わたしの心から愛するスイートハートのひとり、しんのすけ君が猫の天国に行ってしまいました。
しんちゃんとはかれこれ、10年ごしのおつきあいでした。
猫シッターをご拝命いただき、お父さんお母さんがお留守のあいだ何度も長い月日を一緒に暮らしたので、朝から晩まですぐ近くでタマシイの会話をさせていただきました。
たいていの場合、しんちゃんが発信しているのは
「早く毛をブラシせよ」
「ごはんはまだか」
という、たいへんストレートフォワードなメッセージでした。
これは、最後に会いに行ったときのしんちゃん。
むずかしい病気をもう何か月か患っているとのことでしたが、おもいのほかに元気で、謎の黒い毛玉に興味を示していました。
寝ている姿がこれほど幸せそうな生きものは、あんまりほかにはいないのではないかと思います。
Every Little Thing will be All Right、世になにもかも問題なし、すべてうまくいく、ということを、猫たちは知っているのです。
しんちゃんは生まれつき耳が聞こえないので、猫的常識を身につけていないため、ほかの猫たちとのコミュニケーションがとれず、猫とは仲良くなれない猫でした。
そのぶんヒトによくなついて、ヒトのそばにいるのが大好きでした。ヒトがいないと不安になるのか、置いてけぼりにされると幼い子どものように大声で鳴いて抗議していることが多かった。
「余をここに置き去りにして、なんのつもりじゃ」
といいたかったのでしょう。
とてもノーブルで、ピュアで、すきとおったタマシイをもった猫でした。
ヒトを見るときにはいつも
「くるしゅうない」
という顔をしていました。
RIP、しんのすけくん。