2016/04/02
スーパー火山の噴水ショー<イエローストーン6>
突然思い出した4年近く前(2012年夏)の旅行記つづきです。
イエローストーンの続きをそういえば書いていなかったのでした。
前回から3年半あいてしまいましたが、イエローストーン第6回。
イエローストーン国立公園でいちばんの目玉アトラクション。「Old Faithful(オールド・フェイスフル)」の間欠泉。
野外劇場のような観客席ができていて、役者の出番を待つように、みんな辛抱強く間欠泉が吹き上がるのを待っています。
吹き上がるのは60分から120分に1回。予測時間の30分以上前から席が埋まってました。間欠泉の噴水登場までの間、レンジャーがいろいろ話をして盛り上げてくれてます。
吹き上がる時間は2分くらい。私たちが見に行ったときにはあんまり大きな水柱ではありませんでした。
こんな大地の真ん中で、炎天下、お湯の噴水が出てくるのを大のオトナが百人以上も汗をかきながら待っているというのは、考えてみるとコントみたいな話ですね。
たしかに大昔から2時間間隔で休まず熱湯の大柱が吹き上がっていると思えば、すごいと思うのだけど。
オールド・フェイスフルの付近「アッパー・ガイザー・ベイスン」にはちっちゃな間欠泉や温水池が100個以上も密集していて、しっかりした歩道が張り巡らされ、2時間くらいでぐるっと回ることができます。
水の色が不思議な深い翡翠色の温水プールでした。
ここも本当に温水プールと間欠泉のギャラリーみたい。
歩道はこんな感じです。町中を歩いているのとほとんど変わらない格好で大丈夫。
あちこちから蒸気が上がっていて、さすがにドラマチックでした。
有名な「モーニング・グローリー」プール。morning glory (朝顔)の花に似ているというところからつけられた名前だそうです。
この色はお湯の中に棲む微生物の色。
もっとかっこいい写真は、たとえばこちらのサイトなどをご覧くださいね。
未知の土地を探検していて最初にここに行き当たった人たちはどんなにかびっくりしたことでしょうね。あちらこちらから熱湯が噴き出るわ、ものすごい色の池はあるわ。
異世界に迷い込んだと思ったかもしれません。
でも「オールド・フェイスフル」をベンチに座って辛抱強く待っているのと同様、すべてが整備された歩道を歩いて一つ一つ間欠泉をめぐって歩いていても、あんまり「おおっ、大自然すごっ!」という感動はわき起こらず。
ハワイ島のキラウェア火山で、斜面を覆い尽くし道路を飲み込んでいる溶岩流を見て感じた時のような迫力に圧倒されなかったのは、きっと人が多すぎ、見るべきものがみんなガイドブックに乗っているとおりで、一つも意外なものがなかったからなのだと思う。イエローストーンのせいじゃないんです。
ベビーカーを押して歩ける歩道が完備されているので、皆が見に来る、目の前にあるこの「すごい自然」がまるで造り物のように見えてしまったせい。
だって実力からいえば、このイエローストーンにまさる火山は世界のどこにもないんですから。
このだだっ広い公園のほとんどが一つの火山のカルデラという「スーパー火山」。
最後に大噴火したのは64万年前。またそんな噴火が起こるという確率は低いとはいえ、皆無ではない。イエローストーンが大噴火したら、その時はアメリカの半分が灰に埋まり、10万人近い人が吹っ飛んで即死するだけでなく、噴火の灰で世界中が数年間冬が続くという、という予測もあるそうです。まさに黙示録的な実力を隠し持った火山です。
そんな破壊力のある火山の真上を歩いていて、バッファローもエルクもいるのに、どうしてもテーマパークに見えてしまう。大自然パワーを感じるためには、意外にかなりの想像力を必要とするイエローストーンでした。
「オールド・フェイスフル」の真ん前に建っている、立派なビジターセンター。
いつも思うけど、アメリカの国立公園、箱モノに予算をかけすぎなんでないかい。
連邦の予算がそれだけついてるのは素晴らしいことですけど。でもこんなに巨大でなくてもいいような気がするよ。
ビジターセンターの中には何があるかというと、こういう説明が事細かに。このちょっとアーティスティックな説明板の一部に目が釘付け。
ぼ、坊主地獄ってなによ? と思ったら、高温の泥が「坊主の頭」のようにまるっと膨らむMud Pots という現象らしい。別府温泉にあるそうです。すごいネーミングだ。
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