バスで瀬戸内海をわたって、いつのまにか尾道の町なかについてました。
窓の外に見える町の風景にのっけからひとりで興奮。うわー。坂道が。うわー、瓦屋根が。うわー、おばあさんが。素敵すぐる。
駅について荷物をロッカーにいれて、新幹線の時間まで約4時間弱。よし、歩く準備万端。
「ここはええところじゃ、駅へ降りた時から、気持ちが、ほんまによかった。ここは何ちゅうてな?」
「尾の道よ、言うてみい」
「おのみち、か?」
「海も山も近い、ええところじゃ」 (『風琴と魚の町』、林芙美子)
なにも前知識を仕入れていなかったので、とりあえず駅前の「リトルマーメイド」でパンを買って食べながら、海沿いをてくてく商店街方面へ。
商店街の入り口に、いきなり林芙美子記念館がありました。
入館無料。ここは林芙美子が高校に上がるまで1年ほど住んだ家だということです。
1階も2階も一間きりの、ごく狭い家。
この2階、はしごのような階段で上がれることは上がれるのだけど、土台が歪んでるっぽくて「壁に手をつかないでください」なんて注意書きがあって、はなはだ心もとない。
後で歩いた坂道の上にも、いまにも崩れそうな家々がたくさんありました。
商店街出口にある芙美子像。うしろにでかでかと「金券」だの派手に破けたままの看板だのがあるところが、いかにも似つかわしい。
商店街は七夕でした。
昭和のどこかで時が止まったかのような、うすら寂しくて活気のあまりない、懐かしい商店街ではあるのだけれど、ところどころに目をひくオシャレな店がある。
たとえば「パン屋航路」という新しそうなベーカリー。東京の真ん中にありそうな清潔でさっぱりした店。
しまった、リトルマーメイドでパンを買ってしまった、と思いながらもここでもソーセージパンを買う。
それから、30代くらいのキュートな奥さんがお店をきりもりしていた焙煎コーヒー豆の店。
アイスコーヒーをここで買いました。
このほかにも、カフェやベーカリーがいくつか。
そうして、看板の出ていた「あなごのねどこ」というゲストハウス。
わー面白そう、と思ったけどこの日は時間がなく、帰ってから調べてみると「尾道空き家再生プロジェクトの再生物件のひとつです」とのこと。ドミトリー式で宿泊料金3000円、だそうです。
次回ここ!
尾道もやっぱり高齢化が進んでいて、空き家が多くなっているらしい。
商店街も歯のぬけたようにシャッターがしまっているお店も。
尾道が好きな若い人が外からやってきて地域を活性化しようとしてる。
難しそうだけど、がんばれ尾道ー。
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