2011/12/16

フライ美術館のヘビと羊


先週金曜日。シアトルのFirst Hill の坂の上にある、Frye Art Museum (フライ美術館)に行ってきました。

お天気の良い午後、空気は少し冷たいけれど散歩には最適。

この美術館は、いまの職場から坂を5ブロックくらい上ったところにあります。
でもこの坂は散歩というにはかなりきつくて、結構な運動になりました。ていうより、めちゃ辛かった。息切れしまくりでした。


フライ美術館は、入館無料。寄付はウェルカムです。
手前のほうの広い展示室は企画展用で、いまは Isaac Layman というシアトルの若手写真家の展覧会『Paradise』をやってます。


そこらにある普通の工具入れや紙のしわや濡れた紙が超拡大プリントでなにか全然別のものすごく美しい風景になっていて、落ち着かないような気分にさせられます。1月22日まで。

奥のほうの常設展示室は、この美術館の基盤であるフライ夫妻のコレクションを展示した部屋。


入り口で迎える、フランツ・フォン・シュトゥックの『罪』 。

わりに人のよさそうな蛇です。


中は四方の壁いっぱいに絵画がかかっているサロン風。
フライ夫妻が集めた、19世紀末から20世紀初めのドイツ絵画がほとんどです。
フライさんはドイツ出身の移民で、シアトルで食肉工場を経営して成功したんだそうだ。


奥のがフライ夫妻の肖像。絵画コレクションは無償で展示するようにという遺言どおりに、遺産で美術館が設立されたんだそうです。

 ひつじたち。

犬とお散歩。


古いペルシャの絨毯が敷かれた大広間は、写真で見るとベルサイユ的に華やかサロンのようだけど、実際に行ってみると絵画がなんとも重たくって、華やかさというよりなにかこう引きずり込まれるような、ダウナーな感じを受けました。


ドイツ絵画はよくわからない。襟首をつかまれるような絵はなかったけれど、ちょっと背筋の寒くなるような絵がいくつかありました。上の写真の左側の女の子の絵とか。

同じころのベルギーやフランスの絵画よりも、なんだかずっと暗い気が。明るい風景を描いていても、どこかに重い薄暗さがまとわりついているように感じる。やはり、暗くなる一方だった時代の空気を反映しているのでしょうか。


なにしろ無料で、20世紀初頭のサロンな雰囲気が味わえます。坂を上って行く価値はあり(もちろんバスでも行けますよ!)。

美術館は
住所:704 Terry Avenue Seattle, Washington 98104
パーキングも無料です。カフェとショップもあるよ。

午前11時〜午後5時、木曜のみ午後7時まで。月曜休館。


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4 件のコメント:

  1. FRYは時にはなかなか面白いものをやってくれますね。

    たしかに、あの奥のコレクションルーム、椅子と絨毯は良いのだが…
    あまりにごっちゃですよね。もしかしてごつい額縁のせいもあるのでしょうか。

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  2. すごいよね。これが全部個人が集めたものって。
    そしてそれをこうやって保存してみんなの目に触れるようにしてくれているってのも・・・。

    そうか。額縁がどれもこれも重いのかな。

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  3. Kaoruさん、あの3人がけの椅子ー!「ゴシップ・チェア」っていう名前も良いですよね。
    あのごちゃごちゃ感はけっこう好きなのですが、ドイツの絵画が、なんとも重いです。あの時代のミュンヘンの雰囲気なのかなー。
    女の子の顔が死人のようなので怖かったです。

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  4. 良子さん、こんにちは〜!
    そうなのですよね、アメリカにはとほうもないお金持ちが、ポーンと美術館を建てちゃったりするのですよね。戦前の日本もですが。

    額縁もどれもこれも、ずっしり重量感ありました。

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