2014/08/18

傾いた風景


尾道は坂の町。

ロープウェイを降りて地図をみると、丘の上から駅まで「古寺めぐり」というルートになっているらしかったので、その通りに歩いてみる。



丘の中腹の人家やお寺の間をうねうねと通る、猫道のような石畳の道。



見たことがないはずなのに懐かしい風景ばかり。


坂の途中に建っている、綺麗な三重塔。


「1388年(室町時代)建立、重要文化財。火気厳禁。」

と書いてある立て札がありましたが、境内は無人。火気厳禁を執行するのは各自でお願いします、ということらしく、なんて無防備な。


あめ色になった木材がまことに重厚な建物です。末永くご無事を祈る。


この坂道の角度や建物の複雑なこと。


「古寺巡り」の道は、お寺だけではなくて(本当にどうしてこんなに狭い場所にこんなにたくさんのお寺がひしめき合ってるんだろうか)、民家の軒先やお墓も通っていきます。


おはか。墓石もかなり混み合っていました。賑やかなお墓ですね。
ちりとりにも存在感が。 


素敵な板塀とすだれのある、かなり手入れの良いおうちです。


でもなんとなく町全体が傾いている感じが、とてもする。



なんだかとても複雑な地形に建っている複雑な仕組みの家々。この上の写真の中央に小さく見えてるのは昔の共同井戸で、つるべと木の桶が保存されてます。



傾いているんだけど、とにかくどのパーツをとっても、電線も板塀も塀からはみだした草木も、坂道を昇って来るおばあさんも、なんともいえない存在感がある、やっぱり不思議な町です。

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2 件のコメント:

  1. どれもともこさんの手にかかるとよい風景になってる。あめ色の三重の塔いいね。

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    1. りょんさん、ありがとうございます。本当にこの三重塔の色。燃えないことを祈ります…。
      直前に松山で、燃えてしまった重文のお寺跡というのを見て来ただけに……。

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