2012/02/20

ブラックカルチャー観察日記


読みたい日本語の本がたまったので、アマゾンでまとめてオーダーしたのが届きました。送料高いけど、届くのは早っ。
さいきん、アマゾンドットコムはネット界のウォルマート化していると思う。シアトルの地元企業ではあるけど、あんまり応援したくない。でも他に並ぶものがないので使っちゃう。英語の本なら、地元の本屋さんで注文という手もあるのですが。使う側からすると、水も漏らさずという風情でスムースに使えるのですよねえ、アマゾン。

今回は、交流させて頂いているブロガーさんの方お二人が本を出版されたので、それも届くのが楽しみでした。

まずシカゴ在住のフォトグラファー、ジャンヌさんこと高山マミさんの『ブラックカルチャー観察日記』。
副題が「黒人と家族になってわかったこと」ときわめてストレートフォワードですが、すっごく面白い。結婚は「フィールドワーク」と考えて、出会った異文化に驚き、呆れ、楽しんで、ときに深く考察する、その面白がり方がとても真摯なのです。




シカゴのブラックファミリーの中にすっかり溶け込みつつ、アメリカの中の異文化、ブラックカルチャーを鋭く観察した報告書。
「ソウルフードの真実」から、ブルーズという音楽ジャンルが白人ファンのための伝統芸能と化しているという衝撃の事実、成功した黒人男性がクルマにお金を使う理由、キャリアの黒人女性が料理をしたがらない理由、黒人女性の髪への執念、などなど、アメリカで普通に暮らしていてもなかなか見えてこないことを、「内側」でも「外側」でもない、境界線から冷静に分析している貴重なフィールドワークです。

わたしの元夫もアフリカンアメリカンですが、なにしろ結婚生活が短かったし、二度ほど南部の実家に行って、昼間から酒屋の前にやたらフレンドリーな人たちがたむろしているとか、まずそういうところから大変なカルチャーショックを受けてはみたものの、あれこれ検証して学ぶ機会も余裕もありませんでした。

世界中を旅して来たマミさんと、シカゴのブラックコミュニティで育ちながら、東部の超エリート寄宿高校で4年間を過ごした旦那様。コスモポリタンなお二人の偏見のない視点が出会って、お互いの文化への尊敬に支えられた生活があってこその観察日記です。

この本を通して読んですごく思ったのは、うちの息子、半分はアフリカンアメリカンで外見はブラックのほうが強いのに、オアフ島とシアトルというぬるま湯のような環境で育っているし、親戚にも物心ついてから会いに行ってないから、本当にリアルなブラックカルチャーに触れたことはぜーんぜんないということ。きっと本人が思っている以上に、中身はほとんどアジア系。ブラックカルチャーも、そのプロトコルにもまったく無知なのです。 シカゴとか南部とかに「留学」させて、ちょっとは文化を学ばせたほうが良いかも。

アメリカ生活が長い方にも、音楽や本や映画を通してアメリカをよくご存知の方にも、楽しめること間違いなしの本です。


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8 件のコメント:

  1. どうもありがとうございます!! Tomozoさんには読んでいただきたかったので、とても光栄です。感想楽しみにしていました。
    息子ちゃん、中身はアジア人でも、黒人社会で育ったら絶対に「クッ」は身に付くと思うなあ(笑)自覚がなくても、「向こう」から黒人と見られたら逃れようのない慣習だから(笑)

    今回日本に帰って、「わーい、本屋本屋♪」と本屋巡りを沢山したけれど(日本の本屋は楽しいねー)、古い本などは本屋に置いてない場合もあって、やっぱりアマゾンは利用しちゃうね。電車賃を考えるとアマゾンの方が便利だったりするし。
    アマゾンにない本屋の良さというのは、目的の本以外の情報も目に入るところ。新刊、欲しい本の両隣に並んだ本、作家たちの名前を見てまわるだけで、世の中の動きも分かるし。両方よさがあるわよね。

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    1. うちの息子、あんなんで今からでも「クッ」身に付きますかねぇ……w いきなり南部に放り込んだらそれこそカルチャーショックだろうなあ、ふふふ。今年の夏は日本に行く代わりに南部に送ろうかしらっw  

      東京の本屋さんは楽しいですよねえ。うんうん、平積みにしてある本や雑誌の表紙を見ると、アマゾンのランキングだけじゃわからない動きがわかりますね。あと電車の中吊り広告も…。今度帰っても新宿ジュンク堂がないのは残念だなあ。

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  2. ジャンヌさんのブログ、Tomozoさんのブログを通して知って、時々拝見していて、この本も読んでみたいな~って思っていたところでした。先日、ついに禁断の「日本から本を取り寄せる」をやってしまい、歯止めがきかなくなりそうです(笑)アマゾン、私もあまり好きではないのですが、つい使っちゃいますね。日本の本だったら、bk1はいかがでしょう?ハンドリングコストがかからず、送付方法が自分で選べます。(EMSから船便まで)私は2週間で届くSAL便を主に使ってますが、しょっちゅう300円オフキャンペーンをやってくれてるので、文庫4~5冊くらいだと、送料1000円かからないです。

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    1. bk1、SAL便で1000円っていいですねえ。早速次回は利用してみます! 
      「日本から本を取り寄せる」わたしも禁じ手だったのですが、1年間帰らないともう駄目です〜。まだ書棚にある本を読み切っていないのに、新しい本に禁断症状が出るってどうなんでしょう?ついふらふら紀伊国屋に行って、高い文庫本を買ってしまったりするのです……。

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  3. >ZIZIさん、どうもありがとうございます!
    bk1は色々と送付方法選べるのですね!知りませんでした。それは便利!
    「ブラック・カルチャー観察日記」もbk1で取り扱っています。今後ともどうぞよろしく♪  (日本に帰ると色々と本を買ってしまって荷物が重い重い。。。(苦笑))

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    1. ジャンヌさん相変わらずフットワーク軽いw 重量制限大丈夫でした? 
      この間日本から帰って来たときは、二人あわせて4つのスーツケースにぱんぱんに色々詰めて、本類はぜーんぶキャリーオンの小型スーツケースに入れてきました。キャリーオンは重量制限がなかったので。もうめっちゃ重くって、私の力ではもちろん棚になんかあげられませんでした!

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  4. とっても気になる本ですねー。
    「黒人と家族になってわかったこと」。私は「日本人と結婚していたらこんなんだったかな?」という想像の方が多いです。笑
    読書家のTomozoさんがこんなにおススメしちゃう本、今すぐ読みたくなってきました!

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    1. 近くだったらすぐに持ってってあげるんだけどなー。お勧めです。あるあるって笑っちゃうところも、ああそうだったのね、と改めて気づかされるところもあってほんと面白いですよ。

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