2016/10/17

ウイルスの祝福



風邪をひいてました。

ハッピーアワーに行った木曜日まで、1週間くらい、思いがけずちょっと今年始まって以来って感じのいそがしさ(当社比)に見舞われ、よしっなんとか山は越した!と思ったころ、机に向かっていたらぐらっと頭の左上あたりの空間が揺れた。

おやこれはなんだろう。めまいってやつかな。

と思ってハッピーアワーに行ってついでにユニクロとザラで買いものをして帰ってきてご飯をたべていたら、喉の奥がもわっと嫌な感じに腫れてきた。

うわ!風邪だよ!今週に限って風邪をひくわけにはいかないんだ!頼むよ!
と思ったがもうあとのまつり。

金曜の夜は寒気がして熱も出て、約10時間寝てビタミンCをしこたま飲んだものの、咳とはなみずに見舞われる。週明け月曜は客先に行く予定があったものだから、大あせり。

熱が出る日というのは、でも本当は、嫌いではない。
身体のどこかがとほうもなく痛くなるというのでないかぎり、熱があってぼーっとして自分の身体のまわりになにか重くて暑苦しい殻が一枚加わったような感じがして、時間の流れ方が変わる。

ぬるい海に棲むなにか動きの緩慢な生物になったような気がする。

まる1日か2日、みかんを食べながら寝ていられるのだったら風邪もエンターテイメントなのだ。

でも書かなきゃいけないペーパーがあって、締め切りの仕事があって、ミーティングの約束があるときには、風邪はなにかの、たちの悪い呪いのように感じられる。

でもたぶん、数日で治る風邪は、「呪い」というよりもどちらかというと「祝福」に近いなにかなのだと思う。

ウイルスによる祝福。

あまりうれしくはないが、呪いというほどのものでもない、というような。
(祝福は通りぬけていくものだけど、呪いはダラダラと残るものだ。と思う。)

熱が出て、咳とはなみずがでて、頭が痛くなって、関節が痛くなって、次にお腹が痛くなって、と、4日間でフルコースの祝福をふりまき、さらに3日ほど喉の痛みと咳をのこしてウイルスくんたちは去っていきました。

ビタミンCとキムチと豆腐スープと昆布茶じゃないKOMBCHAをこれでもかというほど投入しつつ、どうしても1日寝ているという選択肢がなかったのでスーパーで売ってるアメリカンサイズの風邪薬(咳とはなみず止め)を買ってのんで少しハイになり顔にブツブツの腫れものができた。


アメリカンサイズ風邪薬。ターゲットで買う時に「IDみせて」といわれた。IDをスキャンしないと買えないシステムだったらしい。子供たちはこんなものを乱用するのか。たしかにちょっとハイにはなるけど。

コンブチャに含有されている微生物たちが光輝く天使の軍団のようにウイルスくんたちを蹴散らす図を頭に描きつつ、おなかがやばくなってきた晩に1本半一気飲み。

コンブチャすごい!下痢はなんとか1晩でせきとめた!

いったいどのくらいの数のウイルスがわたしの体の中で増えて出ていったのか、「もやしもん」の細菌みたいに目に見えたらすごいよね。

ウイルスが体にはいって、大増殖して、去っていたあとの自分はすこし何かが変わっている気がする。
ていうSFがなかったっけ?


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