1973年から続いていたという、全米の都市でもなかなか他にない画期的なシステムだったので残念です。ダウンタウン内で何ブロックか先へちょっとだけ移動したいとき、お金を払わずに来たバスにほいっと飛び乗れるというのは、なかなか快適でした。
何よりもダウンタウンに住むホームレスの人たちの移動手段になっていたので、このシステムの廃止は一番貧しい人たちを直撃する！と反対するデモもありました。
金曜日、少し早めに仕事を終わってバスを待っていたら、そのデモがちょうど通りかかったのでした。Funeral March for Ride Free Area （無料乗り降り区間のための葬送行進）というテーマでしたが、チューバやサックスの楽隊つきの、にぎやかな葬列でした。
徴収されるようになったメトロバスの運賃は、時間帯により2ドル25セントから3ドルの間。日本のバスみたいに区間によって料金が変わるような複雑なシステムではなくて、乗る時間によって変わるだけの一律料金で、終点まで乗っても同じです。
現金で支払って乗ると、こんな紙の乗り換え用チケットをくれます。これを見せるとどのバスにも（メトロバスに限り）乗り換えOKという、非常にアナログなシステムです。２時間以内に限り乗り換え可能、となっているんですが、ちらっと見せるだけで、運転手さんもそんなにじっくりチェックしていないので、一日中（または他の日に）使ってる人も中にはいるようです。
便利になったORCAカードのことは前に書きましたが、この間、バスに乗ろうとしたらORCAカードを忘れて来ていて、お財布には20ドル札しかなかったので、お金を崩すところを探すのに苦労してしまいました。バスに両替機なんてついていませんので、ぴったりの金額を持っていないと乗れません。でも運転手さんによってけっこう融通がきくのもシアトルバス。息子によれば、カードを忘れても、顔見知りの運転手さんだと見逃して乗せてくれるのだそうです。
乗り降り無料区間廃止の理由は、財政難。無料区間廃止で年間200万ドル増収の見込みだそうです。メトロバスは6000万ドルの赤字を出して、大幅な路線カットの瀬戸際にたっていました。キング郡では去年から、バス路線保持の緊急対策費として、自家用車の年間登録費を1台あたり20ドル徴収しています。（congestion reduction charge、「混雑緩和費」という名目です）そのかわり、車の登録をするとバスの無料チケットが24ドル分もらえるようになりました。これは寄付もできるのですが、あまり利用されていないし、第一あまり宣伝されていないようです。「混雑緩和費」に注目が集まるのを避けているのかもしれません。
はじめまして！
返信削除ブログ村から来ましたpinksalmonと申します。
1ヵ月前に日本からシアトルに引っ越して来ました。
バス事情は、これからバスを利用しようとしている私にとって、とっても参考になります。
有難うございます。
それにしても、、バスに両替機を置いてないというのは、驚きです。
日本は、親切な国だったんだなぁと感じています。
アメリカでは、いろんな行動に、一人で責任を持たなければいけない国だと、交通事情１つを取っても言えるんですね。
自覚しながら、シアトル生活を楽しめたら～と思っています。
これからも遊びに来ますので、ヨロシクお願いします。
pinksalmonさん、こんにちは、はじめまして！
削除シアトル生活をさっそく楽しんでいらっしゃるのですねー。ヴィクトリアはまだ行ったことがないので羨ましいです。この週末は息子のサッカーチームの試合観戦で、ヴィクトリアの向かいのポーとアンジェルスまで行きましたが、ティーンエイジャーぎゅうづめの車でまる一日の行程にぐったりしました。とほほー。
本当に、日本のサービスは世界一、かゆいところにだけでなく、かゆくないところにまで手が届くのが接客というのが日本の常識になっていますけど、なんでもセルフサービス、自己責任のアメリカ式に慣れてしまうと、なにもそこまで親切じゃなくてもいいのに、と思うこともあります。特に、サービスされる側が、神様扱いされて当然、と思い込んでいるのは困りものだと思います。
アメリカのサービスは投げやりだったりいい加減だったりすることも多いけれど、現場の人の裁量でけっこう融通がきくところ、バスもそうですけど、風通しがよくってけっこう好きです。
シアトル生活楽しんでくださいね～。こちらからも遊びに行かせていただきますね。
TOMOZOさん
削除さっそくのコメント返信を有難うございます。
シアトル、、自然がいっぱいで素晴らしいところですね！
しっかり楽しませて頂いてます☆
ポートアンジェルスは、近いうちに行ってみようか！と只今計画中です。TOMOZOさんの息子さんはティーンエイジャーなんですね。私の息子はすでに大学生、、部活等で付き添っていた頃が懐かしいです。
＞日本のサービスは世界一、かゆいところにだけでなく、かゆくないところにまで手が届くのが接客というのが日本の常識
ほんとにその通りです。
私も一年前まで、不動産の営業をやっていましたが、顧客から求められるものを予測し、それ以上のサービスを提供する事を目標に働いていました。
アメリカに来て、実際に生活してみると、ややルーズではあるけれど、そっちの方が返って気が楽な場合もあり、接客対応も気軽で自由でいいなあ～、、アメリカで不動産のお仕事がしてみたいなあ～なんて思う事もあります。
英語が話せないので不可能ですけど～（笑）
私のブログは、お気楽自己満ブログですが、一度遊びに来て下さると嬉しいです。
お待ちしてま～す☆
pinksalmonさん、ポートアンジェルスは、行ってもどってことないかも…w ハイキングにハリケーンリッジまで上がっていくならお勧めです。
削除不動産屋さんをされていらしたのですね！「それ以上のサービス」、まさに日本ですね〜。サービスされる側は良いのですが、それが当たり前になって、サービスする側のほうにあまりにも負担がかかっているんじゃないかな、と最近よく思うようになりました。ほどほどが良いんじゃないかな、と。
ブログ遊びに行かせていただきますね。
Tomozoさん、お葬式、見れたんですね！ニュースで読んで、ちょっと見たーい！なんて思ってました。
返信削除Tomozoさんの仰る、「かゆくないところにまで手が届く」接客って、まさにまさに！時々、「日本だったら・・・」と文句を言いたくなることもありますが、日本にいたときは、「やりすぎで気持ち悪い」と思っていて、考える前に何でもやってもらえたりするので、どんどん思考停止状態に陥るような気がしていたことを思い出しました。
最近は、アメリカのやり方も悪くない、と思う時がよくあります。慣れてきたということなのかもしれませんが（笑）
ZIZIさん、私も気になっていて見に行こうかなとも思っていたんですが、いいやーと思ってバスに乗ろうとしていたら、ちょうど向こうからやって来てくれました。バスがもう来ていたので、iPhoneでいい加減に撮った写真なのがちょっと残念。
削除日本のサービスって、素晴らしい面もあるのですが、それが強制的なスタンダードになってしまうというのは少し病的なんじゃないかと思います。
自分が我慢して人にサービスする分、自分が少しでもスタンダード以下と思われる扱いを受けるとひどく逆上してしまったりする人が多いんじゃないかしら。ホノルルの日本人旅行客にそういう人をたくさん見かけました。