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2020/02/21

シータック空港のミニたい焼きとロッキー山脈


快晴のシアトルタコマ空港。
昨日も今日も、カスケード山脈もオリンピック半島の山々も青空の下に真っ白に雪をかぶって本当にきれいでした。この写真↑じゃぜんぜんわかりませんね。右端にちょこっと見えている。


改装中のメインターミナル。フィッシュ&チップスとチャウダーの老舗、Ivar'sがなくなって、かわりにこのお店が入居してました。こちらも地元のフィッシュ&チップス屋さん。
女性オーナーのお店だそうで、デザインが可愛い。
 

チップスなしのフィッシュフライを一個だけ買ったら、こんなミニたい焼き的な「フィッシュワッフル」というものが目に入り。見過ごすわけにはいかず一箱購入。
6尾いり6ドルほど。よく考えるとけっこう高いな。

なかみはあんこじゃなくて、甘いクリームチーズが入ってて、その上に甘いソースもついてくる(5種類くらいから選べる)。

生地にも砂糖が入ってるので、このクリームをつけたらシナボンくらいの甘さになります。クリームはちょっとだけ味見して、遠慮しました。


食べきれなかった3匹を袋に入れて飛行機に持ち込んだら、ランチュウのようになってしまった。

もうちょっと甘さをおさえて、砂糖なしのチーズを入れてくれたらいいのにな。

今回も窓ぎわ席。
マイレージが使えたので、コンフォートプラスというエコノミーのちょっとだけ上のグレードの席にしたら、広くてラクだったー。20センチくらいスペースが広いだけで別世界のようだ。しかも3席並びで隣の席が空席。ラッキーでした。


山塊のはじまるところ。正確な位置はわからないけど、ロッキー山脈のはじっこだと思う。
こんなに突然、山が押し寄せるみたいに山地が始まってるんですね。


そしてえんえんと続く山の海。


大平原の凍った河。
いつも上から見るたびに思うけど、ほんとに呆れるほど広いですね、この国。


寒そうな五大湖地方。どの湖だかわかりません。


湖広い!

うとうと昼寝したり本を読んだり窓から外をぼーっと眺めたりしているうちに、あっという間に夕方のボストンにつきました。


バックベイのイタリア市場でマルゲリータピザ。おいしかったです。


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2020/01/12

お茶会事件と正山小種


ボストンの茶会事件船博物館(Boston Tea Party Ships & Museum) というところで買ってきたLapsang Souchongが、ただいま個人的に大ブーム。

ラプサン・スーチョン、「smoky black tea」と書いてありますが、ほんとうに煙の香りがするお茶。日本のお茶ラバーには「正露丸のニオイがするお茶」として知られてますね。



茶会事件船というのは、例の独立戦争につながっていったボストン茶会事件の起きた東インド会社の船を再現して、当時のコスプレをしたキャストが船で迎えてくれ、茶箱を船から投げ捨てるなどのパフォーマンスができる博物館。

わたしはその展示とパフォーマンスはスルーして併設のティールームに行きました。

ティールームのベランダから、観光客が茶箱を投げ捨てているようすや、18世紀のかっこうをした人が積荷の説明をしているのが眺められます。

(上の写真で、カップの右にタイツをはいた男の人がいるのがわかるでしょうか)



このかもめの右にある黄色い船が、その「茶会事件船」。
湾からちょっと運河に入ったとこにあります。



かもめがポーズを取ってくれたのでこちらも。

ウィキコモンズより


このティールームにも18世紀のコスプレをした人がいました。 ティールームの中の写真がうまく撮れてなかったので、ティールームのサイトのスクショです。



こういう人がいました。

ポーツマスの博物館といい、東海岸の歴史ものの博物館ってコスプレがデフォルトなのかしら。みんなとてもノリがよい。



お茶会事件で東インド会社の船から港に投げ捨てられたお茶は5種類で、すべて中国産だったそうです。

このティールームではその5種類がこのようにケトルに入れられていて、たしか5ドルくらいで飲み放題というか「テイスティング」できるようになってます。

「Bohea」「Congo」「Lapsang」の3種類は紅茶、そしてなんと「Singlo」「Hyson」という2種類は緑茶でした。

イギリス植民地時代に輸入していたお茶の3割は緑茶だったんだそうだ。知らなかった。

どれも美味しかったです。
茶葉のメーカーはOlilver Pluff & Companyというサウスカロライナ州の会社。
併設のギフトショップで売ってます。


グーグル日本語入力でラプサン・スーチョンと打ったら「正山小種」と変換された。

ウィキ先生で今初めて知ったのだけど、福建省のお茶なんですね。
そしてこの香りは松葉で燻してつけたものなんだ!知りませんでした。

18世紀のスーチョンは、今の正山小種ほど強い香りはしなかったらしいです。

最初に飲んだとき(10代のころ、紅茶専門店でドキドキしながら頼んでみた)はお茶として絶対にあり得ない香りだと思ったものだけど、この博物館のティールームでしばらくぶりに飲んだら、あら、と思うくらい美味しかった。
ここの会社の茶葉が特別口にあったのかもしれない。

濃いめに入れてミルクを多めに入れて飲むのが気に入ってます。

去年6月に東京に行ったとき、丸の内の一保堂茶舗でお抹茶を飲んだら、お口直しにといって小さなお湯のみで薄い色の煙くさいお茶がでてきた。
いり番茶」というもので、茶葉を強火で炒ってつくるのだそうです。

これはまたスーチョンとは違う、キャンプファイヤのような匂いがするお茶。
香りは強烈ですが、タンニンもカフェインもふつうの番茶よりすくないんだそうです。

こずも食堂かなぼんさんちに遊びに行った時にすこしジップロックに入れてお持ちしたら、「タバコのニオイかと思った!」と言われました。
たしかにタバコの匂いにも似てる。

こちらはスーチョンほどやみつきにはなってないですが。

どこの国にも煙の匂いの愛好家がいるのは面白いですね。
そういえばバーベキューのスモークの匂いだけつけるためのエッセンスとかもあるし。


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2020/01/10

アメリカン・ゴシック


もう2020年に入って10日が過ぎちゃいました。

そろそろ世間は通常運転なのかなー。

この窓は、ボストンのハーバード大近くのOld Cambridge Baptist Churchのステンドグラスです。


通りかかったら前庭に、トランプの政策で国境の収容所に収監されている間に亡くなった子どもたちの写真が、収容所の現状と新約聖書マタイ書のイエス・キリストの言葉とともに飾られていました。

サイトの紹介文を見ると、とってもリベラルな教会らしく、1983年以来、教会のあらゆる生活の中にLGBTQの人々を迎え入れている、とあり、クリスチャンだけでなく不可知論者や「真実を探求するひとびと」もウェルカムですよ、とあります。

ご存知のように教会の中には進化論を否定し、同性愛者を排除する傾向の教会もまだまだたくさんありますが、こういった、きっと保守派のひとたちから見ると「極左」にあたるような「開かれた」教会も、けっこうあるんですよー。

わたしももとは(今でも)クリスチャンですが、わざわざ科学や自分と違う立場の人たちの考えに自ら扉を閉ざし、「それは違う」とジャッジする態度は、キリストの教えにはそぐわないと考えています。 自分たちの考えだけが正しいというその態度は、イエス・キリストを斥け裁いた人々の考えに似ているのではないかと思うのですよ。


まずはこの壁の不ぞろいな石組みの美しさ、そしてかわいらしい塔や窓の形にもぐっと来ました。


ステンドグラスがとてもモダンなので20世紀の建築かと思ったら、1869年完成の建物でした。

どっしりした石組みの、アメリカン・ゴシック・リバイバルの好例だそうです。



中世ヨーロッパ風な小さな窓がロマンチック。絵本にでてきそうな窓です。
この壁の石組みほんとにかわいいなー。
近隣のサマーヴィルという町で切り出された花崗岩をつかっているそうです。


正面入り口のステンドグラスを中から見たところ。


オーガニックな形も色のとりあわせもステキすぎる。



広い礼拝堂の薔薇窓。現在は、バレエ教室の練習場になっています。


こちらは反対側。ここも練習場になっています。
小ぶりではありますが、ゴシックの特徴的なアーチがかっこいいです。



礼拝はこの広いホールではなくて、脇にくっついた小さな部屋のほうで行われているようで、賛美歌を練習する声とオルガンが聴こえていました。



そのチャペルへの扉。このステンドグラスも素敵!!!このカラーすごく好き。


入り口脇のあかり取りの小窓。

ボストンは古い街だけにとても教会が多く、いくつも見てあるいたけど、建物的にはここが一番ツボでした。


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2019/12/08

サーリネンのチャペル


MITさんぽの最後はこのチャペル、MIT Chapel

週末に行ったら中には入れず、一般公開は月曜〜金曜の午前10時〜11時と午後1時半〜2時半、とウェブサイトにあったので、金曜の朝に出直しました。


1955年完成、家具デザイナーとしても有名なミッドセンチュリーの建築家、エーロ・サーリネンの設計です。

本体は円筒形で、そのまわりに浅い池があり、水がはってあります。


まわりはちょっとした芝生のひろば。


入り口からチャペルへ続く廊下のガラス。控えめな色づかいと、ふぞろいなテクスチャーが美しい。


チャペルの中。

ひとつだけの天窓から光が差し込み、「祭壇」に置かれた大理石に注ぐ。

ほかに窓がない、円筒形のそっけないようなデザインは、サーリネンさんによると祈りの場にふさわしい「満ち足りて内面に向かう感覚」を意味するそうです。

この日は水がはってなかったのだけど、ぐるりととりまく浅い池の水の反映も取り込まれるようになっているみたいです。上からの光と、壁に反射する下からの光と。どちらも優しい自然光。おだやかな感じの空間です。



ここは最初からキリスト教だけでなくさまざまな信仰を持つ人のための場として設計されて、実際仏教の瞑想セッションなどもここで行われているそうです。

当然十字架もなく、中央に置かれた四角い大理石と天窓から注ぐ光、金属のモビールが、抽象的な聖性を表現している。


ヒューストンのロスコ・チャペルをすぐに思い出すんだけど、こちらのほうがロスコ・チャペルより少し明るい感じ。


 波打つ壁で、音響効果も良いようです。



ひとつの宗教に縛られない祈りの場を作る、保持するというのは崇高な目的だしぜひぜひ尊ばれるべきだと思うのだけど、でも、やはりひとつの形式と物語のもとに、ひとつの信仰のために統一された空間である教会やお寺に比べると、場の力といったようなものが弱い。

集まってきたものを浄める力が薄いのは当然なのかも…。意思の力だけでは物語にはたちうちできない。


後ろにはパイプオルガン。ここでオルガンを聞いてみたい。

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2019/12/07

機械仕掛けのワーム


10月のMITさんぽ、続き。本当に面白かったんですよ。

半日では回りきれなくて、翌日また行きました。その2日目に行ったMITミュージアム。


キャンパスの中ではなくて、町なかのわりあいに目立たないビルにあります。
入館料はおとな10ドル。


1階にはこのようなロボットたちが展示されています。

そういえばボストン・ダイナミクスはソフトバンクに買収されたんですね。
黒字になるのはいつでしょうか。軍用じゃなくて小回りのきく高性能お掃除ロボットができて爆発的に売れるとか、ないかなー。


こちらはかなり初期のもの。制作年を控えてくるの忘れたけど、80年代だったか。
プリンター用みたいな入出力用端子がついている。
潤滑液?がしたたっているのがなまなましい。




2階には広いギャラリーが3つあり、船舶デザインの展示(精密な模型や設計図、ツールなど)、ポラロイドの歴史の展示もあったのだけど(そのほかにメディアラボのオックスマンラボが「プリンター」でつくったガラスの器もありました)、なんといっても、真ん中の部屋の展示が!メガ級の!つぼだった。

Arthur Gansonという作家さんの作品をあつめた「Gestural Engineering」という展示。
アーサー・ギャンソンさん、でいいのかな。


機械仕掛けの「kinetic sculpture(動く彫刻)」を1977年からつくっている人。
MITのレジデントだったこともあり、ここのミュージアムでは1995年から常設で作品が展示されているそうです。

上のは「Thinking Chair」。考える椅子。この動画はギャンソンさんのサイトより。


クラシックなゼンマイやベルトや滑車やチェーンといった美しい部品が単純な動きを繰り返す機械の仕掛けに、捨てられた人形、骨、紙など、なんでもないようなものを組み合わせて、不可思議な風景をつくり出す作品。

上のは「Machine with Abandoned Doll」(捨てられた人形つきの機械)。



この人形はカリフォルニアのハイウェイの道端に捨てられていたのを拾ったものだそうです。

なんでもないようなものにこれまた単調な動きを組み合わせることで、不思議なキャラクターがあらわれる、というかキャラクターを見てしまう。

幻想的でちょっと怖ろしく、かわいらしい。

人間は動くものに魂を見てしまうようにできてるんですね。


ウィッシュボーンが大きなゼンマイ機械をひっぱって歩くように見える機械。
なんだかけなげに見えてくる。


これはたぶん、枯れた花びらかなにか。
回転する車輪の上を物思いにふけって歩くなにか、にしか見えない。


自分で油を浴びる機械。気持ちよさそう。


黄色い椅子を一瞬だけ組み立てる機械。


そしてわたしが一番気に入ったのがこちら「Inchworms(尺取り虫)」。

この「ワーム」たちが載っている荷台を観客が押しながら歩くと、虫たちがうねうねと身体をくねらせて歩くように見えるという機械の仕掛け。

あまりにも気に入っちゃって、一度ミュージアムを出てからまた駆け戻ってもう一回り押して歩いた。

これ売ってたら欲しい。買えないけど。なんだか癒やされる。
かわいいなあ。AIBOよりもずっとかわいい(個人の意見です、ふふ)。

ご家庭でつくれそうなシンプルさも魅力。

とはいえ、無駄なく大胆で美しいディテールは並大抵のセンスでは真似できません。


これも泣けるほどシンプルで素敵な機械。浅い箱のなかにマメ(ブラックアイドピーズ)が並んでいて、手前のハンドルをまわすと箱のなかが波打ってマメたちが波のように動く。

実にシンプルなものなんだけど、そのシンプルな動きに、催眠術にかかったみたいに惹きつけられる。実に単純なうえに、細部にいたるまで完璧。



紙のきれはしがゆっくり動くこの彫刻は、ぜひこちらのサイトで動画を見てください。

あまりにも優雅な動きに見とれてしまいます。ちぎった紙なのに。

ちなみにこちらの作品は発売中。

お値段は11万ドル(1200万円くらい)。リビングルームにいかが?
とてもシンプルなメンテナンス方法もウェブサイトに図解つきで載ってますよw



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