先日いただいた、建築家Y子さんの新作。ひろってきたモミジの赤い葉が不気味なかんじに枯れて、海藻みたいで、似合います。ムーミンパパがある日突然ニョロニョロたちといっしょに旅に出てしまうお話があるのですが、その物語にでてくる、うら寂しい海岸の景色のように。
このあいだ、ムーミン原作者のトーベ・ヤンソンの伝記をもとにした映画『TOVE/トーベ』をストリーミング(Amazon)で観ました。ことし、2021年公開の映画。
淡々とした語り口で、なかなかステキな青春映画でした。
主演の女優さんは写真で見るトーベさんとよく似てる。
長年の『ムーミン』シリーズ大ファンなのに、わたしはトーベさんのことはほとんど知らず、彼女がバイセクシャルで、なくなるまで長いあいだ、女性のパートナー(ムーミンシリーズに出てくる「おしゃまさん」のモデル)と暮らしていたということも知りませんでした。
映画にもちらっと出てくるその彼女、『ムーミン』読者なら、一見して、あ、おしゃまさん(英語名はToo-Ticky、スウェーデン語はToo-tickiで、だ、とわかるくらいそっくりでした。
英語のMoominサイトには、モデルになったTuulikki Pietiläさんとトーベさんの楽しそうな写真も載ってました。
ついでにお宝自慢。
そのむかし、いまのようにグッズを一手にグローバル展開しているMoominとは別の、独立系のムーミンショップというのがホノルルにありまして、オーナーさんはまだご健在だったトーベさんに直接交渉してオリジナルのグッズをいくつか作っているのだと自慢してました。
トーベさんからの直筆のお手紙がお店に飾ってありました。
そのうちのひとつがこのシルバーのアクセサリー類で、ペルーの職人さんに作らせているのだといってました。
当時はほんとに洒落にならないくらいの赤がつく貧乏であったため、たしか6000円かそのくらいだったこのちびのミイのピアスになかなか手が届かなかったのですが、結局そのお店が閉店することになって、その閉店セールで半額になったときに、頑張って買った覚えがあります。
つけてるとどうしてもミイが逆立ちしてしまうんですけど、ここぞというときのお守りピアスです。
ちびのミイはいつも笑っているか怒っているかのどちらか。いっさいの忖度をしないし、本質を見抜いて、かしこく、何ひとつ恐れず、どんな状況でも完全に楽しみ、完全に自分に正直で、自分のしたいことをよく知り、ときどきウジウジしているムーミンをいじめるけれど、底意地が悪いわけではなくて、遠くで見守ってときどき面倒をみてやったりもする、ハードボイルドなキャラクター。リアルライフの人間が同じことをしたらかなり大変な人格になってしまうので、やはりポケットや砂糖つぼにおさまるサイズであるからこそのキャラですね。
でもいつも隣にミイがいて話し相手になってくれたら面白いなあ。
トーベさんも、ミイは自分がそうでありたい分身だと言っていたそうです。
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