2016/08/27
巫女との旅。 水の神社、丹生川上神社下社
6月末から7月初頭にかけて、関西を旅行しました。
大阪市内に在住の美人通訳M嬢のお宅に遊びにいくことにしてたので、Mちゃんにごくごく気軽に
「大阪付近で、どこか面白い神社仏閣とか、ない?どこがおすすめ?」
と聞いてみたところ、
「ありますよ〜すごいのが!」
という返事が速攻かえってきました。
…えっ、…すごいの?(・_・)……??となっている私のところへ、きいたことのない神社の名前が書き連ねられた長〜いリストがさくっと送られてきた。
そしてどういうわけか、 大阪市内でも付近でもぜんぜんなくて、大阪から険しい山道を何時間もいったところにある神社たちとお寺たちを訪ねる2泊3日の旅の計画があっという間に立案されたのでありました。
わたしもときどき「フットワーク軽いね」と人から言われることがあるけど、この美人通訳Mちゃんは、たぶんわたしの約12倍はフットワークが軽い。
中東からアジアから北米から、水中から空の上までいつも移動中のパワフルウーマンです。
月に3回は海外に出張に行ってるのではないだろうか。
そんなMちゃんに何か気軽に声をかけると、思ってもみなかった旅の計画が電撃的な速さでできる。
前回日本に帰省した2年前にも、ひょっと「こんなのもいいよねー」と口に出したら「それ行きましょう!」と、まったく予定してなかった道後温泉ツアーが実現してしまった。
その旅は、後からしみじみ思うと、ほんとに収穫が多かった。
今回の旅も本当に面白くて、噛みごたえのある旅でした。まだまだ咀嚼中。
なんといってもMちゃんの家は巫女の家系なんだそうです。
人に何かをもたらす人、なのでしょうね。
大阪市内でレンタカーを借り、巫女の運転で高速道路を抜けて、いつしか山道へ。ここは奈良県。
しかも足は、この子でした(大阪で借りたレンタカー)。
巫女に選択をまかせておいたら軽自動車だった!
2日間の行程はレンジローバーでガシガシ上りたいようなカーブ続きの山道が多く、アクセルを踏んでも踏んでも馬力が出ない(´・ω・`)…。この子はとっても頑張った。
ちょっと、ロバの背に乗っているような気分でもあった。
大阪から1時間ほどで、こんな幽玄な山の中へ。
大阪市内を出発したのが午後遅い時間だったので、この時点でもう夕方。
この日の目的地は洞川温泉(どろかわ)温泉。
そこへの道のりにある、古い神社にまず立ち寄り。
とても綺麗な水が流れる川のほとりにある神社。
丹塗りでない、木の肌の鳥居。うっそうとした木立ちに囲まれた、水の社。
丹生川上神社下社。水の神様として、広い信仰をあつめているのだとか。
古くから雨祈願には黒馬、止雨祈願には白馬を奉納したのだそうで、今でも境内に馬ちゃんが飼われてます。
祀神はいざなぎ神といざなみ神の子神だというクラオカミノカミ。
ざっくりいって、つまり龍神なのらしい。でも「美しい女性の神様」だそうです。
とても古い社だけれども、いろいろ紆余曲折もあって、祀神の名前が変わったりしている。
この日は6月末日。大祓いの日で、「茅の輪」(ちえの輪でもカヤノワでもなくて「ちのわ」!読めなかったww)がしつらえてありました。
もう夕方だったので、いつもは鳥居のすぐ近くにいるという馬ちゃんも厩舎の中。
ひと気がなく、しんとして、川の音が聞こえる。
綺麗な水の気配に満ちた、すがすがしい境内でした。ジブリ映画みたい。
拝殿のうしろに屋根付きの急な階段があって、その奥に本殿がある。
巫女のM嬢は以前に行ったことがあるといってました。
この神社は「絵馬の発祥地」でもある。
雨乞いに馬を奉納したことから、願い事のある人がウマの代わりに札を奉納するならわしができたらしい。
そうそうウマを奉納できるものではないですものね。
この絵馬は古式ゆかしくて素敵。ウマちゃんがちょっと困った顔に見えますが。
2016/08/19
郵便番号98103の蜂蜜
ファーマーズマーケットで買った蜂蜜です。
Seattle Urban Honey は、2008年にシアトルのご夫婦が庭においた2つの巣箱からはじまったという、マイクロビジネス。
そのご夫婦の友人たちの庭や大学の植物園など、シアトル市内のあちこちと郊外のいくつかの場所に置かれた巣箱から收穫した蜂蜜を、ファーマーズマーケットで売っている。
この夏の蜂蜜は、シアトル市内で穫れた「98103」、シアトルのすぐ北にある郊外の街ボセルで穫れた「98011」、シアトルから西へクルマで30分ほどのところにある小さな町カーネーションで穫れた「98014」。
この番号は、それぞれ巣箱が置かれている地区の郵便番号(ZIPコード)。
味見をしてみて、やっぱり一番気に入った、「98103」地区のを買いました。
グリーンレイクの周辺のリンデンバウム(セイヨウシナノキ)の花の蜜で、レモネードのような薄いイエローの、きらきら輝くとても綺麗な蜂蜜。
独特のきりっと爽やかな風味があって、明るくて爽やかなシアトルの初夏をぎゅっと凝縮したような蜂蜜です。
お値段はこの小さいビン(たしか8オンスかな?)が10ドル。もっと小さいオミヤゲ用のビンもありました。
今度日本に帰るときにはこれをオミヤゲにしようかな。
2016/08/15
夏の色
真夏の日没は午後8時すぎ。 波のないピュージェット湾の長い夕方。
ファーマーズマーケットのきれいなペッパー。
U-district のマーケットに出店しているこの家は、いろんな種類のペッパーをたくさんそろえてます。ピーマンのように辛くないものから、激辛まで。
宝石のようなオクラとみょうがを売ってる農家は日本人の方の経営。片道3時間はかかる山向うのヤキマから毎週夜中に出てくるのだそうです。なんとありがたい。
こちらは、一茎に一果だけ栽培するプレミアムメロン。
初夏に真っ白な花(ほんとうは苞)をいっぱいにつけていたDogwoodも秋仕様。
スペースエイリアンのような実が育ち、初夏とはがらりと変わった風情です。
2016/08/12
都市が成長するとき
いま、シアトルのあちらこちらでやたらに目につくもの。
それは建築用のクレーン。
ダウンタウンやサウスレイクユニオンのあたりなど、数ヶ月ぶりに行ってみるとすっかり景色が変わっていて面食らうことも多い、この頃のシアトル。
ここ数年というもの、年間1万4500人もの人が流入しているんだそうです!
恐ろしいほどの勢いでビルが増えている中、当然ながら、古くからあるネイバーフッドもどんどん変わる。
特に、以前は絆の強いブラックネイバーフッドだったセントラル・ディストリクトの変わりようはすさまじく、いろいろニュースにもなっている。
今回のSoy Sourceの「たてもの物語」では、パイオニア・スクエアのCenter for Architecture & Designでやっている展覧会「BOOM:Changing Seattle」を紹介してます。
現在のシアトルの成長ぶりは、19世紀のアラスカのゴールドラッシュの時以来!という人もいるほど。
そんな激変する街角で、なくなってしまうもの、なくなりつつあるものに目を向けた展覧会です。
地価と家の値段が高騰するのにつれて当然家賃も上がり、生活コストが高くなって、古くからの住人が市内に住みづらくなっているこの頃。
シアトルは家賃統制はないのですが、最低時給を段階的に15ドルという全米トップの水準に引き上げる法案が去年通りました。
(大手は来年、小企業は2021年に15ドルになるスライド制です)
今をおいてほかに、このような法案が通ることはなかったと思う。
それだけ、ここ数年の成長ぶりがずば抜けていると、シアトルの人が実感しているということなんでしょう。
2016/08/09
黄色いのかと思ったら
浅草の「四万六千日」ほうずき市でホウズキを買って帰れなかったので、近所のスーパーBallard Marketで綺麗なレモンイエローのホウズキを見かけて、即お買い上げ。
ここのスーパーのお花コーナー、珍しいものがあって面白い。
春先には猫柳なんかも置いてあるし、野草みたいな地味な花や葉もいろいろ。
そしてほとんどがバラ売りで、1本が1ドル25セントですのよ。
地元の食材が豊富で品揃えが良くて、ホールフーズやMetropolitanよりはだいぶ安いのでお気に入りです。FredMeyerよりは全体にお高いけど。
黄色いホウズキなんてあるのねー、なんて思って食卓に飾ってたら…
…立派にオレンジになった(笑)。
2週間もしたら完全にホウズキ色になりました。もともとみんな黄色だったのね…。
2016/08/08
スザロ図書館の謎のゆるキャラ
うちの学校(ワシントン大学)の観光名所の目玉といえばこちら、スザロ図書館。
もうここの写真は何度もアップしてますが、もう大学自ら「静かなホグワーツ」と言い張っている、「大学の魂」。
この間、ふとここのステンドグラスに目がとまってしまいましたよ。
大聖堂風の空間だけど、聖堂ではないので、ステンドグラスのモチーフももちろん聖人とか聖書物語とは無縁。
ちなみに外壁を飾っている彫刻は、 モーセからベンジャミン・フランクリン、シェイクスピア、グーテンベルク、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ベートーヴェン、ダーウィンまで各時代、各界の巨人たち。(1920年代の設計。当然のように女性は1名もなしね)
で、こちらの窓のこの方はいったいどなた?
何? やぎ? となかい?
こっちにも、何かを担いだペンギンのような生物がっ。
スザロ図書館のページに行ってみると、
「1923年に図書館が購入した4巻の『Les Filigranes: Dictionnaire Historique des Marques du Papier』という本に載っていた、ルネッサンス時代の透かし文様から28種類をとった」
という説明が。
この本をぐぐってみたら、アーカイブになってた!
でもまったく読めん!
透かし模様の目録みたいな本らしいのはわかった。
そして中にはこんな画像が!
これはっ。スタバのサイレンさんのバリエーション!しかもみんな変!!なにこのゆるさ!
ステンドグラスと全く同じのはみつけられなかったけど、こんな人たちもいた!
結局なぜ、このやぎ先生的な顔とかペンギン的な意匠を選んだのかはわかりませんでした。 それぞれの学部を意味している何かかと思ったら、全然そうでもないらしいし。
日本だったら誰かが目をつけて「スザロウくん」とかの名称でゆるキャラとしてグッズを売り出しそうな気もする。
1920年代に図書館を設計した人は、「大学の魂」にいったい何を吹きこもうとしていたのでしょうかw。
レーニア山国立公園のスカイスクレイパー山
タコマ山またの名をレーニア山国立公園(Mount Rainier National Park)の「スカイスクレイパー山」(Skyscraper Mountain)ハイキングにいってきました。
出発地は、タコマ山またの名をレーニア山の東側山腹にある「サンライズ」ビジターセンター。
うちを出たのが遅く、サンライズに着いたのはもう午後1時すぎ。
駐車場は超満杯だったけど、レンジャーが枠外のとこに誘導してくれて、意外にあっさりと停められました。
駐車場からの行程は往復8.5マイル(約13.5キロ)。
標高差は1078フィート(328メートル)。
トロトロ歩いて休憩いれて4時間45分でした。
さくさく歩ける健脚の人なら4時間で往復できると思います。
3年前にも行った(うわーもうそんなに前なのか!)「フローズン・レイク」。
ここまでで1マイル強、ゆるやかながらけっこう上りがあるので40分くらいかかった。
凍ってないフローズン・レイク。
前回、3年前に行ったのは7月初旬で、まだ道もかなり雪に覆われているところが多かったのだけど、今回はもうほとんど雪はなし。緑の牧場のようなゆるやかな斜面にいろんな花がたくさん咲いてました。
フローズン・レイクまではかなり人が多くて賑やかです。インド人の家族や中国人のファミリーも何組もいた。
もう雪もないので、ふつうに街の格好で歩いている人もたくさん。短パンにビーチサンダルで歩いている人まで。
フローズン・レイクの前から四方向にハイキング道がのびてます。この先は急に人が少なく、静かになる。
ハイジの世界。
ユキちゃんはどこよ!と思ったら、遠くにマウンテンゴート(野生やぎ)の家族がいるのがみえた。マウンテンゴートのお父さんは気が荒いので、あまり近くではお目にかかりたくないです。
ほんとうに花の種類も数も多い。
大きなカメラは持っていかなかったので、今回もiPhone写真です。
このハイキング道は、レーニア山麓をぐるっと回る93マイル(150km)の「ワンダーランド・トレイル」の一部。
「ワンダーランド・トレイル」は、レーニア山を取り巻く小さな山をいくつも越え、上り下りしながら何日間もかけて踏破する、ダイハードなコースです。
この日も、でっかいバックパックを背負ったハイカーに何組か出会いました。
フローズン・レイクを過ぎ、緑の牧場をしばらく行くと、目的地の「スカイスクレイパー山」が見えてきます。
どうでもいいけど、ほんとに適当な名前をつけたものです。
このあたりの岩は屋根瓦のように平たい石で、踏むと小気味のよいカラカラという音をたてます。
頂上!標高2157m。ここは360度の眺め。
正面には、タコマ山またの名をレーニア山。
かかっていた雲が晴れて、顔を出してくれました。壮大すぎる。幸せだー。
火山と氷河の作った地形。山を眺めながら持ってきたサンドイッチと麦茶の遅ごはん。
岩も素敵です。
いろんな色やテクスチャーの岩がある。ここの山頂のは綺麗な薄緑色に白が混ざっていて抹茶アイスクリームのようでした。
これはユキノシタの仲間らしい。ノースウェスト地方固有のTolmie's Saxifrageという種類なのか、いまいち確信もてないけど。
サンライズまではシアトル市内からクルマで片道2時間半。
夏の間に行かないともったいない国立公園です。
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