2019/08/13

史上最悪のスキャンダル



先日の出会い。

シアトルのねこたちも、世の中と人間を信じ切っていますね。
知らない人にずんずん寄ってくる。

きみたちはそんなに無防備でいいのか。

末永く幸せにね。

友人によると、岩谷光昭さんの『世界ネコ歩き』、前回はシアトルだったそうです。
み〜た〜い〜〜〜。




ところで先日、Netflix オリジナルの『The Great Hack』を観ました。

めっちゃめっちゃめっちゃ面白かったです。

2016年の米国大統領選の前にFacebookのユーザーデータをごっそり利用してトランプ陣営の広報と選挙戦術に使い、英国のEU離脱の国民投票でもSNSデータを使ったPRを行って世論操作をしたとして問題になったコンサル会社、ケンブリッジ・アナリティカの内部告発者ブリタニー・カイザーと、「オブザーバー」のジャーナリスト、キャロル・キャッドウォラダー、自分についてのデータ所有権を侵害しているとしてケンブリッジ・アナリティカを訴えたパーソンズ美術大学の教授、デヴィッド・キャロルに密着したドキュメンタリー。

Facebookのザッカーバーグが議会に呼び出された顛末も、ケンブリッジ・アナリティカの最後も、リアルタイムでキャプチャされてます。

この事件に関してはヘッドラインを飛ばし読みくらいしかしてなくて、Facebookはもうオワタねー、こわいねー、もう情報載せるのやめようねー、なんてのんきな感想を述べていたのですが。

あまりにもひどい話で、出てくるキャラが全員あまりにも立っているので(最初の告発者、クリス・ワイリーなんて、ほんとにNetflixオリジナルのドラマに登場しそうな…『センス8』にでてきそうな…鼻ピアスでピンクの髪のオネエ喋りのコンピュータサイエンティスト)何度もこれはウソだよね?と思いたくなるんですけど、ケンブリッジ・アナリティカはまじで実在した会社なんですよね。

カリブ海の島での選挙のときの人心操作の手口。
それをプレゼン用ビデオにする厚かましさ。

小さな国で磨き上げた選挙の人心操作テクニックを2016年の大統領選挙につぎ込んだという笑えない話。

ブリタニー・カイザーは、オバマの2008年選挙キャンペーンのインターンからブレインになり、その後、トランプのキャンペーンを頂点とする諸々保守派キャンペーンのブレインへと転身した人。

それにしても、オバマのキャンペーンで功績のあった彼女がなぜオバマ陣営やヒラリー陣営
から離れたのか、(そしてNRAやトランプやスティーブン・バノンのお友達になっちゃったのか)と聞かれた答えは、

「(オバマやヒラリーの事務所は)誰も、私にお金を出そうとはしなかった。
自分の家族がお金をなくして、ずっと住んでいた家を失ったようなときには…そして大黒柱だった父親が脳を手術して働けなくなったようなときには、お金を出してくれる人たちのところに行かなくちゃいけないものよ」

と答えてます。

2014年に家族が住んでいた家を失い、そのときから、オファーのあったケンブリッジ・アナリティカ社で働くようになったのだと。


邦題は『グレート・ハック SNS史上最悪のスキャンダル』。

しかし、「SNS史上」というのは狭く限定しすぎだとおもう。
 
FBのデータが流用されたのはもちろん言語道断のスキャンダルだけれど、その意図とその結果、その破壊力こがこのドキュメンタリーの主眼なのであって。

世界史上最悪のスキャンダル、のひとつ(英語ならではの言い回しでね)ではないかと。

キャロル・キャッドウォラダーさんが公聴会で答えているとおり、これは主義主張を超えて「民主主義のインテグリティと、国の自治を脅かす問題」。



とにかく見てくださいね!

見るべし見るべし。

いったい人類はどこへ行くのか。来てしまったのか。
 
まじで『ブラック・ミラー』のエピソードみたいだけど、悲しいことにこれは現実。

そのへんのホラー映画よりずっと涼しくなることまちがいなしですよ。



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