道後温泉で行われていたオンセナート、有料の展示物もあるので全部は回らなかったけれど、ここは絶対に見たいと思っていた、「水玉カフェ」。
もちろん! 草間彌生さんの作品でございます。
「宝荘ホテル」ていう、ごくまともな温泉ホテルの1階ロビーが突然こんなことになってるんです。
ここのロビーで普通に地元のおじさんが背広を着て商談とかしてたりするのが、またいとおかし。
草間彌生さんは格別に大ファンというわけじゃなく、正直、理解できない部分もあって、本当に好きなのかどうかよくわからない。
きちんと展覧会などで向き合ったことがないので、「あー知ってる」くらいの適当な理解です。
草間さんのドローイングはとても好きだけど、巨大カボチャとかはちょっと良くわからない。その世界に入っていけない時もある。
でも、存在してくれているだけで頼もしいアーティストの1人。近くに作品があればとりあえず見に行かずにいられない。
ごく浅い理解からの印象なんですけど、
「間違った女子力の持ち主、良い意味で」
という気がします。
水玉カフェのロビーの水玉自販機で水玉パンツが売ってました(ワコールの提供)。しばらく逡巡しましたが、買いませんでした。
でもホテルの売店で売ってた水玉クリアファイルは、即買い。
この可愛さをわかってくれそうなNちゃんにもオミヤゲに。
「世の中には「かわいい」か「かわいくない」の2つしかないんです」という、ギャル雑誌『小悪魔アゲハ』の中條編集長がインタビューで語った言葉が大好きです。
「かわいい」って、奥が深いですね。
先日のゆるキャラの話にもつながりますが、「くまモン」は日本の大多数の人に「かわいい」と思われているけれど、「せんとくん」を「かわいい」と思う人は(たぶん比較的)少ない。草間彌生さんの水玉イヌをかわいいと思う人は、数的にはその真ん中くらいかも、という気がします。
人工知能がもう少し発達したら、この「かわいい」を数値化できるようになるんでしょうか。
ところで、この中條編集長のインタビュー(2009年のもの)は、しばらく前に読んで、ものすごく感銘を受けました。愛のある、素晴らしいプロフェッショナル。
『小悪魔アゲハ』は、もちろん、まるで私に関係のない雑誌なので買ったことどころか実物を見たことすらありませんでしたが、このインタビューを読んで立ち直れないほど感動しました。
雑誌が好きな人には、おすすめの記事です。
「かわいい」と正しい「女子力」とは、実は正反対に働く場合も多いようです。
なぜならいわゆる「女子力」が他の人に向かって働いているのに対して、「かわいい」は自分に、またはもっと抽象的などこか高いところに向いてるから。
『アゲハ』の読者の女の子たちが共有してる美学っていうのは、きっとモテるとか男の人に好かれるとかそういう価値ではないところで完結してる。キャバクラで指名が増えるとかモテるとかっていうのは、結果であって目的じゃない。
草間さんの作品のかわいいパワーにも、それに似た、女子力としては完全に間違ったかわいさを感じます。
0 件のコメント:
コメントを投稿