2019/07/28

下には下がある


瞑想するしんのすけくん。

さて、いつも能天気なわたくしでも、たまには人並みに落ち込むこともあります。

そんなときには、自分よりもはるかに苦労している存在のことを考えます。


ばーん。

先日東京で、数年前から日本でブレイクしている『ざんねんないきもの事典』を買ってきました。
あまりの人気に続編もたくさん出ていますが、いきものたちの残念ぶりが秀逸すぎて泣けます。



なかでも私がいちばんぐっと来たのはこれ、ジュウシチネンゼミ。

土の中で17年間の幼生時代を過ごしたあと、集団でいっせいに羽化して短い夏を謳歌するはずのセミですが、うっかり何かが間違って出てくる年を間違えると、仲間に会うことなく、捕食されるだけで終わってしまうという…。
究極の孤独。広い世界にひとりぼっち。
なんて悲しいセミ生。

昔読んだ諸星大二郎の『孔子暗黒伝』で、たしか最後に主人公が人類が死に絶えた後の地球で餓鬼たちと一緒にくらしている場面があって、以来強烈にその場面だけ覚えてるんですけど、それとおなじくらい寂しいと思う、出てくる年を間違えたジュウシチネンゼミ。

あの漫画もう一度読み直してみなくちゃ。なんかいろいろ自分のベースになっている気がするけどすべて忘れている。



ほかの種のアリに「奴隷にされがち」なアリも気の毒。卵のときに誘拐され、自分の巣だとおもって一生懸命働くそうです。

しかし、カッコウの托卵といい、進化の過程、他人任せにしたり他の種を支配することでなりたってる種ってけっこうたくさんあるんですね。体の機能ならともかくその習性がどうやって種ぜんたいに広まるんだろうか。不思議。



ちっとも残念じゃないし、むしろこっちの方がいいじゃん、と思ったのはズキンアザラシ。

「かれらは争いになっても、傷つけ合うことはしません。そのかわりに、鼻のあなを閉じて空気を送り込み、鼻をより大きくふくらませた方が勝ちというルールで戦います」。

そして鼻の大きさに大きな違いがない場合は

「戦いは第2ステージに突入。片方の鼻のあなから粘膜を出して、ふくらませてみせます」。

これはなかなか優れた戦いのシステムだと思いますよ。誰も死なないし客観的だし。
人間も鼻から出した風船の大きさで勝ち負けをきめるようにできたらいいのにね。

ジャングルのなかでステージを作って踊る鳥とか、ほんとにどうしてこうなった?っていう生き物多いですよね。


これね。カタカケフウチョウ。
この鳥の存在って絶対に変ですよね。適者生存で説明つくのか、これ。

NHKとBBCの番組でなかったらまちがいなく特撮だと思ったと思う…。なんの陰謀論だ。

この本は子ども向けですけど、エンタメ性がたかくて面白いです。
ただ、「チンパンジーがしゃべれないのはのどの構造のせい」とか、ちょっとこれは科学的に正確な説明ではないよな、と思うものもある。



「くるしゅうない」by しんのすけ。

ねこたちは間違いなく進化の最上層ですねー。
ほかのアリを奴隷にする「サムライアリ」のように、人間を支配している。


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