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2020/11/15

デザート・ビューのアクロバット飛行 [DAY 7]


 
グランドキャニオン2日目の午後は、「サウス・リム」の東側を見にいきました。

東側エントランスは、隣接するナバホ・ネイションがコロナ禍で深刻な状況のため閉鎖されていましたが、エントランスへ向かう道、「デザート・ビュー・ハイウェイ」の途中までは開いていました。

このハイウェイ沿いに5つほどの展望ポイントがあります。グランドキャニオンを見物しに東部から人がやって来はじめた頃は、この東側が観光の拠点で、ホテルがあったとか。



この↑写真の右側にちっちゃく見えている塔は、1932年に建造されたデザート・ビュー・ウォッチタワー

女性建築家メアリー・コルターさんの設計で、古いプエブロの塔をベースにしているそうです。

近代の建築とはいえ、雅な趣がある塔。ぜひ近くで見てみたかったのですが、こちらも閉鎖中で行けませんでした。



「デザート・ビュー・ドライブ」沿いのポイントを3つほど見て回りました。

こちら側は少し離れているので、ビジターセンターがある中心部よりずっと人が少なくて、とても静かでした。


さすがにザイオンのコロブ・テラスみたいな人影のかけらもない空間ではありませんでしたが、ぱらぱらと人がいるだけなので、好きな場所に好きなだけ陣取っていられて幸せでした。




青年は、でっぱった岩の上まで下りていって、峡谷と対面。

この岩の下、ほぼまっすぐ谷底です。
わたくしは、上から見ながら脇汗ダラダラ。

いくつになっても、子どもが崖のふちに座ってたり、自転車に乗ったり、スケボーに乗ったりすることを考えるだけで脇に汗が。




これは「Lipan Point(リパン・ポイント)」。ここに2時間ほどいて、岩を見たり、からすを眺めてすごしました。

シアトルにいるカラスたちよりも少し身体が細く小さくて、うちの青年にいわせると「ピュアでクリーン」なカラスたち。





峡谷の上にできる気流をよく知っていて、サーファーが波に乘るみたいに順番に2羽から3羽グループになって風に乗って遊んでました。

上手な子は、風に乗ったところで、身体をくるりと180度ひねって背中を下にして飛び、またくるりとひねって元通りにするアクロバット飛行をしてました。上手な子は本当に上手。

飛び方を覚えたてないのか、風に乘るタイミングがうまくつかめない子もいたり、ほんとに面白そうでした。

見てると、サーファーがサーフポイントまでパドリングしていってボードに立つみたいに、風に乘るポイントがあるようでした。でも気流なので、そのつど変わる。カラスにはちゃんと見えているのでしょうね。不思議。

啼き声もいろいろで、胡桃をこすり合わせるような音を出したりもしてました。

動画に撮ろうとずいぶん苦戦したのですが、タイミングが難しく、360度回転飛行をとらえることはできませんでした。残念。

 

 


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2020/11/10

魔法のフードゥー山 [DAY 5]


ロードトリップ5日目。

ザイオン国立公園ですごした最後の午後。

まだ行っていなかったKolob Terrace (コロブ・テラス)に行くことにしました。

ザイオン国立公園の正面入口から車で40分ほど。





公園の外周をまわりこむようにして、ヴァージンという小さな町の手前で山へ向かう道へ入ります。

山の中だし、舗装されているのか、うちのプリウスCちゃんが登れるような道なのか心配だったのでザイオンのビジターセンターで聞いてみたら完全舗装とのこと。安心して向かいました。(ワシントン州のハイキングルートへの道は、最後の1マイルが完全無舗装の穴ぼこだらけで、ぬかるんでいると4WDでないと無理なうえに崖スレスレだったりする恐怖のロードが多いので、けっこうトラウマになっています)




行ってみたら、穴ぼこ一つあいてないピカピカで快適な道でした。うちの近くの道のほうがよほどデコボコしている。



この道は、国立公園の敷地を出たり入ったりします。

敷地の外は当然私有地で、映画に出てくるような、のどかで美しい牧場がいくつもありました。



岩山はもうさんざん見ているのに、それでもまた新しい景色に目が驚きっぱなしです。

ここは公園内ともコロブ峡谷ともまた違う、ワイルドで広々した景色が広がっていて、なにより人がほとんどいないのが素晴らしかった。



頑張るプリちゃん。ぎょろ目がかわいい。


この子に似てないか?


このあと、旅の後半もプリちゃんはいろいろな苦難を乗り越えました……。えらい。




わたしの体力がそろそろ限界に来ていたので、トレイルは歩かず、 ウェブのガイドにあった(このガイドはとても詳細で役立ちました)ほとんど歩かなくてもよさそうな「Hoodoo City」(フードゥー・シティ)というスポットに行ってみました。

道端のパーキングスポットに車を停めてゆるい崖を少し下りたところが、広い渓谷を見晴らす高台になっています。



ここにもバフン的な物体が。




ここで、マーケットのデリで買ってきたサラダとサンドイッチと果物で遅いランチ。

スプリングデールの食料品店のデリのチキンサラダ。なかなかおいしかったです。


このようなダイニングスペース。2時間くらいいたけれど、誰も来なかった。

頭上ではからすが風に乗ってのんびり遊んでいました。

中央に見えている塚山のようなのが「フードゥー・シティ」。蜂の巣のようなかたちの奇妙な岩がいくつも集まっているところ。

ウィキ先生によると「段丘礫層(土柱礫層)が風雨により侵食され柱状になったもの」を「フードゥー」と呼ぶそうです。日本語では「土柱」。
ザイオンからそれほど遠くないブライスキャニオン国立公園には、まるで東南アジアの神殿のようなフードゥーがたくさんあるそうです。

フードゥーはごはんを食べた高台から10分ほどの場所ですが、わたしはほんとに疲れてて、フードゥーのところまで下ってからまた登ってくる意欲がわかなかったので、不思議な絶景を見ながらちびちびとお昼を食べつつ、靴を脱いでお座敷のようにほのぼのくつろいでおりました。

青年はまたとっとと走っていって、「フードゥー」のひとつに登ってきました。



帰りは夕方、日が傾いて、赤い砂岩がさらに赤く、火星のような景色に。



帰りの道。ところどころのトレイルヘッドに車が2、3台停まっているほかは、ほとんど人の姿を見かけないという、車で来たのにまるでバックパックハイキングで荒野のまんなかに行ったような静けさが味わえる贅沢コースでした。


このコロブ・テラスへの道の入り口付近に、いわゆる「グランピング」のテントサイトがあった。おいくらかしら、とぐぐってみたら、朝食つき1泊270ドル〜550ドル。思ったほど高くないのは、コロナ禍中だからかな(普段はこの倍という話も)。とはいえ、うちの予算とは今のところ折り合いませんが。




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2020/11/03

ザ・ナロウズへ [DAY4]



ロードトリップ4日目、ザイオン国立公園の3日目つづきです。

ゆっくりめのお昼を食べて昼寝もして、カフェテリアでエスプレッソも飲んで、おもむろにシャトルの終点、「The Narrows」へ。



ザイオン・ロッジから先はほそい峡谷で、両側に高い岩がそびえています。
峡谷の先へ行くほどに、どんどん近づいてくる。





シャトルの窓から、このような岩壁にロッククライマーが取り付いているのが見え、うわあああ!と大声で騒いでしまいました。

岩にのぼる人がいるのは知ってるし映画でもテレビでも見たことがあるけれど、実際に目の前にそびえる東京タワーくらいの高さがありそうな岩壁に生きた人間が登っているのを見ると、なぜだかすごく動揺します。



シャトルの終点からはじまっているRiverside Walk。峡谷の真ん中を流れる川に沿って1マイル(1.6キロ)ほどつづく、ほぼ平坦な遊歩道。



 ザイオン国立公園の中でも一二を争う人気コースなので、けっこう混雑してました。

とはいっても、コロナ禍以前のハイシーズンの混雑ぶりはこんなものではなかったそうですが。

 



川沿いの遊歩道が終わった先が、「ザ・ナロウズ」。
直訳すると「狭いとこ」ですが、ほんとに両側を切り立った岩壁にはさまれた狭い渓谷です。

整備された道はここで終わってますが、装備があれば、川の中を最大4.5マイルさかのぼって行くことができます。




必須の装備というのは、防水シューズと、ウォーキングスティック。

水のすくない季節の浅瀬とはいえ、くるぶしから膝の少し下まで浸かるので、しっかりしたゴム底で滑りにくい防水シューズがないと川歩きはむずかしい。すべりやすいので杖もあったほうが無難。

この遊歩道トレイルを歩き始めたあとで、レンタルらしい靴を履いている人がたくさんいるのを見て、はじめて、あっ、そうか、レンタルという手があったのか!と気づいたわたしたち。

宿の近くにも装備のレンタル屋さんがあったのにー!なんともうかつであった。

この先、10分くらいでもいいから、両側を渓谷にはさまれた川を歩いてみたかったんですが。


 

ちょっとくらい靴が濡れてもいいじゃん、と母はごねてみたけれど、杖も持ってないし危ないからダメです、と息子に諭された。

「ザ・ナロウズ」のハイキングガイドはこちら

ザイオンにこれから行く方は、前もってレンタル靴と杖(レンタルじゃなくてもいいけど)をご用意のうえ、シャトルのチケットも前日までにしっかり取って、ぜひ、朝はやめにザ・ナロウズを攻略してみてください。上述のガイドによると、「午後になるとまるでフラッシュモブみたいに人が湧いてくる」そうです。コロナ禍中のいまはフラッシュモブとまではいかないけれど、午後遅めのトレイル、たしかに人は多かったです。

春の雪解け後や雨のあとは鉄砲水が出るので、夏から秋にかけての晴れた日でないと歩けないそうですよ。




川の中にはは入れなかったけれど、峡谷の奥の岩たちもまた、ほかにはない、苦しいほどの迫力があって、すごかった。(実際にこの片道1マイルの道を歩くのもわたしには結構苦しかったのですけどw)



 

帰りのシャトルの待ち時間は約30分ほどでした。次々に来るのだけれど、定員が少ないので、すぐにいっぱいに。

 シャトルの中では距離が保てていても、待つ間はかなり密でした。みんなマスクはしてたけど。

公園の人たちもできる限りの措置は取ってるのがわかるけど、徹底するのは難しいですね。

 


帰りのシャトルですぐ寝る青年。

そういえば、公共交通機関を使ったのは3月にボストンからシアトルに戻って以来、この公園のシャトルバスが初めてでした。

 

 

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2020/11/01

エメラルドの池 [DAY 4]


ロードトリップ、第4日目。ザイオン国立公園の滞在3日目です。





公園内の中央部を走る、問題のシャトルバス。
コロナ禍で乗車定員を制限しているために、チケットは事前予約制。

前日の9時きっかりにオンラインで予約して、10時出発のシャトルバスのチケットを確保しました。ビジターセンターから乘るのですが駐車場が混むので、結局朝9時に到着して、車の中でまったり。

ホテルからもバスがあるのだけれど、やはり帰りは車のほうが楽です。



シャトルを途中下車して、Emerald Pools という、ファミリー向けトレイルへ。

ここも、ぜいぜいヒーヒーいいながら、ゆっくり歩きました。



春の雪解けのときには水量の多い豪快な滝になるそうですが、秋の終わりのいまごろは、これだけの滝。↓


でも爽やかな滝でした。小さな虹も見えた。




 濃い色の藻が繁殖していてエメラルドグリーンなので「エメラルド池」。

公園の中心部の人気トレイルなので、人が多くて、ひっきりなしにすれ違いました。




そういえば、10月の平日なのに、どうしてこんなに子どもがいるのだろうと思うくらい、家族連れがたくさんいました。

リモート学習だから、ホームスクーリングしながら旅行中?




メープルの紅葉がサーモンピンクの岩と青空に映えて綺麗でした。




エメラルド池のトレイルから眺める、峡谷の底の小さな草原。川が流れているので緑が濃い。

19世紀末、1909年にここがナショナル・モニュメントに指定されるまで、この川床には入植者の牧場があったそうです。

地形が面白い。

どうしてこんなに色も性質も違う種類の岩が隣り合ったり重なったりしているんだろう、と素朴に不思議に思わずにいられない。

大きくわけて7層になっているそうです。一番下の地層は海底だったときのもの。

 



ザイオン国立公園内の唯一のホテル、「ザイオン・ロッジ」。


ギフトショップ、レストラン、テイクアウトのカフェテリアもあり。



お昼にカフェテリアでチキンサラダを買って、芝生で食べました。

敷物がないので地図で代用。

青年は芝生で昼寝。わたしも睡眠時間が長いけれど、この人も驚くほど良く寝る人です。

 

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2020/08/11

ブライダルベール滝

先週日曜日、近郊のBridal Vail Falls(ブライダルベール・フォールズ)という滝にいってきました。

前から行ってみたかった滝。

シアトルからは車で東へ小一時間です。

大人気のトレイルなので駐車場は満杯でしたが、なんとか路肩にスペースをみつけて停められました。トレイルヘッドのトイレはCOVIDのおかげで閉鎖されてました。悲しかった。

片道2マイル(3.2キロ)のかんたんコースですが、わたしは今体力がめっぽう落ちているため、上りは50メートル歩いてはゼエゼエして立ち止まり、すっかりおばあちゃんのペース。

うちの青年が根気よくつきあってくれました。

犬や小さな子どもを連れた家族とよくすれ違う、人の多い山道だったのに、なんと歩き始めてから数分で、トレイルの50メートルほど前方を黒いクマが横切ってびっくり。真っ昼間、午後1時頃です。

シェパードの倍くらい(…とわたしは思ったけど、うちの息子は3倍はあったといってます)の大きさで、まだ若いクマくんだったようです。山の上のほうから下りてきて、道を大急ぎで横切って、川のほうに駆けていきました。仲間やお母さんがいたら怖っ、としばらく固まってしまいました。でもどうやら、ひとり立ちした青年クマだったようです。

だいぶ登りきったあたりで、遠くの雪山が見えてきます。

3キロの山道を、約2時間かけてのぼりました。はー。

 

上のほうはこんなかんじの階段も整備されていて歩きやすかったです。赤ちゃんをかついで登ってるお父さんお母さんもいたし、3歳くらいの幼児を連れてる家族連れにも何組も遭遇しました。

滝に到着。

夏で、しばらく雨が降っていないので水量はおそらく普段よりも少ないのだろうけれど、それでも「花嫁のベール」というポエムな名前にふさわしくほんとに綺麗な、立派な滝でした。

大満足です。

谷のむこうに面白い形の山が見え、たった3キロ歩いただけなのに深山幽谷の気分が味わえます。

 

…とはいえ休日なのでこのくらいは混んでます。滝のまわりではなんとかかんとか2メートルのソーシャルディスタンスがかろうじて保てる感じでした。
中国人ファミリーとインド人ファミリーが多かった。

 

山から落ちてくる水は本当に綺麗で、見ていて飽きません。

 

やっぱり靴をぬいで足をひたしたくなります。

そんなに冷たくなくて、気持ちのよい清水でした。


シュワシュワ。なんだかんだ1時間以上、滝の下でのんびりしていました。

お弁当とおいしいお茶と本を持ってって一日過ごしたい。この日はお弁当作る気力はなくて、サラミとチーズとクラッカーと水だけを持っていきました。

滝の真下ちかくに立つとパワーがすごい。滝行というものをしたくなる人の気持ちがすこしわかる気がしました。しないけど。

ほんとに素敵な滝でした。 

いつも思うけど、こんな場所にさくっと小一時間でアクセスできるなんて、シアトルって恵まれた環境ですよね。

帰りは来た道を下るだけなのでさくさくと、半分の時間で。下りはたのしい。

しかし、引率の青年にいろいろとたしなめられました。

ちゃんとマスクをしろとか、むやみに道ばたの葉っぱとかきのこに触るなとか。

(ウルシ科のポイズン・アイビーとかポイズン・オークとかの、かぶれる草もいろいろあるので。)

完全に、保護者の役をもっていかれた。

波乗り翻訳者えりぴょんに報告したら大爆笑されたうえ、幼稚園生のような遠足帽子だけでなくて「このつぎはスモックも着てってください」と言われた。失礼な!スモックはたぶん似合いすぎるような気がして怖い。

 

 

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