2020/11/12

ナバホ国のココペリちゃん [DAY6]



ホースシューベンドからグランドキャニオンまでの道も、多彩な景観がつぎつぎにあらわれます。

 


ホースシューベンドからアリゾナ州を南下する国道89号線沿いは、Navajo Nation(ナバホ・ネイション、ナバホ族の独立国)だったのですね。

ナバホ・ネイションはとても広い。


ホピ族のリザベーション(保留地・居住地)がナバホ国のなかにすっぽりおさまっているなんて、知りませんでした。ホピ族はもっと南のほうなのだと思い込んでいた。

下の地図の淡黄色の部分がナバホ・ネイションです。ホピ・リザベーションを包んでいます。


まさに、このナバホ国の西の端をとおっていくのです。

ナバホ国は今、ほかの場所よりもひどくコロナ禍に襲われているために(米国内でも先住民をはじめとするマイノリティの被害が特に際立って高いのです)、グランドキャニオンの東側のエントランスは閉鎖されています。だから、U字型を描いてずんずん南下してまた北上するルート。




上の図にルートが乗せられないので、再度経路図をこちらに。「進入禁止」標識があるところが、閉鎖されている東側エントランスです。






不思議な雲が南西の空から流れてきました。

このあたりに山火事はなかったけれど、アリゾナ南部やカリフォルニアからの山火事の煙が流れてくるらしく、晴れているのに西の空は濁った色になっていました。



奇妙で美しい色の砂山。


でも、ちらちらと車窓から見えるナバホ国の人びとの暮らしはまったく恵まれていないのがとてもよくわかる。


道の両側にぽつんぽつんとあらわれる家々は、ほとんどが「トレーラーハウス」と呼ばれるプレハブの安い家ばかり。まわり電気が通っているのかどうかもわからないような荒れ地。木の一本もめったに生えていない。

それが、ナバホ国を出てフラッグスタッフという小都市の近郊に入ったとたん、緑の木々が濃い豊かな風景があらわれるのです。これはいったいどういうことなのか。

ナバホの国は広いとはいえ、その土地のほとんどが荒野です。
水源の多い緑の沃野は、白人がたくさん住む街。

先住民の権利を主張する運動は、人口が少ないだけに、この国で一番声が聞こえづらいし、一番見過ごされていると感じます。ハワイを除いて。

トランプのスローガン「Make America Great Again」(アメリカをもういちどグレートに)の帽子をかぶっている方は、それを叫ぶ権利を一番持っているのはこの人たちだということを一度でも考えたことがあるのだろうか。

バッファローをもとに戻せ!
1800年以降の入植者は全員出ていけ!白人が来る前のこの土地はグレートだった!
という主張をされたらどう思うのでしょうか。



98号線沿いには、道の両側にネイティブ部族のひとたちの屋台がたくさんありました。

ざくざくお金を落としてはいけませんが、ほんのちょっとだけでも貢献しようと思い、そのひとつに停まってみました。

一言も口をきかないし目が宙に浮いている、商売やる気まったくなしのおじさんが奥に座っていました。わたしたちが品物を見ていると、前に停まっていた車のなかから、奥さんなのか、きびきびした中年の女性が出てきて応対してくれました。

……なんとなくハワイを思い出した。ハワイにいそうな感じのアンティ(おばちゃん)だった。

このあいだ、猫バッグといっしょにランドリールームの鍵を異次元のすき間に紛失したので、大家さんに新調してもらった鍵につけるために、今回の旅のどこかでキーホルダーを買おうと思っていました。

なんとなく「ココペリ」のがいいなと思っていたのですが…。



…この屋台にありました。

銀細工で軽くて、ターコイズの色も、銀の板の薄さも触り心地も快くて、完璧です。

おそらく中国製らしい安いアクセサリーも並んでいたけれど、これは地元アーティストの作品。とても素朴で心がなごみます。

うちの鍵たちを新たな異次元の隙間から守ってくれそうです。



グランドキャニオンには、またまたちょうどサンセットに間に合いました。




コロナ禍につきビジターセンターは閉まってました。

パーキングが簡単に見つかる空き具合に、ここでも青年は感動してました。

マザー・ポイントという有名なポイントでサンセットを拝見いたしました。

ここはまたスケールが違って、自然すごすぎる。



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2 件のコメント:

  1. フラッグスタッフ、好きだった。去年の春休みはそこでレンタカー借りてフェニックスまで下りたんだ。ここで生まれ育ったらどんな人生だっただろうと思いながら景色を見ていた。

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    1. そうなんだ、フラッグスタッフに行ったんだ!私達はそこでコーヒーを買ってガソリンスタンドでトイレを借りただけだけど、リザベーションが不毛の地なのに急に豊かな緑の街が現れて、その環境の差に愕然とした。景観がほんとに次々変わって面白いよねー。

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