梓川の橋をわたると、わりとすぐに明神池があります。
池への道の入り口に穂高神社の鳥居が立っている。
なぜ菊の御紋がついているのだろう。
神社小百科サイトを見てみると、神社の紋というのはとくに決まりはないらしく、伊勢神宮も明治になってから菊の紋を神紋としたそうです。
国家神道寄りの神社ってことなのかな。
とてもこじんまりとしたお宮。明神池のむこうに山を遥拝する奥宮です。
このお宮があるだけなのかと思ったら、ちゃんと社務所があって神社の人がいるのでちょっと驚いた。御朱印も出してるしここで祈祷も受付けてるそうです。てことは神職さんが通ってきてるのか、夏の間ここに常駐してるのですね。
おお、この狛犬さんは下界の穂高神社のあの戦闘系狛犬さんと同じ!
でもなぜか、環境のせいかな、こちらのほうが柔らかく見える。
この桟橋にもやってある船は遊覧用ではなく、御神事に使われる船でした。
池についた途端に、本格的に雨が降ってきました。
バスターミナルのあたりはあんなに人が多かったのに、そこからほんの小一時間の明神池までは来る人がとても少ないのは不思議。みんな反対側の大正池のほうに行くのか。
でもおかげですごく静かでした。
池の周りを少し歩くと、急流が。
「水晶のような水」ってクリシェだけどほんとうに水晶みたい。
このうえなく綺麗な、山から流れてくる水。雨のおかげで少し水量が多いのか、沸き立つような流れでした。
明神の山はかろうじて雨をついて姿を見せていてくれました。
池が静かで水がすきとおっているからなのか、雨粒の波紋がものすごく綺麗でした。
こんなに綺麗な波紋は初めて見たよっていうくらい綺麗で、見ていて飽きなかった。
素敵すぎる水面。
携帯カメラではなくてフィルムカメラで撮れたらかっこいい写真になったかも。
青空の上高地も見てみたかったけど、雨の上高地も本当にしっとり静かでよかったです。
ここで御神事をするのはいつからの伝統なのか。海の民の安曇族はこの小さな山の上の池に海を見たんでしょうか。
安曇族がやってくる前からここは聖域だったのか。
謎が多い不思議な場所です。
それこそ麓から歩いたら数日かかる行程だったろうに。
池の近くに嘉門次小屋という山小屋があります。大正時代からある歴史ある山小屋。
嘉門次さんはウェストンさんを案内したので有名になった人ですが、実際この場所に小屋を建てて、猟師をしていたんだそうだ。
「杣人」という人たちが山には住んでたんですね。
コーヒーを飲みました。「kamonji」ってソーサーに書いてあった。
ビールや鮎定食やカレーもあります。
コーヒーを飲み終わっても、雨はやまず。
雨のなか、バスターミナルを目指して戻る。来た道とは梓川をはさんで対岸を通る、ループコースです。
クマザサのあいだの広葉樹の森。時々ハイカーとすれ違ったり追い越したりするほかは、ほとんど人の姿のない静かな道でした。
クマが出ると書いてあったので、明神小屋でいちおうクマよけの鈴を買ってみた。
水の密度が下界と違う気がする。なんでしょうかこの美しさ。
彫刻のような水です。
帰り道はほぼ雨に降られまくりでしたが、ポンチョのおかげでわりと快適でした。靴カバーはあまり役に立たなかったw
バスで新島々へ降り、「アルピコ鉄道」のカラフルな電車で松本へ。
そして特急あずさで東京(多摩の弟宅)へ帰る。駅弁は迷ったあげくに紫米の「大糸線の旅」。大糸線じゃなくて中央線の旅だけど。
煮物に梅干し、豚の味噌焼き、卵に黒豆。すべて地元の食材なのだそうで、とてもおいしかったのだけどボリューム的にはちょっとものたりなかった。高齢者向けか。
大変活躍してくれた1000円のポンチョ。使い捨てと思ったけど背中のロゴがかわいいので、わざわざ干して乾かして、持って帰ってきました。また使う日が来るかしら。
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