2020/03/30
グッゲンハイム美術館
ニューヨークのグッゲンハイム美術館。3月2日にうちの青年と行きました。
その時は、3週間後にニューヨークが無人の街になるとは誰も思ってもみませんでした。
いったいいつ再オープンするのかまったくわからない状況ですが、美術館のサイトでバーチャルツアーやコレクションを見ることができます。
こちらはウェブサイトより。「家にいながらグッゲンハイムを訪ねよう」のページ。
ZOOMを使った子ども向けの美術クラスやツアーも毎日のように提供しています。(有料、一家族25ドル〜)。
子どもと一緒に家にいて困り果てている全米のお父さんお母さんには利用しがいのあるリソースかもしれません。
わたしもこのとき初めて行った。フランク・ロイド・ライト設計の有名なうず巻きビル、世界遺産にも登録されているのだそうですね。知りませんでした。
シアトルの中央図書館を設計したレム・コールハースさんが企画デザインした展覧会「Countryside, The Future」が展示中でした。
アートの展覧会ではなくて、 「いなか」と未来がテーマの企画展。
米国だけでなく、世界各地の「いなか」で何が起きているか、森林破壊、気候変動、農業のハイテク化など、現在の文明がもつ問題の多くをデータやピクトグラムや写真やインタラクティブな展示をとおして見せるもの。
あまりに膨大な情報なので、正直、半分くらい流してみただけでもおなかいっぱいになってしまいました。
うちの青年は主に建物に感動してて、展示はあんまり見てませんでした。
横っちょにある別の展示室の展覧会もとても面白かったです。
図書室、ほかの展示室や、廊下のまんなかにあるトイレなど、探さないと見つからないようなフィーチャーがたくさんある。オーガニックな建物。
小展示室のひとつでやっていた「Marking Time: Process in Minimal Abstraction」 。
ミニマリズムの抽象絵画を集めた展示。
これは 韓国のアーティスト、朴栖甫(パク・ソポ)さんの1973年の作品。
油彩絵具の上に、鉛筆で隙間なくびっしりと、強い均質なストロークで線が描かれている。
「自分を完全にカラにして、自分の思考や感情を示すような表現をかけらもしないようにしなければならなかった」というアーティストの言葉が解説に書いてありました。
どういう修行やねん。と思わずにいられないのですが、しかし、そうやって気の遠くなるような作業のはてに生まれた「思考も感情も語らない作品」は、とっても存在感があって、すがすがしい。
それに有機的なかんじを受けました。ニットのセーターみたい。
思考や感情を排除しようとしているからこそ、アーティストの身体性や体温のようなものがなまなましく伝わってくるかんじです。
ミニマリズムの作品はいままで、頭でっかちで取り付きにくい気難しい人のように思っておおむね避けていたのですが、このときにみた作品はどれもかなり好きだった。
別の階でやっていた「The Fullness of Color: 1960s Painting」。
バーチャルツアーはもちろん素晴らしいフィーチャーなのですが、実際にその場で向かい合って作品をみるのと映像で見るのには、ケーキの絵を見るのと実際に食べるのくらいの違いがあります。
はやく全世界の美術館がまた再オープンできますように。
ニューヨークがはやく生き返りますように。
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