2016/01/28

なまあたたかい


なまっと暖かいシアトルです。近所のスーパーマーケットの入り口に、水仙が盛り盛りになってました。

チューリップ畑のあるFir Islandのあたりから来たものでしょう。あのへん、もう水仙で真っ黄色になっているのでしょうか。白鳥やスノーグースはまだいるのかな。

近所の家々の庭にも水仙やらいろんな芽がぐんぐん伸びています。
散歩も軽いレインコートで十分。あったかくなったねぇ、春だわね、なんて思ったけど、まだ1月じゃん!

きのうも今日も気温は55度F(12C)くらい。例年の1月の平均気温は46度F(7.7C)だから、例年より摂氏で5度、華氏で10度は暖かい今年です。
せっかくバカ高いスノータイヤに替えたのに、雪が降らないどころかロクに凍りもしないとは残念だ。

もう1回くらいキューッと寒くなってほしいと思っているのは私だけでしょうか。毎年こんなことを言ってる気がします。

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2016/01/27

Alaea Salt


なにはなくともうちの台所に欠かせない調味料のひとつ、Alaea ハワイアンソルト。

天日干し塩にアラエアというハワイの火山質の赤土を混ぜた塩です。

ハワイアンの昔ながらの製法は、もちろん戸外でゆっくりと蒸発させるもので、この記事によると今でもカウアイ島のハナペペで古代のままの塩づくりをしている人(会社?)があるそうですが、もちろんこのスーパーで売ってるアラエアソルトはそんなナショナルジオグラフィック的な作物ではなくて、カリフォルニアかどこかで作っているらしい。土地が高いハワイで作ったら多分3倍以上の値段になるんでしょう。

うちがいつも使ってるこの赤塩を売ってるのはPa'akai という会社で、オアフ島のカリヒにあり、そこで「packed (袋に詰めた)」と書かれてます。詰めただけか!
ウェブサイトもないので、一体中身はどこで作っているのか秘密のままです。

ずっと前に行ったWoodinvilleのソルト屋さんでもアラエアソルトを作っていて、そこの屋内の工場で海水を天日干しと同じような条件で蒸発させ、アラエアを混ぜるのだと説明してくれました。

うすら寒いノースウェストのグレーな空の下、田園地帯の工場の中でハワイの塩が作られていると思うと面白いですね。


アラエアソルトには、海水と赤土とにたっぷりミネラルが含まれていて、とにかく味がまろやかでおいしいです。
ヒマラヤソルトなども試してみましたが、 やっぱりこの赤土ソルトが最高だと思う。

レモンとオリーブ油とこの塩だけで、極上ドレッシングができます。上のずさんなサラダはバルサミコとオリーブ油をかけてアラエア塩をぱらぱらとふりかけただけのトマト&アボカド。こんな素朴なものが、最近はいちばんおいしく感じます。


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2016/01/22

Mr. GYROS


きのう午後、仕事のあいまに15分散歩に出ようとしたら、内鍵をしてしまいました。
うちのヴィンテージアパートメントのドアは、おしゃれなオートロック。じゃなくてポチッと中から押すと鍵がかかる式のクラシックなドアノブの錠。

ノブじゃなくてドアにももう一つ錠がついてて、普段はそっちを先にかけるようにしてるのだけど、いつものとおりぼーっと何か全然関係ないことを考えながら鍵がかかってるのをガチャガチャと確かめてドアを閉めたとたんに鍵を持ってないのに気づいたのでした。
まさに、鍵がかかるその瞬間の0.2秒前くらいに「あああっ」と気づくのですね。その瞬間はスローモーション。

もー、ちょっと気をぬくとすぐこうですよ。

すぐに息子に電話をすると、学校のスタジオで作業中だけど1時間くらいで出られるというので、仕方がないからバラードのダウンタウンまで長い散歩に出かけました。
散歩の帰りに買い物しようと思って財布を持っていてよかった。

15分のつもりが2時間の散歩になってしまったので、夕飯は Mr. Gyros のテイクアウト。

ぐるぐる焼いたラムのシャワルマ、フムス、ザジキソース、きゅうりのサラダ、ライス、ピタブレッドつき。これで13ドル。

地中海料理のgyro、シアトルにはいろいろお店がありますが、GreenwoodとBallardとWallingfordにお店のあるここはおいしいですよー。
にんにくと玉ねぎたっぷりなので、デートの前には自己責任で。

前住んでたハワイでは食べたことなかったので、来たばかりのとき「ジャイロ」と呼んだら笑われた。
「イロ」が正しい発音のようです。

ギリシャやトルコでどういう発音なのか知らないけど、とにかくこの界隈では「ミスター・イロス」。
ここの店を経営してる爽やかお兄さん2人組は地中海の南か東側の国の人だと思うけど。レバノンかトルコか、シリアかも。グリーンウッドのちっちゃなお店にはこの気さくで爽やかな店主の青年がいることが多いようです。

オンラインWebster にも「ジャイロ」はジャイロスコープとジャイロコンパス、「イロ」はピタブレッドにはさんだ牛肉や羊肉のサンドイッチ、と定義されてました。日本語版ウィキペディアでは「ギロピタ」「ジャイロ」って書かれてるのですが。

そういえば、この間帰ったとき東京にもイロスを売ってる屋台を見かけました。日本でも浸透してるのでしょうか。「ギロピタ」って小林製薬の製品名みたいでもあるけど、ちょっとかわいいですね。


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2016/01/20

美しいお尻のご夫婦


ある日のカークランド水っぺりで目撃した、仲のよいご夫婦。

一心不乱に水中でお食事中でした。


 見事なシンクロナイズドスイミングでした。



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2016/01/18

12


日曜日のパンサーズとの試合で、シーホークスのシーズンが終了してしまいました。

まさかの31点対ゼロ点というリードを取られ、このままでは50点対ゼロとか60点対ゼロというようなNFLプレイオフ史上初の黒い歴史を刻んでしまうのではないかと思わせた前半から、何かが降臨。

後半はまるで魂が入れ替わったかのように点をとりはじめるシーホークス。

ディフェンスから逃げながら0.2秒間の間にろくすっぽ見ないで投げたような(に見えた)ウィルソン君からの20ヤード強のパスをエンドゾーンの一番うしろのギリギリのところで15番カース君がキャッチした時には、顎が外れるかと思いました。

鼻が膨らんでいたパンサーズは後半ほとんどチャンスなしで1点も追加できず、あと一個タッチダウンが取れたらもしかして同点なの?そうなの?いけるんじゃないの?いや勝てるでしょ?というところまで追いついた。最終スコアは24ー31。この勢いで
あと5分あったら絶対勝ってた。
と、たぶんシアトル中が思った午後でした。

アメリカンフットボールは、まるでテレビCMのために作られたようなあの微妙な間のびしたタイムアウト制度と時計が秒単位で止まるシステム、遠くからおっちゃん達がごにょごにょと電波を使って司令を出す胡散臭さ、アメリカの会社組織をそのままコピーしたような完全な分業制など、複雑なルールとシステムがいっぱいあって組織が巨大でいつも同じドラマに感動している筋肉ヘッドのマチズモのカルトだと、実は数年前まで私はずっと思っていました。申し訳ありません。
こんなに面白くて精神的に消耗する、かつインスパイアリングなものだったとは。

ていうか他のチームのことはほとんど知りませんし、まだまだ謎なシステムが多くて理解しきれませんが。シーホークスだって人数多すぎて全然覚えられないし。

ともかく今シーズンもドラマがありすぎたシーホークスの試合は、いろいろ格別にインスパイアリングでした。

来シーズンも楽しみです。

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2016/01/16

Starman



He’d like to come and meet us, but he thinks he'd blow our minds.....

去年みた映画『The Martian 』(邦題:オデッセイ)でもこの曲がかかって、泣きました。

まだの人はぜひ観て泣いてください。

デヴィッド・ボウイも69歳だったんですね。

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2016/01/08

雪と火炎



明けましておめでとうございます。

今年も素晴らしい1年になりますように。

クリスマスの後からちょっと風邪をひいて、今年のお正月はいつもにも増してのんべんだらりと過ごしました。

元旦からタランティーノの新作『Hateful Eight』を見に行き、2日はNetflix でキューブリックの名作『シャイニング』を見直すという、大変心温まる年始でございました…。
正月早々なぜこんなに血みどろ。


元日も2日もシアトルの冬には珍しい、豪華な快晴でした。

2日は郊外の湖畔の友人宅で焚き火を囲んで過ごしました。
なぜ私たちはこれほどまでに、火と水をみるのが好きなのでしょうか。
火を見ると引き込まれるし、水をみるとほっとするのはDNAに書き込まれている何かの作用であるのか。

この熱と光は、化学反応という大魔法。
薪の炭素が酸素と反応して二酸化炭素を生む。(といって良いのか。ちょっと不安) 

薪に蓄えられたエネルギーが目に見える形で光と熱にどんどん変換されてるこのスペクタクル。

火炎というのは生きものっぽく見える。

生物の体の中で起きている生命の動力、あの生物の教科書で何度読んでもよくわからなかったATPという謎のシステムも、未だにぜんぜんよくわからないけどこの焚き火みたいなものなのか。なんてね。


お正月3日目は街にもほんの少し初雪が降りました。
 

朝日新聞に連載されてた大岡信さんの『折々のうた』の新書版を揃えて暇があると開いています。新年にはこんなのが目に入りました。(三巻)

万(よろず)を有漏(うろ)と知りぬれば
阿鼻の炎も心から。
極楽浄土の池水も
心澄みては隔て無し。

平安時代の歌謡集「梁塵秘抄」の一節です。
有漏とは仏教用語で「迷いの世界」だそうです。

万象が迷いの世であるとわかってみれば、地獄の火も心の内にあるものであるし、静謐な天国も心をすませば目の前にあるものだよと、いうことであるようです。

平安時代も平安な時代ではなく、今の世と同じく先の見えない不安で過酷な世の中であったでしょう。
こんな境地を求めていた平安の人の心境をちょっと思ってみてみたお正月でした。


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