2011/09/05
コレクター
ホノルルのLさんちを訪ねたときに撮らせてもらった写真、載せそびれていました。
リビングルームにたくさん飾ってある、素敵な古い硝子瓶たち。
これは全部、ハワイで昔使われていた瓶たちです。
多くは、Lさんの旦那様が掘り出してきたというコレクション。
昔はこういったガラス瓶は、使い終わると汲み取り式のお便所にぽいぽい捨てることが多かったので、古い建物のトイレ跡から、貴重なびんが大量に見つかることがあるのだそうです。
で、もうかなり前の話だそうですが、ひと昔前のコレクターは、取り壊された家があると聞くと、夜中にその現場に出かけていって、一晩かけて、トイレやごみ捨て場と思われるあたりを掘って古いびんを探したのだそうです。
数人で行って、一晩に9フィート!約3メートル!…の穴を掘ったものだとか。
宝探しが終わったら、朝までにまた全部きれいに埋めもどして帰るのだそうで。
「今、同じことしたら逮捕されちゃうよね」と、旦那様笑ってらっしゃましたが…。コレクターの情熱をかいま見るお話でした。
ざらっとした厚いガラスの、ころんとした形の瓶たちのなかには、小指くらいの大きさの、日本語の文字が書かれた秘密めいた薬瓶や毛染め薬などもあって、どんなお店に並んでいたんだろう、どんな人が手にとって使ったんだろう、と思うと興味深いです。
サトウキビ農園の労働者は日系人が7割を占め、ホノルルの町にも日本人向けの旅館が並び、日本語の新聞が何紙も発行されていた明治〜大正のころ、船で日本から運んで来た商品を並べるお店もたくさんあったのでしょう。
そのころの日本の女性たちにとって、日本からの舶来!製品の貴重さっていったら、今のわたしたちが日系スーパーの品数がどうこうとか言っているレベルではなかったはず。
そう簡単に帰れる故郷でもなく。多くの人は二度と日本に帰ることがなかったのですよね。
もう二度と帰ることがないかもしれない国から届く、毛染め…。
これはLさんご自身のコレクションから、「志らが赤毛染 ナイス」。
へろっとしたプロポーションもナイスですw
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すごーいすごーい!
返信削除透き通ったお写真、とってもきれいです!
均一でないガラスの厚みや僅かなゆがみに、ものすごーく味がありますね。
私、なぜか子供の頃からガラスボトルが大好きなんです!
といってもアンティークは全く無知なので、ただのワインやら水やらジャムやらの瓶ですが、捨てられずにかなーり溜まってます(汗)
なので、こういったボトルがあることも、全く知りませんでした。
いろんな歴史を経て、ここにあるのですねー。
首にネジの筋がないところがとってもカッコいいです。
(現代のものの多くは、キャップを取るとあの筋がとっても見苦しいと思うのです。)
でも、そんなにまでして掘り出されたものなら、きっと、とても高価なのでしょうねー(ため息)
うらやまし〜!
返信削除今年になってからガラス瓶の美しい写真を見る事が多く、「私も数瓶ほしい!」と思って、etsyやeBayでアンティーク&ヴィンテージボトルを探してヨダレを垂らしてたほど。決して安いものじゃないから買ってないけど、Tomozoさんの写真でまた興奮が蘇ってきたー。
私の勝手な想像ですが、瓶を通って差し込む日の光が、風水的にもいいのではないかと〜。
トイレに捨ててたんですか?それまたなぜでしょう?
返信削除でもそれを取りに行ったって言うのが、またすごいですね。
写真の撮り方が素敵なので、私も小瓶が欲しくなりました。
(つーか、Tomozoさんが使ってるカメラが欲しい)
prunusさん、ありがとうございます。古いガラスびん、素敵ですよね。そうそう、ゆがみが良いんですよねー!
返信削除わたしも全然知識はないのですが、ソーダガラスのびんや、漁師さんがつかう浮き?のガラスなんかがとっても好きです。シーグラスも!
週末にアンティーク屋さんに行ったのですが、数は多くなかったけれど、たぶんこのくらいの時代の色ガラス瓶がいくつか並んでました。もちろん日本のものはありませんでしたが、そんなにびっくりするようなお値段ではありませんでしたよ。
コレクター界では、貴重さや保存状態などで値段が決まったりするんでしょうねー。自分で掘り出したものは、ちょっとやそっとでは手放せないでしょうね!
Motokoちゃん、この淡い水色の瓶の色、わたしも大好き!
返信削除やっぱり状態の良いものだと高いのだろうね、アンティークボトルって。
そうかー、風水的にも良いのかも?(笑)むかし、浅井慎平さんがガラスの瓶を描いた水彩画の絵本が好きで、たしかお小遣いで買って持ってました。あれどこにやっちゃったのかな。タイトルも忘れてしまった…。
shokoさん、うーん、トイレに捨てたわけ、それは…きっと面倒だったからでしょう!(笑)今みたいに毎週ゴミ回収のトラックが来てくれるわけじゃないし、燃やせないゴミはきっとトイレに捨ててたんじゃないかなあ。今ほどゴミがなかったってことですよね。なんでもリサイクルが当然だった時代にも、毛染めの瓶は使い捨てだったんですねー。
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