったのがないなーとずっと思っていて、ある日、IKEAでこの赤い容器たちをみつけ、即買い。

すっきり重ねられるし、無駄のないスリムなラインと、そしてなによりこの赤がキレイでしょ。
ひと目でフォーリンラブだったのです。

ひっくり返して底面を見ると、メイド・イン・イタリーとかいてある。うんうん、イタリアの赤ねー。

しかし、その下に
電子レンジはダメ
のマークが。

えっ………。と思ったけど、この赤のあまりの美しさに負けて、やはりまとめ買いをした。

見栄という問題ではなくて(冷蔵庫で使うもんだしね)、こういうような場合の自分の判断基準が賢明とはいいがたいことは、認める。堅実な性格の人ならこの時点で即座に却下でしょうね。

冷蔵庫の中で使うぶんには、重なり具合がすっきりで、とても気持ちよく、とても満足。

冷たい残りものを温めるときにはほかの容器に移し替える必要があるのが面倒だけれど、まあそのくらいは我慢してもいいか…。

と大目にみていたんだけど、やっぱりこの子たちは食べもの容器としてはかなりのヘタレであることが、徐々に分かってきた。

まずフタがね、密閉じゃないので、汁物をいれて移動は大変に危険なのだった。

お正月に黒豆の煮汁をすべてクルマの床にこぼす惨事を引き起こしたのも、この容器。

そして先日は息子が何を思ったか、この容器にカレーをたっぷりいれてランチ用にバックパックにいれ、大学へ。ランチの前にさあ大変。バックパックの中がカレーの海になっていたそうです。

親子で同じ過ちを。

さらに使い始めて半年後、電子レンジにいれてもいないのに、大きな容器のひとつが、ひび割れた。

なので、もう汁物はいれられない。しかたがないのでその割れた子には猫のマスキングテープを貼って、ごはんなど汁気のないもの専用にしている。

さらにさらに、このように重箱型に重ねられるのはいいんだけど、重ねてしまうと取るのが難しいw。
ぴったりはまっちゃうから垂直に両手で持ち上げなければ取れないんですよ。コツがいる。

ヘタレというよりも、最初からやる気のないイケメンて感じですね。

仕事を頼んだら、「オレってそういうことには向いてないんだけどなー」みたいなことをつぶやき、「やっぱりダメだったー!☆チャオ」と書き置きを残して仕事途中で帰っちゃうみたいな、そんな奴。

でも見た目だけはいい。わかってたはずなのに、あんたがそういう奴だってことは…。

だいたい食べ物をいれる容器で電子レンジ不対応って、考えるとすごい了見だ。
オチを言わないで帰っちゃう落語家とか、印籠のない水戸黄門みたいなもんだよね。
いやそれを承知で買ったんですけどね。

イタリアンのヘタレといえば、前に村上春樹氏のエッセイで、ヨーロッパで乗ったイタリア車のひどさをつらつらと書かれていたのを読んだ。どの車だか忘れたけど。

この美しく、しかし突っ込みどころ満載の容器を使っていて、その話を思い出してました。

この間IKEAに行ったらもうなかったから、やはり廃番になってしまったのでしょう。


そしてやっぱり、この見てくれは全然イケてないけど逆さにしてブンブン振ってもちびりもせず、黙々と淡々と仕事をこなすRubbermaidくんが頼りになるのね。
 
二つを兼ね備えた容器はないものですか。庶民価格でね。


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6 件のコメント:

  1. これまた秀逸な記事ですね。
    赤のカーブ具合の、見事な美しさとか...
    ああ、あのお正月の、黒豆事件の主犯か~とか...
    さらに悲惨であっただろう、カレー事件とか...

    イタ車に乗っていたものとしては、ダメダメだからこそ、なお惚れこんじゃうような馬鹿具合とか...

    で最後の落としどころが、Rubbermaidなのに、大爆笑。
    青蓋のGladや、Pyrexではなく、Rubbermaidってところが、いいね~

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    1. 薫さま、恐れ入りますです。笑っていただけて嬉しゅうございます。
      ええ、こいつが黒豆事件の犯人です。
      いや、こいつに大事な黒豆を委任したわたくしが悪うございました。つくねをRubbermaid(一個しかない)にすでに詰めてしまったあとで、あ…。と思ったのですが、まあビニールでしばっておけば大丈夫だろうとタカをくくってしまいました。もう金輪際こいつには汁物の運搬はたのみません。

      そうですか、薫さんイタ車にのってらしたのねw 
      そうなんですよね、ヘタレたちの良いところは、付き合うほうが忍耐を養わざるを得なかったり、クリエイティブにならざるをえないところ。

      やっぱり実直なのはラバーメイド君でしょう。Glad君はテンポラリーな人ですし、パイレックス君はまた別のカテゴリですし…。タッパーさんは素敵なんですけどお値段がねぇ。

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  2. 異次元妹でございます。私はどーもプラスチックとマイクロウェーブが怖くなって、今はガラスばかり使ってます。韓国製の蓋がバキッとロックされるガラスのやつです。TJマックスとかでよくみかけます。旦那の弁当箱に使ってますが漏れずに安全です。それまではマーサ・スチュワートのKマートで売ってたガラスのやつを長年使いましたがとうとう蓋が壊れましたが、ものすごく長持ちしました。厚みもなく場所とらなくてよかったんですが、Kマートつぶれたし、もうなくなって残念。アメリカのタッパーってなんかすごくでかくて場所とるのでもっとスマートなデザインにしてもらいたいです!IKEAはかさばらなくていいデザインだけど私も昔のはすぐ蓋がだめになってお払い箱です。IKEA製品のこと教えてもらってよかったです。気をつけて選ばなくては。。。

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    1. 異次元シスター!お元気ですか?そうね、ほんとはガラスがいいですね。わたしもこれよりちっちゃいのはガラスの使ってます。
      メイドイン韓国ね。こんどTJマックスいったら探してみまーす!!

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  3. しっかり密封できて、あっためた後も蓋はずすだけで食卓に並べられるタッパーほしいなあ・・・と思っていたところだったので、記事冒頭読んで「こ、これは・・・!」と思ったらイタリアイケメンやりますね笑 確かにデザインめちゃ素敵なので多分私も買ってたと思います。日本に帰国した際に今狙ってるのはKELKKAというメーカーの北欧デザインタッパーです。アメリカでいいのがあるといいんですが・・・。

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    1. ぽんさん、こんにちは。そうなんですこのイタリアンに、やられました。
      KELKKAのって可愛いですね! ここのデザインスタジオはIKEAのテキスタイルもデザインしてますね。これアメリカで売ってないのかなー。
      1970年代のタッパーウェアですごくキレイな色とデザインのがあったのだけど、もう今はないのかしら。タッパー探しは続く…。

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