Magnuson Park (マグナソン・パーク)はシアトル市営公園のなかで2番目に大きく、敷地面積350エーカー=141ヘクタールだから、東京・立川の昭和記念公園よりほんのちょっと小さいくらい。
その昔米軍基地だった昭和記念公園と同じく、ここも昔は海軍の航空基地だったところだけれど、出来上がりはかなーり違う。
まず面白いのは、海軍の航空基地だった時の建物の多くがそのまま取り壊されずに残されているところ。
この翼のマークを見て、わたしは最初、ここは昔ホンダの工場だったのかと思ってしまいました。
この翼は、1920年代、ここにあった航空基地から飛び立った飛行機群が成し遂げた、初の世界一周飛行を記念したモニュメントだったのでした。
GPSなんかなかった時代、コンパスだけでよく行って帰ってきましたね。
軍用車の巨大ガレージだった建物を登山団体が借りてロッククライミングの練習施設を作ってたり、大戦時代の飛行機格納庫を私企業が借りてインドアサッカーのコートを作ってたり。正面ゲートの建物の一部には「シアトル自転車クラブ」が入居している。
基地時代のシアターは市民オペラが入居していて、教会も現役で使われているみたい。
建物のいくつかはワシントン大学が所有していて、倉庫やオフィスにしている。
地方自治体と市民団体と民間企業が入り組んでコミュニティをつくろうとしているところが面白いなと思う。きっと市民組織が活発だから成り立っているのでしょうね。
この公園はワシントン湖に面していて、2キロくらいの「ビーチ」もあり、ボートやヨットを水に浮かべるための進水台(というのか)も整備されている。
自家用ボートを家からトラックでひっぱってきて、ここから湖に出る。夏の盛りには車の行列ができるようです。
格別なお金持ちのネイバーフッドでなくても、シアトルではよくガレージの前に小型のモーターボートが置いてあるのを見かける。湖や湾で水上スキーをしたり釣りをしたり、というのはこのへんではとてもポピュラーな夏のファミリーレジャー。(本当に大金持ちの方々は水辺に住んでいらして、市営公園を使わずとも自宅の裏庭に船着場がある)
公園内の一部では、ボランティアの手で外来植物を排除して原生種の植物群を再生する試みも進行中。
人工芝のサッカー場のすぐ裏には、見たところ自然のままの湿地帯が残されていて、こんなのどかな散歩道が。
とても住宅街の中にある公園とは思えない、ワイルドさ。
草陰からカエルののんきな声が聞こえる、まるでどこか人里離れたハイキングコースのような湿地だけど、これは駐車場から徒歩3分。ほんとにサッカー場からボールが飛んできそうな距離だ。
予算もないのだろうけど、たとえば整備された庭園を作りましょうという発想は最初からなかったらしい。そのまま残そう&保護しようという声のほうが普通に大きいのが、シアトルらしさなのかもしれません。
散歩道も湿地のあたりは舗装なんかされていないので、ところどころ、長靴でないと無理な感じのぬかるみになっていて要注意です。
昔、滑走路のあったあたりは、サッカー場8面、野球場、テニスコート、凧揚げ広場、ドッグパークなどになっている。ひろびろした原っぱが気持ち良い。
ドッグパークがあるので、大きな犬を連れてきて散歩する人多し。
特に名所というようなものではないけれど、犬や小さな子どもを連れて、のんびりお散歩やピクニックするにはぴったりの、ひろびろして気持ちの良い公園です。
季節にもよるかもしれないけど、パーキングも広大で不自由しないし、おやつ調達のためには、ゲートの前に感じの良いベーカリーもあって便利です(日曜休み)。
もちろんコーヒーも調達出来る。
息子のサッカー練習の間に買って食べたハム入りのキッシュがおいしかったです。
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